レコードのコピーにより、多数の同じようなオブジェクトレコードを素早く作成することができ、時間が大幅に短縮されます。子または孫関係を持つオブジェクトからコピーする際は、レコードの全階層のコピーを選択できる場合が多くあります。例えば、製品オブジェクトはマーケティングキャンペーンオブジェクトの親です。CholeCap 製品レコードをコピーする際は、そのマーケティングキャンペーンもコピーできるため、1 回のコピーアクションで、複数の新規オブジェクトレコード (1 つの製品と複数の関連マーケティングキャンペーン) を作成することができます。1 つのレコードをコピーすることを「浅い」コピーと呼び、関連レコードの構造をコピーすることを「深い」コピーと呼ぶことがあります。
レコードをコピーする方法
1 つのオブジェクトレコードをコピーするには (浅いコピー):
- オブジェクトレコードの詳細ページに進みます。管理者またはカスタムタブにあります。
- アクションメニューからレコードのコピーを選択します。
- Vault で、新規レコードの詳細ページが開きます。多くのフィールドが、元のレコードの値に初期設定されます。必要に応じてこれらを編集することができます。
- 編集が終了したら、保存をクリックします。
オブジェクトレコードの階層をコピーするには (深いコピー):
- 1 つのレコードをコピーする手順を行います。
- 子レコードが存在し、階層コピーが親オブジェクト関係に有効化されている場合は、ポップアップが開きます。ポップアップに、レコードがコピーされるオブジェクトが表示されます。
- 関連レコードのコピーチェックボックスを選択して、ポップアップに示されたレコードの階層をコピーします。
- RIM のみ: このレコードで修正された値を関連レコードに適用するを選択し、変更されたすべてのフィールド値を、すべての自己関連の子孫コピーにコピーするかどうかを選択します。このオプションは、レコードのコピーが自己参照 EDL オブジェクトで実行される際にのみ使用でき、関連するレコードのコピーがチェックされていない場合はグレー表示となります。
- 保存をクリックしてアクションを完了します。
- Vault は、最上位のレコードと子レコードを非同期的に検証・コピーします。完了したら、Vault は確認メールを送信します。バリデーションに関して問題がある場合は (一意でない名前など)、コピーアクションの失敗に関する詳細が記載された CSV ファイルがメールに添付されます。
管理者は、階層コピーを実行するために、親オブジェクトレコードの階層コピーを有効にする必要があります。
注意: 現在、参照フィールドを含むレコードを兄弟オブジェクト(階層で同じ親を持つ)にディープコピーする際に、制限があります。例えば、RIM Submissionsで提出をディープコピーする場合、提出国、サブミッション製品、サブミッションの適応症フィールドがそれぞれレコードに入力されていると、Vaultは関連するサブミッションの治験の言語、サブミッションの添加剤、サブミッションの治験レコードをコピーしないようにします。
フィールドのデフォルト設定
Vault は、可能であれば常に新規レコードのフィールド値をデフォルト設定しますが、場合によっては、フィールドは空白になったり、別の値に初期化されたりします:
- 元のレコードの選択リストフィールドが、現在無効化されている選択リスト値を指している場合
- 元のレコードのオブジェクト参照フィールドが、現在無効化されているオブジェクトレコードを指している場合
- 元のレコードのオブジェクト参照フィールドが、動的アクセスコントロール経由でアクセス権限を持たないオブジェクトレコードを指している場合
- 作成者やライフサイクルなどのシステム管理フィールド
- フィールドが固有値を必要とする場合
- ステータスフィールドで、ライフサイクルを使用しないオブジェクトに対してアクティブに初期化され、かつライフサイクルを使用するオブジェクトに対してライフサイクルの開始状態に初期化される場合
関連権限およびアクセスコントロール
レコードをコピーするには、セキュリティプロファイルに、オブジェクトに対する作成権限が付与されている必要があります。深いコピーの場合、レコードをコピーするすべての子または孫オブジェクトに対する作成権限が必要です。子オブジェクトにこの権限がない場合、深いコピーアクションは孫オブジェクトのレコードをコピーできません。
さらに、Vault は、ディープコピーを実行するときに、関係のアトミックセキュリティを尊重します。以下のシナリオ例をご覧ください。
階層内のオブジェクトが動的アクセスコントロールを使用している場合は、コピーできるかどうか、またコピーが機能する深さにも影響が及びます。浅いコピーの場合はレコードに対して、深いコピーの場合は最上位レコードに対して、少なくとも閲覧者ロールが必要です。
深いコピーでは、子または孫レコードに対してロールは不要です。少なくとも閲覧者ロールを持っている場合、Vault は、作成する新規レコードに対する所有者ロールをユーザに与えます。子または孫レコードにロールを持っていない場合でも、コピーすることはできます。ただし、元のレコードを表示できないように、新規レコードを表示することはできません。誰も表示できないレコードを作成する状況が起こらないように、Vault は、自動的に Vault 所有者グループをこれらのグループの所有者ロールに割り当てます。
権限セットのシナリオ例
シナリオ 1
オブジェクト | 作成権限 |
---|---|
製品 | はい |
マーケティングキャンペーン (子) | はい |
広告購入 (孫) | はい |
このシナリオでは、Gladys が製品レコードをコピーする歳には、関連するマーケティングキャンペーンと広告購入のレコードもコピーすることができます。
シナリオ 2
オブジェクト | 作成権限 |
---|---|
製品 | はい |
マーケティングキャンペーン (子) | はい |
広告購入 (孫) | いいえ |
このシナリオでは、Gladys はいずれの子レコードもコピーできません。
シナリオ 3
オブジェクト | 作成権限 |
---|---|
製品 | はい |
マーケティングキャンペーン (子) | いいえ |
広告購入 (孫) | はい |
このシナリオでは、Gladys はいずれの子レコードもコピーできません。
監査証跡
ユーザがレコードをコピーすると、新規レコードの監査証跡のイベント説明はソースレコードの名前を含めます。