エクスペクテッドドキュメントリスト (EDL) は、組織が臨床研究などのプロジェクトの完成度を測定するのに役立ちます。この機能は、EDLEDL アイテムのオブジェクトを使用し、また個別の EDL アイテムレコードにドキュメントを一致させ、さらにドキュメント数と完成度のフィールドに入力する自動プロセスと手動プロセスも使用してこれを実現します。EDL で作業するで詳しくご確認ください。

設定概要

EDL を設定するには、以下の処理を完了する必要があります:

  • EDL の有効化
  • カスタム一致フィールドの設定
  • 一致ジョブの有効化
  • EDL テンプレートの設定
  • 一致ドキュメントを持つ EDL アイテムのレポートタイプの設定 (任意の作業)

EDL を有効化する方法

管理者 > 設定 > 一般設定エクスペクテッドドキュメントリスト (EDL) の有効化オプションを選択してこの機能をオンにします。Vault は自動的にドキュメント一致ジョブを作成します。EDL のアイテムからドキュメントへの一致は、非アクティブなドキュメントタイプを除外して不一致にさせることもできます。この機能を有効にするには、 サポートにご連絡ください。

ドキュメントの自動一致

自動一致は、一致フィールドの値に基づいてドキュメントを EDL アイテムレコードにリンクします。自動ドキュメント一致には 2 つのタイプがあります: 連続およびバッチ。両タイプの一致は一致フィールドに依存します。

カスタム一致フィールドを設定する方法

一致フィールドは、個別のドキュメントを EDL アイテムレコードに一致させるために Vault が使用する基準です。通常、カスタム一致フィールドを設定する必要があります。これらは、テキストタイプ、選択リストタイプ、またはオブジェクトタイプのフィールドです。

新規一致フィールドを設定するには:

  1. 管理者 > コンテンツ設定 > ドキュメントフィールドで、ドキュメントフィールドが存在するか確認します。ドキュメントタイプに一致させる場合、フィールドが特定のドキュメントタイプに適用されているかも確認します。ドキュメントフィールド名 (例: product__v) を書き留めます。
  2. 管理者 > コンテンツ設定 > オブジェクト > EDL アイテム > フィールドで、同様のフィールドが存在するか確認します。接尾辞を除いたフィールド名が、ドキュメントフィールドのものと一致していることを確認します (例: product__c)。同様のフィールドが存在しない場合は、オブジェクトに新規フィールドを作成します。EDL アイテムの選択リストフィールドは複数選択にすることはできません。EDL アイテムフィールドラベル は 40 文字以内で入力してください。
  3. 管理者 > 企業管理者 > 選択リスト > EDL 一致フィールドで、新規選択リスト値を追加します。値名は、ドキュメントとオブジェクトフィールドのものと一致する必要があります (例: product__c)。この選択リストに追加できるフィールドは 20 個までです。

連続一致

連続一致機能は、ドキュメントまたは EDL アイテムレコードを変更したら、必ず EDL アイテムをドキュメントに一致させます。この機能は、EDL とバッチ一致を有効化すると自動的に有効になります。連続一致の使用に関する詳細は、EDL での作業を参照してください。

連続一致は、ドキュメント移行モードで作成または更新するドキュメントには無効です。

バッチ一致の有効化

お使いの Vault で EDL を有効化すると、Vault は、ジョブスケジューラ内のEDL アイテムをドキュメントに一致させる定義を作成しますが、このジョブはデフォルトでは無効になっています。有効化するには、管理者 > ジョブ > ジョブの定義に進みます。ジョブ定義を編集し、ステータスフィールドを有効に設定します。

バッチ一致は、ステータスフィールドが有効に設定されているすべての EDL アイテムを評価します。

必要に応じて、スケジューリング、ジョブ所有者、ドキュメント条件を変更することができます。EDL アイテムの一致のジョブタイプの新規ジョブは作成できないことにご留意ください。お使いの Vault が、不要のようなドキュメント状態を使用している場合、不要なドキュメントを削除するのではなく、Vault がドキュメント数に一致する EDL アイテムにそれらを含めないように、そのステータスのドキュメントを除外する条件を追加します。詳しくは、「ジョブスケジューリング」をご覧ください。

