電子署名は、ユーザがタスクを完了し、電子レコードに署名するための方法を提供します。オブジェクトレコードの詳細ページの関連リストのオブジェクトで電子署名を有効化すると、署名者名、署名時間および署名の意味を含む関連詳細情報を取得することができます。Vault は、ユーザがオブジェクトワークフローで電子署名を提供した際にこれらの詳細を取得します。
オブジェクトに電子署名を有効化すると、Vault は、電子署名オブジェクトクラスに基づいて、関連する参照専用の電子署名子オブジェクトを作成します。これにより、オブジェクトのページレイアウトに電子署名関連リストが追加されます。少なくとも 1 つの電子署名レコードまたは電子署名オブジェクトへの参照がある場合、オブジェクトの電子署名を無効化することはできません。
注: Vault は、18R1 以前に存在したワークフロー電子署名を持つオブジェクトに対応する電子署名オブジェクトレコードを移行および作成します。
電子署名オブジェクトクラスについて
Vault は、電子署名オブジェクトクラスを使用して電子署名を管理し、オブジェクトレコードに電子署名を取得するようになりました。ユーザが電子署名を提供すると、Vault は以下のフィールドで関連する電子署名オブジェクトレコードを作成します:
フィールド名 | 説明 |
名前 | Vault が生成したオブジェクトレコードの名前 |
ユーザ ID (非表示) | Vault 固有識別子 |
署名者名 | 署名時点の署名者の姓名 |
ユーザ名 | Vault の署名者の固有ユーザ名 |
署名日時 | 署名が取得された日時 |
署名の意味 | 電子署名オブジェクトワークフロータスクの完了時に署名者が選択したキャパシティの値 |
裁定 | 電子署名に関連付けられたオブジェクトワークフロータスクの裁定ラベル |
タスク名 | 電子署名レコードに関連付けられたオブジェクトワークフロータスク名 |
ワークフロー名 | 電子署名レコードに関連付けられたオブジェクトワークフロー名 |
親 | 署名された親オブジェクトレコード |
ワークフロータスク ID | 関連付けられたワークフロータスクインスタンスの固有 ID |
ワークフロープロセス ID | 関連付けられたワークフロープロセスインスタンスの固有 ID |
電子署名の有効化
特定のオブジェクトで電子署名を有効化するには:
- 管理者 > コンテンツ設定 > オブジェクト > [オブジェクト] に移動します。
- 詳細タブで編集をクリックします。
- 電子署名を有効化するチェックボックスを選択します。
- 保存をクリックします。
注: 親のないオブジェクトおよび子オブジェクトにしか電子署名を有効にできません。Vault は孫オブジェクトに対する電子署名に対応していません。例えば、治験が治験実施国の親で、治験実施施設が治験実施国の子である場合、治験実施施設に電子署名を有効化できません。
署名タイプの定義
特定のオブジェクトに電子署名を有効化した後、Vault はそのオブジェクトに署名タイプを自動作成します。例えば、製品オブジェクトに電子署名を有効化した場合、Vault は製品署名タイプの選択リストを作成します。この選択リストにより、ワークフロータスクの一環として電子署名を設定する際に署名タイプを選択することができます。
管理者 > 企業管理者 > [オブジェクト] 署名タイプ ページからこの選択リストに値を追加することができます。
オブジェクトワークフローでの電子署名の設定
ワークフロータスクの一環としてユーザの電子署名を取得するため、オブジェクトワークフロータスクまたは裁定に電子署名のプロンプトを追加することができます。ワークフロータスクに電子署名を設定する際に、署名タイプを選択することができます。この選択リストのオプションを選択するため、上に示すように署名タイプを定義する必要があります。
オブジェクト電子署名の表示
ユーザが電子署名を完了すると、Vault は詳細情報を取得しオブジェクトレコードに保存します。親オブジェクトレコードの詳細ページの関連リストで電子署名レコードを表示することができます。さらに、電子署名レコードをクリックしてその詳細を表示することもできます。
「電子署名を廃版にする」の設定
場合によって、取得された電子署名が現在のプロセスに関連しなくなり、更新する必要が出てくることがあります。電子署名レコードが期限切れになるタイミングを決定するために、ライフサイクル状態ごとに署名レコードを廃版にするオブジェクトライフサイクルエントリアクションを設定することができます。このエントリアクションを設定する際に、これらの署名タイプを保持するドロップダウンを使用して、この状態でも有効なすべての署名タイプ (上述) を選択します。
オブジェクトレコードがこのライフサイクル状態に移動すると、Vault は関連する電子署名レコードを確認します。保持しなかった署名タイプを持つ電子署名レコードは、廃版状態に自動的に移行します。
レコードおよび関連署名の削除
オブジェクトで電子署名が有効になっている場合、電子署名レコードに関連付けられている親オブジェクトレコードを削除することはできません。各子電子署名レコードを手動で削除する代わりに、ユーザが親レコードおよびすべての関連電子署名レコードを一度に削除できるユーザアクションを有効化することができます。
ユーザアクションの有効化
親レコードおよび関連電子署名レコードを削除するアクションは Vault で自動的に使用できるようになっています。これを有効化するには、管理者 > コンテンツ設定 > オブジェクト > [オブジェクト] > アクションに進みます。レコードおよび関連署名の削除アクションを選択して、ステータスを有効に設定します。また、アトミックセキュリティを設定してライフサイクル状態とロールごとにアクションを表示して実行できるユーザを管理することもできます。詳しくは、オブジェクトアクションのアトミックセキュリティの設定をご覧ください。
親オブジェクトに対して電子署名を無効化すると、このアクションは親レコードのアクションメニューに表示されなくなります。
電子署名の削除
有効化されると、親オブジェクトの削除権限を持つユーザがレコードのアクションメニューからレコードおよび関連署名の削除アクションを選択できるようになります。Vault は親レコードおよびすべての関連電子署名レコードを自動的に削除します。
無効な状態のレコードでの既知の問題
無効な状態のレコードの電子署名でワークフロータスクを完了するとエラーが生じる既知の問題があります。