各 Vault には、オブジェクト、オブジェクトのフィールド、その関係で構成されるデータモデルがあります。オブジェクトレコードは、このモデル内のデータです。例えば、製品は Vault の標準オブジェクトであり、WonderDrug は標準オブジェクトのオブジェクトレコードです。

オブジェクトレコードへのアクセス

管理者 > 企業管理者から、またはオブジェクトタブからオブジェクトレコードを操作することができます。詳しくは、オブジェクトレコードへのアクセスを参照してください。

オブジェクトレコードを作成または編集する方法

新規オブジェクトレコードを作成、または既存レコードを編集するには:

  1. カスタムオブジェクトタブまたは管理者 > 企業管理者 > [オブジェクト名]から、作成をクリックするか、オブジェクトレコードを開いて編集をクリックします。
  2. 新規レコードを作成する際、オブジェクトタイプがプロンプト表示された場合は選択します。
  3. オブジェクトレコードの詳細を入力します。これらの詳細は、オブジェクトに対する管理者の設定に応じて異なります。管理者のオブジェクトに対する設定によって、オブジェクトレコードを作成または保存する際に、デフォルトのフィールド値が表示される場合があります。
  4. 任意の作業: このオブジェクトレコードをユーザが選択するのを防止するために、ステータスを無効に設定できます。オブジェクトを異なる設定にすると、ユーザは有効なオブジェクトレコードを選択できます。
  5. 保存をクリックします。他のオブジェクトレコードを作成するには、保存 + 作成をクリックします。Vault は、保存されたオブジェクトレコードを表示する代わりに、空のオブジェクトレコードを開きます。
  6. 任意の作業: レコードを作成して同じページにとどまるには、カスタムタブまたは関連オブジェクトセクションのポップアップダイアログのレコード作成を有効化します。

オブジェクトレコードの詳細ページからレコードを編集する際は、保存ボタンはフィールド値を更新した後にしかクリックできません。フィールドを編集しない場合は、キャンセルをクリックして編集モードを終了します。

さらに、最長 128 文字を超えるテキストフィールドを編集している場合は、入力内容に合わせてフィールドのサイズが自動的に変更されます。

オブジェクトレコードを作成するその他の方法

オブジェクトレコードを作成する方法は次の通りです:

レコードステータスおよびレコード状態

ライフサイクルを使用するオブジェクトの場合、直接レコードのステータスを変更することはできません。レコードを有効/無効にするには、該当するステータスに関連付けられているライフサイクル状態にレコードを移動します。例えば、承認済み状態は有効ステータスに対応しており、破棄済無効ステータスに対応しています。

オブジェクトレコードを移動するアクションは、各 Vault の設定により異なります。例えば、Vault 設定によって、レコードのアクションメニューのユーザアクションを使用し、下書きからレビュー中状態にレコードを直接移動できるとします。別のオブジェクトの場合、レコードをレビュー中に移動する前に署名を収集するオブジェクトレコードにワークフローを開始する必要がある可能性があります。場合によっては、スケジュールされているジョブに基づいて、または別のユーザが関連オブジェクトレコードに行うアクションに基づいて、オブジェクトれコードが新しいライフサイクル状態に移動します。利用可能なアクションは、オブジェクトレベルセキュリティ、レコードレベルセキュリティ、オブジェクト設定によって異なります。

デフォルトのフィールド値

デフォルトのフィールド値は、管理者によって設定された特定の値、または数式に基づいて計算された値です。

単一のレコードを持つオブジェクトを参照する空の必須オブジェクト参照フィールドは、デフォルトでその単一のオブジェクトレコードを参照します。既存のオブジェクトレコードの場合、これらのフィールドはオブジェクトレコード詳細ページからレコードを編集する時にのみデフォルト値が設定され、オブジェクトレコードリストページからインライン編集する時にはデフォルト値は設定されません。

ポップアップダイアログのレコード作成

レコード作成ダイアログボックスでは、ソースオブジェクトのカスタムタブまたは関連オブジェクトセクションのリストビューを離れることなく、レコードを作成することができます。

カスタムタブからオブジェクトレコードを作成する際にダイアログボックスを有効にするには:

  1. 管理者 > 設定 > タブ > [オブジェクト] に進みます。
  2. ポップアップダイアログのレコード作成のオプションを有効化します。

このオプションが有効化されたカスタムタブからオブジェクトレコードを作成する際には、新規レコードの詳細ページではなく、ポップアップダイアログにレコードの詳細を入力します。

保存をクリックすると、Vault はレコードを作成し、ユーザはオブジェクトレコードのリストビューにとどまります。保存 + 作成をクリックすると、レコードが作成され、別のレコードを作成するための新規ダイアログボックスが表示されます。