バッチ一致ジョブを手動で起動する方法

Vault は一致ジョブを 1 日 1 回実行します。必要に応じて、ジョブを直ちに開始するよう実行することができます。

  1. 管理者 > ジョブ > ジョブステータスを開きます。
  2. ジョブの定義を見つけます。アクションメニューで今すぐ開始を選択します。

手動一致

ドキュメントへの EDL アイテムの手動一致を使用すると、ドキュメントの手動による一致および不一致、特定のドキュメントバージョンへの EDL アイテム一致のロック、完成度件数からの特定の一致するドキュメントの除外を行うことができます。詳細は EDL での作業を参照してください。

この機能を有効にするには、Veeva サポートにご連絡ください。手動一致は、クリニカルオペレーション Vault では使用できません。

一致するドキュメントのバージョンのロック

EDL アイテムに、一致したドキュメントバージョンをロックできます。デフォルトでは、固定および過去版のライフサイクル状態のドキュメントのみをロックできますが、その他のロック可能なドキュメントライフサイクル状態も設定できます。これらのライフサイクル状態にあるすべてのロック済みドキュメントは、各 EDL アイテムに関するロック済みドキュメント数フィールドで追跡されます。

追加のライフサイクル状態でドキュメントのロックを有効にする方法:

  • ロック可能なドキュメント状態フィールドに、ドキュメントライフサイクル状態を入力します。
  • EDL アイテムオブジェクトのページレイアウトに新規フィールドを設定します。

一致するドキュメントのバージョンのロックを有効にする方法

  1. 管理者 > 設定 > 全般設定に進み、エクスペクテッドドキュメントリスト (EDL) オプションのセクションを探します。
  2. ロック可能なドキュメント状態フィールドで、最大 10 個の有効なドキュメントライフサイクル状態を選択します。
  3. オブジェクトページレイアウトを設定して、ロックされたドキュメント数フィールドを表示します。Vault は、一致したドキュメントがロックされ、ロックが解除され、そして一致しなくなった場合に、このフィールドを維持します。RIM Submissions Vaults の管理者は、進捗状況アイコンの数式フィールドでロックされたドキュメント数を参照するように設定できます。

これらの手順を完了すると、エンドユーザは、選択したライフサイクルのどの状態でも、一致したドキュメントバージョンを表示し、ロックできます。

EDL テンプレート

EDL のテンプレート作成は、EDL テンプレートEDL アイテムテンプレートのオブジェクトを使用します。Vault は、ユーザがテンプレートから EDL を作成するアクションを開始したときにこれらのテンプレートを使用します。

V16 以前は、テンプレート作成には EDL オブジェクトのフィールド (テンプレートである) が使用されていました。これらのオブジェクトがその機能に取って代わります。

お使いの Vault の設定に応じて、追加テンプレートオプションが使用できる場合があります。詳細はクリニカルオペレーションで EDL の作業をするをご覧ください。

EDL テンプレートを作成する方法

  1. カスタムタブまたは企業管理者のいずれかから、EDL テンプレートオブジェクトに進みます。
  2. 作成をクリックします。
  3. 必須フィールドおよびテンプレートに必要な追加フィールドに入力します。
  4. 保存をクリックします。

