エクスペクテッドドキュメントリスト (EDL) は、EDLEDL アイテムオブジェクトを使用して、臨床治験といったプロジェクトの完成度を測定するのに役立ちます。EDL オブジェクトの個別のレコードは、エクスペクテッドドキュメントのリストを表します。EDL アイテムは EDL の子オブジェクトで、個別の EDL アイテムレコードは、特定のドキュメントタイプを表します。EDL アイテムレコードのメタデータフィールドは、収集する必要があるドキュメント数を示します (予想固定状態数)。

EDL には、親 EDL レコードの一致する EDL アイテムフィールド設定に基づいて、ドキュメントを個別の EDL アイテムに一致させる機能が含まれます。バッチ一致ジョブは、ジョブスケジューラ経由で自動的に繰り返されるアクションで、Vault のドキュメントを EDL アイテムレコードと比較して、各 EDL アイテムの完成度値とドキュメント数の両方を更新します。

ドキュメント一致のための EDL アイテム

Vault は、親 EDL レコードの一致する EDL アイテムフィールド設定に基づいて、ドキュメントを EDL アイテムに一致させます。複数値のドキュメントフィールドを一致させる場合、値の 1 つだけを EDL アイテムレコードに一致させる必要があります。EDL アイテムからのドキュメント一致では、Vault での設定方法に応じて、非アクティブなドキュメントタイプが除外されたり、不一致になったりすることがあります。この機能を有効にするには、 サポートにご連絡ください。

例えば、「Blitz キャンペーン」の EDL レコードで、一致するフィールドは次のように設定されます: ドキュメントタイプ > サブタイプ > 分類製品およびキャンペーン。「テレビ広告」は、この EDL に属するEDL アイテムです。一致するジョブがドキュメントを検索する際には、ドキュメントの分類製品およびキャンペーンの値が EDL アイテムレコードの値と同じ場合に、ドキュメントが一致すると判断します。

Vault のドキュメントと EDL アイテムの一致には、連続オンデマンド手動、バッチ一致などいくつかのタイプがあります: オンデマンド一致と手動一致は、EDL アイテムレコードの詳細ページで使用可能です。連続一致は、ドキュメントと EDL アイテムのどちらかにアクションを実行した後に、それら一致について評価します。Vault は、管理者がお使いの Vault で設定できる通常ジョブによりドキュメントを自動的に一致させることもできます。

一致したドキュメントがアーカイブされる際にバッチ一致ジョブが更新するのは、全ドキュメント数固定状態のドキュメント数完成度のみです。連続、オンデマンド、または手動の一致は、アーカイブされた一致するドキュメントに対してこれらのフィールドを更新しません。

EDL を作成するには

EDL レコードに、以下を入力します:

  • 名前
  • 一致する EDL アイテムフィールド (16 フィールドに制限)
  • バッチ更新 (はいに設定)

EDL アイテムレコードに、以下を入力します:

  • 名前
  • EDL (親)
  • 予想固定状態数
  • 親 EDL レコードで一致するよう定義されたすべてのフィールド

レコードを作成したら、Vault は、次にバッチ一致ジョブが実行される際に、計算フィールド (完成度およびドキュメント数) を更新します。アクセス権限がある場合、個別の EDL アイテムレコードに一致を手動で起動することもできます。

テンプレートから EDL を作成する方法

お使いの Vault に EDL テンプレートレコードがある場合、テンプレートから EDL と EDL アイテムを作成することができます。

  1. 管理者 > 企業管理者またはカスタムタブのいずれかから EDLオブジェクトに進みます。Clinical Operations Vault では、治験治験実施国および治験実施施設のオブジェクトが設定されている場合にこのアクションが利用可能です。RIM Submissions では、サブミッションレコードからこのアクションが利用可能です。
  2. アクションメニューでテンプレートから EDL を作成するをクリックします。
  3. EDL テンプレートを選択します。
  4. 続行をクリックします。

Vault は、選択したテンプレートに基づいて EDLEDL アイテムを作成します。Vault は、まず完全に一致を試みます。完全一致がない場合、Vault はデフォルトを選択します。Vault は、選択されたテンプレートでソース EDL テンプレートフィールドを入力します。