関連オブジェクトセクションからオブジェクトレコードを作成する際にダイアログボックスを有効にするには:

  1. オブジェクトのページレイアウトで、関連オブジェクトセクションの鉛筆アイコンをクリックします。
  2. ポップアップダイアログのレコード作成のオプションを有効化します。

オブジェクトタイプを変更する方法

オブジェクトタイプを使用するオブジェクトの作業を行う場合、新規レコードに間違ったオブジェクトタイプを選択してしまうことがあります。オブジェクトレコードを別のオブジェクトに関連付けるには

  1. オブジェクトレコードを開きます。
  2. アクションメニューからタイプの変更を選択します。
  3. 新しいオブジェクトタイプを選択して、継続をクリックします。
  4. 必要なフィールド値を入力します。新しいオブジェクトタイプに関連付けられていないフィールドの値は削除されますが、Vault はすべての共通フィールドの現在値を保持します。Vault は新規タイプに設定されたフィールドデフォルトを適用しません。
  5. 保存をクリックします。

関連オブジェクトセクションは、表示中のレコードと関係がある子または参照オブジェクトレコードを表示することができます。

カスタムタブで関連リストを開くタブに表示リンクを表示させることもできます。このオプションは、カスタムタブのあるオブジェクトにのみ表示されます。

元のレコードのコンテキストから離れることなく、オブジェクトを作成したり、関連付けたりすることができます。このオプションは以下で使用可能です:

  • オブジェクト参照フィールドから関連付けられたオブジェクト
  • 単純ジョイン関係オブジェクトから関連付けられたオブジェクト
  • 複雑ジョイン関係オブジェクトから関連付けられたオブジェクト (そのオブジェクトに有効化されている場合)
  • ドキュメントから、ドキュメントのオブジェクト参照フィールドを使用する

例えば、Teresa がチームメンバーに治験担当者レコードを作成しているとします。Teresa は、チームメンバーごとに治験チームロールを入力する必要があります。また、チームメンバーである Robert のロールに新しい治験チームロール参照レコードを作成しなければならない場合があります。Teresa は、ページレイアウトの関連オブジェクトセクションを使用して、Robert の治験担当者レコードから直接レコードを作成および関連付けることができます。

このオプションは、関連リストをフィルタリングするよう設定された関連オブジェクトおよびドキュメントセクションでは使用できません。

オブジェクトページレイアウト設定は、関連オブジェクトを作成するためのオプションを制御します。一部の関連オブジェクトセクションでは、設定は新規オブジェクトレコードの作成をブロックすることがあります。設定に応じて、新規レコードの作成がポップアップダイアログで表示されることがあり、これにより元のオブジェクトレコードにとどまることができたり、関連オブジェクトレコードのページに進むこともできます。

オブジェクトページレイアウトの関連オブジェクトセクションを使用して関連オブジェクトレコードを作成するには:

  1. オブジェクトレコードを開き、関連オブジェクトセクションまでスクロールします。
  2. 作成をクリックして、必須フィールドに入力します。
  3. 保存をクリックします。

関連オブジェクトレコードセクションからレコードを作成する際に、Vault はオブジェクトタイプフィルタを強制します。例えば、管理者が、セクションのオブジェクトタイプフィルタを医薬品医療機器のオブジェクトタイプのみを含むと設定した場合、このセクションからはそれらのオブジェクトタイプのレコードしか作成できません。Vault は、管理者が設定したすべてのフィルタを適用しますが、参照権限のあるフィールドしか表示されません。

有効化されている場合、Vault は、関連オブジェクトセクションから作成されたレコードの equals (次に等しい) と includes (次を含む) のフィルタ演算子に関連するフィールド値を初期化することができます。例えば、製品選択リストの関連リストフィルタを「Cholecap」に等しいと設定した場合、関連オブジェクトセクションからレコードを作成する際に Vault はその選択リストに「Cholecap」を入力します。オブジェクトタイプ以外のフィールドでデフォルトフィルタを有効化するには、Veeva サポート

新しい参照レコードを作成する方法

新しい参照レコードを作成するには:

  1. オブジェクト参照フィールドをクリックします。
  2. 選択リストの下部にスクロールします。
  3. + {Object} の作成をクリックします。
  4. 参照オブジェクトのフィールドを含む {オブジェクト} の作成ダイアログが開きます。必須フィールドおよび必要な追加フィールドに入力します。
  5. 保存をクリックします。
  6. ダイアログが閉じます。オブジェクトレコードの作成および編集を終了します。
  7. 保存をクリックします。

