名前は Vault では標準ドキュメントフィールドです。各ドキュメントタイプ、サブタイプ、または分類について、形式を定義して、フィールドのデフォルト値を自動入力することができます。ドキュメント、プレースホルダーおよびバインダーの初回作成、分類および再分類処理時に、名前形式規則が適用されます。ドキュメント名形式はデフォルト値のみを定義します: フィールドの編集権限があるユーザは、フィールド値を後で変更することができます。

Vault は、ドキュメント用に選択したのと同じ名前形式オプション添付書類に適用します。

ドキュメント名オプションへのアクセス

管理者 > コンテンツ設定 > ドキュメントタイプから、デフォルトのドキュメント名の形式を管理することができます。ドキュメントタイプのこの設定を変更するには、ドキュメントタイプ: 編集権限を付与するセキュリティプロファイルを有している必要があります。

名前形式オプション

以下の名前形式オプションを使用することができます:

基本ドキュメントから継承

基本ドキュメントから継承 (デフォルトオプション) は、名前フィールドに基本ドキュメントで使用されている形式を自動入力します。例えば、基本ドキュメントがファイル名の使用形式を使用している場合、新しいドキュメントサブタイプは同じ形式を使用します。これは、基本ドキュメントに関連する子ドキュメントタイプにのみ適用されます。ドキュメントタイプが親の場合、デフォルトでファイル名の使用オプションが使用されます。

ファイル名の使用

ファイル名の使用は、ソースファイルのファイル名を使用して名前フィールドを自動入力します。例えば、「Storyboard_0725.pdf」は、「Storyboard_0725」となります。ドキュメント所有者は、ドキュメント作成時にドキュメントフィールドを編集しながらデフォルト値を変更することができます。または、正しい権限を持つユーザであれば、後で値を編集することができます。ソースファイルのないドキュメントの場合は (プレースホルダー、バインダーなど)、Vault はフィールドに自動入力しないため、ドキュメント所有者が値を手動で入力する必要があります。

カスタム形式の使用

カスタム形式の使用は、管理者 > 設定 > ドキュメントタイプで指定された形式に基づいて、名前フィールドを自動入力します。カスタム形式は、フィールド値を表示するトークンをドキュメントに使用します。例えば、「{authors__vs} - {product__v.abbreviation__vs}」の形式の場合、「Lynde et al」が作成者フィールドの値、「WD」がドキュメントが選択した製品の製品略称である「Lynde et al - WD」に解決します。ドキュメントタイプ、サブタイプ、および分類は、ドキュメントに含めるためのフィールドトークンとしては使用できません。

このオプションを使用する場合、ドキュメント所有者がフィールドに入力して新規ドキュメントを保存した後に、Vault が名前フィールドに自動入力します。一旦保存されると、正しい権限を持つユーザは値を編集することができます。ドキュメント作成中に、カスタム形式に使用されるフィールドに空欄のものがあると、ドキュメントの名前にはその値を使用せず解決します。例えば、上の例の作成者フィールドが空欄の場合、名前は「- WD」となります。カスタム形式に全く値が入力されていない場合は、Vault は名前フィールドにドキュメント番号を入力します。

カスタム形式を定義する際には (デフォルトのファイル名の使用オプションではなく)、エンドユーザが、ドキュメント作成、分類、再分類時に名前の値を編集することができないということを覚えておくことが重要です。

動的ドキュメント自動命名

保存時にドキュメント名を再生成するよう Vault を設定することができます。このオプションを使用すると、ドキュメントのメタデータが変更する度に、Vault はドキュメント名を動的に再生成して新規メタデータをカスタム形式に反映させます。例えば、ユーザがドキュメントを分類する際に、Vault は新規分類を反映するようドキュメントの名前を変更します。これを有効にするには、カスタム形式の使用を選択してから、再生設定を選択します。

動的ドキュメント自動命名とワークフロー手順の両方を使用してドキュメント名を更新することは推奨しません。

以下のアクションにより、Vault のドキュメント名生成がトリガーされます:

  • 分類
  • 再分類
  • アップロード
  • テンプレートから作成
  • コピー
  • 下書きの作成
  • バージョン
  • メタデータは以下から更新されます:
    • ドキュメント情報ページ
    • API
    • 一括アクション
    • ワークフロー手順
    • ライフサイクル状態のエントリアクション

文字数の制限

名前フィールドは、最大文字数が 100 字の Vault の標準フィールドです。この制限を変更することはできません。ドキュメントフィールドトークンを使用してドキュメント名形式を定義する際には、解決される合計文字数が 100 字以下であることを確認してください。解決された名前が最大文字数を超える場合は、Vault がエラーを表示し新規ドキュメントが保存できません。

例えば、形式「{authors__vs} - {product__v.abbreviation__vs}」は 2 つのドキュメントフィールドトークンを使用し、3 文字を追加します。作成者フィールドの最大文字数は、デフォルトで 255 字です。製品略称の最大文字数は 10 字です。作成者フィールドの文字制限が大きいため、解決後の名前フィールドの最大文字数を超えやすくなります。このような状況では、ドキュメント名に作成者フィールドトークンを使用しないようにするか、あるいはフィールド制限を 87 字以下に調節することができます。