連続一致

以下のイベントのいずれかの後に、Vault は新規一致または更新された一致があるかどうかドキュメントと EDL アイテムを自動的に評価します。

  • 新規ドキュメントをアップロードする
  • ドキュメントの一致フィールドの値を更新する
  • ドキュメントがライフサイクルの固定状態に入るまたは固定状態から出る
  • EDL アイテムレコードの一致フィールドの値を更新する
  • EDL レコードの一致ルックアップフィールドを更新する

Vault は、ドキュメントが一致すると現在のページにバナー通知を表示します。

19R3 以降、バッチ更新フィールドがいいえに設定されていたり、空白になっている場合でも、連続一致処理により固定状態にロックされていないすべての一致するドキュメントの新規 EDL アイテムレコードの計算済みフィールド (完成度およびドキュメント数) が更新されます。これにより、Vault が EDL アイテムの完成度をより正確に追跡できるようになります。

バッチ更新いいえに設定されていたり、空白の場合、連続一致をトリガーして EDL アイテムまたは一致するドキュメントを更新しない限り、Vault は既存の追跡レコードを更新しません。すべての既存のレコードを更新するには、Veeva サポートにご連絡ください。

オンデマンド一致

直ちに一致するドキュメントを見つけて、特定の EDL アイテムの数および完成度を更新する必要がある場合があります。そうするには、EDL アイテムレコードのアクションメニューからドキュメントの一致オプションを使用します。

このアクションは、バッチ一致ジョブと同様に機能しますが、単一の EDL アイテムにのみ影響を及ぼします。このアクションは、EDL アイテムレコードが有効で、バッチ更新はいに設定されている場合にのみ利用可能です。

手動一致

ドキュメントへの EDL アイテムの手動一致を使用すると、ドキュメントの手動による一致および不一致、特定のドキュメントバージョンへの EDL アイテム一致のロック、完成度件数からの一致するドキュメントの除外を行うことができます。

この機能を有効にするには、Veeva サポートにご連絡ください。

手動でドキュメントを一致させる方法

EDL アイテムからドキュメントを手動で一致させる、または一致させないためには:

  1. 管理者 > 企業管理者またはカスタムタブのいずれかから EDL アイテムレコードに進みます。
  2. 一致するドキュメントまでスクロールします。
  3. 追加をクリックします。
  4. 緑色のプラス (+) アイコンをクリックしてドキュメントを追加し、EDL アイテムレコードに一致させます。
  5. 赤色のマイナス (-) アイコンをクリックして EDL アイテムレコードからドキュメントを一致から除外します。
  6. 保存をクリックします。

一致するドキュメントバージョンをロックする方法

EDL アイテム一致を特定のドキュメントバージョンにロックするには:

  1. 管理者 > 企業管理者またはカスタムタブのいずれかから EDL アイテムレコードに進みます。
  2. 一致するドキュメントまでスクロールします。
  3. ロックしたい一致するドキュメントのグリッドアクションメニューをクリックします。
  4. バージョンのロックを選択します。
  5. ドロップダウンからドキュメントバージョンを選択します。
  6. OK をクリックします。

一致するドキュメントを特定のバージョンにロックすると、より最新のバージョンがあったり、ドキュメントが過去版のライフサイクル状態に入っても、自動一致ジョブは更新または置換しません。Vault は、ロックされたドキュメントバージョンの一致するフィールドが EDL アイテムのものと一致しなくなった場合にのみ、ロックされたバージョンを削除または置換します。

グリッドアクションメニューのバージョンのロック解除を選択することで、一致するドキュメントのロックを解除することができます。

一致するドキュメントを除外する方法

EDL アイテムレコードの完成度計算から一致するドキュメントを除外するには:

  1. 管理者 > 企業管理者またはカスタムタブのいずれかから EDL アイテムレコードに進みます。
  2. 一致するドキュメントまでスクロールします。
  3. 除外したい一致するドキュメントのグリッドアクションメニューをクリックします。
  4. ドキュメントの除外をクリックします。
  5. 確認ダイアログで続行をクリックします。

除外後に一致するドキュメントを含めるには、EDL アイテムレコードの一致するドキュメントのグリッドアクションメニューで含めるを選択します。Vault は完成度数件数を更新し、ドキュメントの合計に含めるフィールドをはいに設定します。

ドキュメントを除外したら、Vault は以下のアクションを実行します:

  • Vault は、全ドキュメント数からドキュメントを除外し、ドキュメントの合計に含めるフィールドをいいえに設定します。ドキュメントが固定状態にある場合、Vault は固定状態のドキュメント数からドキュメントを除外します。
  • ドキュメントを除外することで、予想固定状態数固定状態のドキュメント数のフィールドに差がでた場合、Vault は完成度の値を更新します。
  • Vault は、親の親の EDL レコードの更新なしの反復フィールドを「0」に設定します。

一致するドキュメントのバージョンの自動ロック

一致するドキュメントが固定状態になると、Vault はそのドキュメントのバージョンを EDL アイテムに自動的にロックすることができます。ロックされると、連続一致ジョブやバッチ一致ジョブにより EDL アイテムのドキュメントバージョンが更新されなくなります。

ドキュメントバージョンがロックされていない場合は、手動で一致するドキュメントバージョンをロックしたり、一致するドキュメントを除外することができます。

一致するドキュメントのバージョンを自動でロックする方法

ドキュメントバージョンの自動ロックを設定するには、EDL または EDL テンプレートレコードに進み、一致するドキュメントを固定状態にロックフィールドをはいに設定します。自動ロックを行う EDL アイテムバッチ更新はいに設定してください。

一致するドキュメントを固定状態にロックフィールドは、EDL が有効化されていてカスタム一致フィールドが設定されているすべての Vault の EDL および EDL テンプレートオブジェクトで自動的に利用可能です。この機能では手動一致も使用できます。他の Vault でこの機能を有効にするには、Veeva サポートにご連絡ください。

該当するオブジェクトタイプに一致するドキュメントを固定状態にロックフィールドを割り当てる必要があります。既存の Vault では EDL または EDL テンプレートオブジェクトページレイアウトに一致するドキュメントを固定状態にロックフィールドを手動で追加する必要があります。

他のライフサイクル状態での一致するドキュメントバージョンのロック

デフォルトでは、固定および過去版の状態のドキュメントのみをロックできますが、その他のロック可能な状態も設定できます。エンドユーザは、これらの状態で一致したドキュメントバージョンを手動でロックできます。ただし、自動バージョンロックは、固定状態の場合のみ可能です。

EDL アイテムからドキュメントを作成するには

EDL アイテムレコードからソースファイルをアップロードすることでドキュメントを作成することができます。

  1. EDL アイテムレコードの詳細ページまたはレコードを表示しているリストページに進みます。
  2. レコードのアクションメニューでアップロードを選択します。
  3. Vault は、EDL アイテムに基づいてドキュメントタイプを選択し、EDL アイテム値に基づいて特定のフィールドに自動入力します。
  4. ドキュメント作成の標準プロセスを実行します。

次のバッチ一致ジョブは、新しく作成したドキュメントを EDL アイテムレコードに一致させます。

Clinical Operations Vault では、ドラッグアンドドロップによるアップロードが EDL アイテムに利用できます。詳細はクリニカルオペレーションで EDL の作業をするをご覧ください。

EDL アイテムからプレースホルダーを作成する

EDL アイテムからもプレースホルダードキュメントを作成することができます。個別のレコードから、または一括アクションとしてプレースホルダーを作成することもできます。

EDL アイテムのテンプレートからドキュメントを作成する

レコードアクションメニューでテンプレートからドキュメントを作成を選択することで、ドキュメントを EDL アイテムのテンプレートから作成することもできます。

テンプレートからドキュメントを作成するアクションは、次の 2 つの条件の 1 つが存在する場合にのみ利用可能です。

  • EDL アイテムドキュメントタイプフィールドに、管理されたドキュメントテンプレートを持つドキュメントタイプが含まれている。
  • EDL アイテムドキュメントタイプフィールドが入力されておらず、管理されたドキュメントテンプレートを持つドキュメントタイプの 1 つ以上を作成できる権限がユーザに付与されている。

ドキュメントフィールドの初期化

EDL アイテムレコードからプレースホルダーを作成、またはドキュメントをアップロードする際に、Vault は、EDL アイテムレコードのドキュメントフィールドに一致するように、対応するドキュメントフィールドを初期化します (例: 治験フィールド)。

Vault は以下のフィールドタイプのフィールド値を初期化します:

  • テキスト
  • 数字
  • 日付
  • 日時
  • はい/いいえ
  • 選択リスト (単一値および複数値)
  • オブジェクト参照

EDL & EDL アイテムフィールドの説明

EDL および EDL アイテムの作成、編集、レビューを行う際に、これらのフィールドの説明を参照することができます。これらのオブジェクトには Clinical Operations Vault の追加フィールドが含まれます。

フィールド名説明オブジェクト
一致する EDL アイテムフィールドドキュメントに個別の EDL アイテムレコードを一致させるために、Vault が比較するフィールドを定義します; 詳細をご覧くださいEDL
バッチ更新

標準バッチ一致ジョブが、このレコードに基づいて一致を検索するかどうかを制御します

Vault は、一致ジョブが特定の回数実行され、変化が検出されなかった場合に、これを「いいえ」に自動設定します。デフォルトではこの回数 (EDL 最大反復回数) は 10 です。これを変更する必要がある場合は、Veeva サポートにお問い合わせください。
EDL
最終一致時間(編集不可) バッチ一致ジョブが、この EDL の EDL アイテムへの一致を最後に見つけた時間を示しますEDL
更新なしの反復(編集不可) バッチ一致ジョブが一致を検索し、この の EDL アイテムに対する新規ドキュメントまたは一致するドキュメントに対する更新がなかった回数を示しますEDLEDL
EDL親 EDL レコードEDL アイテム
固定状態のドキュメント数(編集不可) 前回のバッチ一致ジョブおよび手動一致変更に基づいて、ライフサイクルの固定状態に一致するドキュメントの件数を示しますEDL アイテム
全ドキュメント数(編集不可) 前回のバッチ一致ジョブに基づいて、一致するドキュメントの合計件数を示しますおよび手動一致の変更EDL アイテム
予想固定状態数この EDL アイテムからの収集が予想されるドキュメントの件数を示すことができますEDL アイテム
完成度(編集不可) この EDL アイテムのドキュメント収集が完了したかどうかを示します; 詳細をご確認くださいEDL アイテム
ロックされたドキュメント数EDL アイテムのロックされたドキュメントの数を示します。EDL アイテム

完成度

完成度フィールドは 3 つのステータスを提供します:

ステータス条件
未開始

EDL アイテム: 予想固定状態数は 1 以上

ドキュメント: どのライフサイクル状態にも一致するドキュメントがない
進行中

EDL アイテム: 予想固定状態数は 1 以上

ドキュメント: 一致するドキュメントはあるが、ライフサイクル状態が固定状態にあるものの方が、予想数よりも少ない
完了

EDL アイテム: 予想固定状態数は 1 以上

ドキュメント: 一致するドキュメントがあり、少なくとも予想される数が固定状態のライフサイクル状態にある
または
EDL アイテム: 予想固定状態数は 0

企業管理者、システム管理者または Vault 所有者の標準プロファイルで、本書に記載されたすべての手順を完了することができます。お使いの Vault がカスタムセキュリティプロファイルを使用している場合、プロファイルに以下の権限が付与されている必要があります:

タイプ権限ラベル制御
セキュリティプロファイルオブジェクト: EDL アイテム: 表示EDL アイテムレコードのドキュメントの一致アクションにアクセスする権限。
セキュリティプロファイルオブジェクト: EDL: 作成、編集EDL レコードの作成および編集権限; テンプレートでの作業に必要。。
セキュリティプロファイルオブジェクト: EDL アイテム: 作成EDL アイテムレコードの作成権限; テンプレートでの作業に必要。
セキュリティプロファイルオブジェクト: EDL アイテム: 編集EDL アイテムレコードの編集権限; テンプレートでの作業に必要。EDL アイテムレコードにドキュメントをアップロードする権限; 共有設定EDL アイテムで有効化されている場合、編集者ロールも付与されている必要があります。
セキュリティプロファイルアプリケーション: EDL 一致: 実行EDL アイテムレコードのドキュメントの一致アクションにアクセスする権限。
セキュリティプロファイルアプリケーション: EDL 一致: 一致フィールドの編集EDL レコードの EDL 一致フィールドの値を編集する機能。
セキュリティプロファイルEDL 一致: ドキュメント一致の編集EDL アイテムレコードと一致したドキュメントバージョンをロックし、概要フィールドで一致したドキュメントを含めるか除外し、EDL アイテムからドキュメントを手動で一致/不一致させる機能。