双眼鏡アイコンをクリックして既存の参照レコードを検索してから、新規参照レコードを作成することもできます。

  1. オブジェクト参照フィールドをクリックします。
  2. 双眼鏡アイコンをクリックします。
  3. 必要に応じて、オブジェクトレコードからの参照を追加または削除します。参照フィールドにマウスオーバーすると、そのフィールドの値の最大 1,000 文字が表示されます。利用可能なすべての参照を追加するには、すべて選択をクリックします。誤ってこのボタンをクリックした場合は、すべて選択解除をクリックして選択したすべての参照を消去できます。
  4. 作成をクリックします。
  5. {Objects} の作成ダイアログが開きます。必須フィールドおよび必要な追加フィールドに入力します。
  6. 保存をクリックします。

新規関係参照レコードを作成する方法

すべての単純な関係オブジェクトに対して、また有効化されている場合は複雑な関係オブジェクトのオブジェクトレコードに対して作成と関連付けのオプションを使用することができます。管理者 > 企業管理者またはカスタムタブでオブジェクトレコードに進みます。

新しい関係参照レコードを作成するには:

  1. オブジェクトレコードを開き、関連する関係オブジェクトセクションまでスクロールします。
  2. 追加をクリックします。
  3. 作成をクリックして、必須フィールドに入力します。
  4. 保存をクリックします。
  5. OK をクリックします。

既存の関係参照レコードを追加するには:

  1. オブジェクトレコードを開き、関連する関係オブジェクト セクションまでスクロールします。
  2. 追加をクリックします。
  3. 必要に応じて、オブジェクトレコードからの参照を追加または削除します。
    • 利用可能なすべての参照を追加するには、すべて選択をクリックします。このボタンをクリックすると、すべて選択解除と表示されます。
    • すべて選択解除をクリックして、選択したすべての参照を消去します。
    • すべて選択オプションは、500 件以下のレコードの選択に対してのみ機能します。
  4. OK をクリックします。

2 つのオブジェクトが同じ親オブジェクトを共有し、お互いに関係を持っている Vault では、関連れコートのコンテキストから作成を使用して兄弟オブジェクトのレコードを作成する際に、Vault が親オブジェクトフィールドを自動入力します。

レコードから離れることなく関連ドキュメントをオブジェクトレコードに追加するには、いくつかの方法があります:

  • 1 つまたは複数の既存ドキュメントを追加します。フィールドの編集権限があるレコードにドキュメントを追加することができます。
  • ソースファイルをアップロードして、レコードに関連する新規ドキュメントを作成します。
  • ドキュメントタイプの作成に必要な権限がある場合、テンプレートから新規ドキュメントを作成します。

この方法でドキュメントの作成および関連付けを行うと、オブジェクト関係を作成するドキュメントフィールド (例: ドキュメントの製品またはマーケティングキャンペーンフィールド) を更新します。関連ドキュメントセクションを追加するには、管理者はオブジェクトページレイアウトを設定する必要があります。

既存ドキュメントを関連付ける方法

既存ドキュメントを関連付けるには:

  1. オブジェクトレコードを開きます。
  2. 関連ドキュメントセクションで、追加をクリックします。管理者が、このセクションに追加できるドキュメントにフィルタを設定している場合、このセクションにアクセスするためには、フィルタに使用されているすべてのフィールドへの参照権限が必要です。
  3. ドキュメントを選択ダイアログが開きます。必要な場合は、フィルタを使用してドキュメントを検索することができます。管理者が、このセクションに追加できるドキュメントにフィルタを設定している場合、その条件を満たすドキュメントしか表示されません。
  4. 任意の作業: さらに検索条件またはフィルタを追加し、正しいターゲットドキュメントを検索します。必要に応じて、ダイアログの右上で異なる標準ビューを選択します。標準のライブラリビューに加えて、お気に入りにビューを制限したり、現在カートに入っているドキュメントにビューを制限したりすることができます。
  5. チェックボックスを選択してドキュメントを選択し、オブジェクトレコードに関連付けます。
  6. チェックボックスをクリアして、オブジェクトレコードに関連付けられたドキュメントを削除します。
  7. 閉じるをクリックします。

新規ドキュメントを関連付ける方法 - アップロード

関連ドキュメントセクションに直接アップロードすることでドキュメントの作成および関連付けを行うことができます。このオプションは、関連リストをフィルタリングするよう設定された関連ドキュメントセクションでは使用できません。