基本ドキュメント名形式を設定するには

デフォルトで、すべてのドキュメントタイプは、ドキュメントの命名設定がファイル名の使用となっています。基本ドキュメントレベルで設定を変更して、すべてのドキュメントタイプにカスタム形式を適用することができます (タイプ、サブタイプ、分類レベルでオーバーライドを持つドキュメントを除く)。

  1. ドキュメントタイプページで、基本ドキュメントアクションメニューから詳細の編集を選択します。
  2. ドキュメント名形式フィールドに、命名スキームを入力します。必要に応じて、トークンアイコンをクリックしてトークンを検索および挿入します。
  3. 保存をクリックします。

基本ドキュメント名形式を上書きするには

すべてのドキュメントタイプは、タイプ、サブタイプまたは分類に異なる形式を定義していない場合、ドキュメントタイプから名前形式を継承します (タイプからサブタイプ、サブタイプから分類など)。

基本ドキュメント名形式を上書きするには:

  1. ドキュメントタイプページから、変更するドキュメントタイプ、サブタイプ、または分類に進み、アクションメニューから詳細の編集を選択します。
  2. ドキュメント名形式フィールドは、継承した形式または既存の上書き形式を自動的に表示します。新規形式を入力します。必要に応じて、トークンアイコンをクリックしてトークンを検索および挿入します。
  3. 保存をクリックします。

予定ドキュメントの特殊機能

予定ドキュメントは、ドキュメント名形式にドキュメントタイプ設定を使用することができます。予定ドキュメント設定中には、予定ドキュメント名フィールドに、ドキュメントタイプが指定されている場合は、現在のカスタム形式がグレーアウトされて表示されます。新しく設定した名前形式を使ってその形式を上書きすることができます。

カスタム命名形式を予定ドキュメントに定義する場合は、ドキュメントタイプ設定を使用するのではなく、Vault がドキュメントが属するバインダーを使用してトークンを解決します。ドキュメントタイプに定義されたカスタム形式を使用する場合は、予定ドキュメント自体に対して Vault がトークンを解決します。

例えば、Thomas には 2 つの予定ドキュメントを持つバインダーがあります。ドキュメント 1 は、ドキュメントタイプからカスタム名形式 (${DocumentNumber}) を継承します。ドキュメント 2 は、予定ドキュメント専用に定義された上書き名フォーマットを持ちますが、形式コンテンツ自体は同じです (${DocumentNumber})。ドキュメント 2 がバインダー (「Binder-00322」) からドキュメント番号値を継承し、ドキュメント 1 が自分のドキュメント番号値 (「Document-0458」) を使用するため、これら 2 つのドキュメントは、異なる名前値を持ちます。

ドキュメント名用のフィールドトークン

以下のトークンはドキュメント名形式で利用できるものです:

  • ドキュメント番号
  • ファイル名
  • 自動採番
  • ドキュメント番号形式に使用できるトークン (作成月および作成年を除く)

自動採番の詳細

ドキュメントの命名に使用する場合、自動採番トークンは、ドキュメント番号形式の番号付けトークンとは別物です。必要に応じて、自動採番トークンにより、ドキュメント番号とは別の独自のドキュメント名を付けることもできます。

これらのトークンを動的ドキュメント自動命名で使用することはお勧めしません。自動採番トークンを使用する場合は、Vault がドキュメント名を再生成するたびに新しい番号を生成します。

トークンとしての複数選択フィールド

トークンとして複数選択プロパティを使用する場合、生成された名前は選択された最初の値を使用します。最初の値は、ラベルではなく、通常値キー (プライベートキー) でアルファベット順に決定されます。ただし、カスタマーサポートがこのオプションを有効化している場合、お使いの Vault は、ユーザがフィールドにどの値を最初に選択したかに基づいて、選択された値を並び替える可能性があります。

この変動性を避けたい場合には、3 つのオプションがあります。

  • ドキュメント名に複数選択フィールドを使用しないようにします。
  • お使いの Vault が選択された値をアルファベット順に表示する場合は、ドキュメント作成時に単一の値を選択し、その他の値を後で選択するようにしてください。Vault は、ドキュメント作成中にドキュメント名を生成します。名前の生成後、ドキュメント名で使用したフィールドにその他の値を選択しても、更新は行われません。
  • ユーザの選択順に基づいた並べ替えを有効にします。Vault は、ドキュメント名を生成する際に、選択された最初の値を使用します。

トークンとして複数選択プロパティを使用する場合、生成された名前は選択された最初の値を使用します。最初の値は、ラベルではなく、値名 (プライベートキー) でアルファベット順に決定されます。

この変動性を避けたい場合には、2 つのオプションがあります。最初のオプションは、カスタム名形式に複数選択フィールドを使用しないことです。二番目のオプションは、ドキュメント作成において単一値を選択し、後で追加値を選択するようユーザに指示することです。Vault は、ドキュメント作成中にドキュメント名を生成します。名前の生成後、ドキュメント名で使用したフィールドにその他の値を選択しても、更新は行われません。