以下の手順に従います。

  1. オブジェクトレコードを開きます。
  2. 関連ドキュメントセクションで、追加をクリックします。
  3. 検索: ドキュメントダイアログで、作成をクリックします。
  4. ドキュメントの作成ダイアログで、アップロードを選択したら続行をクリックします。
  5. ファイルを選択するには、ファイルを青色のエリアにドラッグ & ドロップするか、ファイルの選択をクリックします。複数のファイルをアップロードすると、複数のドキュメントが作成されます。
  6. ドキュメントタイプによるドキュメントの分類をすぐに行うか、後で行うかの選択が表示されている場合、どちらかを選択します。未分類ドキュメントについては、ドキュメントタイプの選択とフィールド入力の手順をスキップできます。
  7. ドキュメントの分類を選択した場合、ドキュメントタイプセレクタを使用してドキュメントタイプを選択します。これを選択することにより、関係するドキュメントフィールド、ライフサイクルおよびワークフローが設定されます。
  8. 次へをクリックします。Vault がファイルのアップロードを直ちに開始し、ページ上に進捗状況が表示されます。重複コンテンツの検出が有効化されている場合、同じファイルが既に存在している場合は Vault が通知します。
  9. フィールド入力を行います。アスタリスク (*) が付いているフィールドは必須入力です。これらのフィールドは、アップロードが完了する前にも入力することができます。一度に複数のドキュメントのフィールドを編集することができます。
  10. 保存をクリックします。保存ボタンが無効化されている場合は、アップロードが完了していないか、または必須入力フィールドが入力されていません。

アップロードされたドキュメントがライブラリで利用可能になります。ファイルサイズによっては、サムネイルと表示可能レンディションが表示されるまでに最大で数分かかる場合もあります。

新規ドキュメントを関連付ける方法 - テンプレートから

テンプレートからドキュメントを作成・関連付けることができます。このオプションは、関連リストをフィルタリングするよう設定された関連ドキュメントセクションでは使用できません。

以下の手順に従います。

  1. オブジェクトレコードを開きます。
  2. 関連ドキュメントセクションで、追加をクリックします。
  3. 検索: ドキュメントダイアログで、作成をクリックします。
  4. ドキュメントの作成ダイアログで、テンプレートからドキュメントを選択したら続行をクリックします。
  5. ドキュメントタイプを選択します。
  6. 選択リストからテンプレートを選択し、次へをクリックします。
  7. 必須フィールドおよび必要なその他のフィールドに入力します。
  8. 保存をクリックします。

フィールド依存性

オブジェクトレコードからのドキュメント追加は、フィールド依存性を順守しません。

オブジェクトレコードからのドキュメント作成・関連付けはフィールド依存性を順守しますが、2 つの例外があります。

  • 関連するオブジェクトフィールドが、ドキュメントタイプに基づいて非表示または読取り専用になっている場合、Vault はこの依存性を無視してフィールドを入力します。
  • 関連するオブジェクトフィールドが、その他のフィールド値に基づいて非表示、読取り専用、または特定の値に制限されている場合、Vault はこの依存性を無視してフィールドを入力します。

タブに表示

タブに関連ドキュメントの動的生成されたリストを表示するには、関連ドキュメントセクションのタブに表示をクリックします。タブでは以下が行えます:

  • 追加フィルタの適用
  • 一括アクションの実施
  • 複数ドキュメントワークフローの開始

動的生成されたタブにはビューセクションは表示されません。これらのタブにお気に入り最近使用すべて、または保存済みのビューは表示されません。

マルチドキュメントビューア

マルチドキュメントビューアでは、オブジェクトレコードの関連ドキュメントセクションのすべてのドキュメントを表示できます。オブジェクトレコードに関連するすべてのドキュメントを表示するには、オブジェクトレコードのアクションメニューからすべての関連ドキュメントを選択します。

オブジェクトレコードを削除する方法

特定のオブジェクト関係および削除ルールによって、オブジェクトレコードを削除できないことがあります。オブジェクトレコードを削除するには:

  1. オブジェクトレコードを開きます。
  2. アクションメニューから、削除を選択します。
  3. レコードの削除画面プロンプトで継続をクリックします。

オブジェクトレコードの削除に関する制限

オブジェクトレコードが Vault で使用中の状況では、そのレコードを削除することができません。そのような場合、レコードのステータス無効に変更することで、設定やドキュメントメタデータのセキュリティを守りながら、ユーザがオプションにアクセスすることを防ぐことができます。

管理者は削除ルールも定義でき、これは親子関係にある親オブジェクトレコード、あるいは参照関係にある参照オブジェクトレコードのいずれかのオブジェクトレコードを削除しようとする場合の Vault の動作に影響を与えます。Vault オブジェクトの設定で詳細をご確認ください。

オブジェクトレコードの最大数

標準オブジェクトごとに、Vault では最大 1 千万 (10,000,000) 件のレコードが許可されます。これ以上のレコードが組織に必要な場合は、大容量オブジェクトのデータ保存オプションの使用を検討してください。