EDL テンプレートを作成したら、EDL アイテムテンプレートを作成してそれに関連づけることができます。

EDL アイテムテンプレートを作成する方法

  1. カスタムタブまたは企業管理者のいずれかから、EDL テンプレートオブジェクトに進みます。
  2. 作成をクリックします。
  3. 必須フィールドの他、EDL テンプレートの一致に必要なすべてのフィールドに入力します。
  4. 任意の作業: Clinical Operations Vault でマイルストーンタイプを選択します。テンプレートからマイルストーンを作成する場合、Vault はこの選択リストで選択されたタイプのマイルストーンのエクスペクテッドドキュメントを作成します。
  5. 任意の作業: Clinical Operations Vault でマイルストーンタイプの所有を選択します。テンプレートからマイルストーンを作成する場合、Vault はこの選択リストで選択されたマイルストーンのタイプのみにエクスペクテッドドキュメントを作成します。
  6. 保存をクリックします。

オブジェクトタイプおよび EDL テンプレート

EDL アイテムの一致ジョブが失敗する原因となる可能性があるため、EDL テンプレートEDL アイテムテンプレートにオブジェクトタイプを有効化することは推奨されません。EDL テンプレートEDL アイテムテンプレートにオブジェクトタイプを有効化する場合には、Vault の営業担当者にお問い合わせいただくことをお勧めします。

各オブジェクトタイプに以下のフィールドが設定されていない場合、EDL アイテムの一致ジョブが失敗し、テンプレートから EDL を作成することができなくなります。

Clinical Operations Vault には、これらのオブジェクトの追加フィールドが含まれています。詳細はクリニカルオペレーションの EDL での作業を参照してください。

EDL テンプレートと EDL のフィールド

  • 最終一致時間
  • 更新なしの反復
  • コピー元
  • ソース EDL テンプレート
  • (有効化されている場合)

EDL アイテムテンプレートと EDL アイテムのフィールド

  • 全ドキュメント数
  • 完成度
  • 固定状態のドキュメント数
  • ソース EDL テンプレート
  • ソース EDL アイテムテンプレート

EDL アイテムおよび一致するドキュメントに関するレポート作成

お使いの Vault にレポートタイプを設定して、EDL アイテムとそれに一致するドキュメントに関するレポートを作成することができます。一致ドキュメントを持つ EDL アイテムのレポートタイプを使用して、どのドキュメントがどの EDL アイテムレコードに一致しているかを表示できるため、各個別の EDL アイテムレコードに進む必要がありません。このレポートタイプを設定するには、プライマリレポートオブジェクトとして EDL アイテムを使用し、一致ドキュメントオブジェクトとドキュメント両方に関するレポートを作成します。

Vault は、EDL アイテムのドキュメントへの一致中に一致ドキュメントレコードを自動作成します。この複雑な結合オブジェクトは、EDL アイテムと一致ドキュメント間の関係を表します。

手動一致が有効化されている場合、一致ドキュメントオブジェクトは、レポート可能なフィールドだけを持ちます。以下の一致ドキュメントフィールドに関してレポートを作成することができます:

  • バージョンロック状態
  • ソース
  • 合計に含める
  • 作成者
  • 作成日
  • 変更者
  • 変更日

Vault はもっとも最近のドキュメントバージョンをレポートに含めます。手動一致経由でバージョンがロックされている場合、Vault はその特定のバージョンを表示します。

システム管理者または Vault 所有者の標準プロファイルで、本書に記載されたすべての手順を完了することができます。

お使いの Vault がカスタムセキュリティプロファイルを使用している場合、プロファイルに以下の権限が付与されている必要があります:

タイプ権限ラベル制御
セキュリティプロファイルオブジェクト: EDLEDL レコードの作成および編集権限; テンプレートでの作業に必要
セキュリティプロファイルオブジェクト: EDL アイテムEDL アイテムレコードの作成および編集権限; テンプレートでの作業に必要
セキュリティプロファイルオブジェクト: EDL テンプレートEDL アイテムテンプレートレコードを作成および編集する機能

治験またはサブミッションから EDL を作成するには表示権限が必要 (eTMF および RIM Submissions のみ)

セキュリティプロファイルオブジェクト: EDL アイテムテンプレートEDL テンプレートレコードを作成および編集する権限

治験またはサブミッションから EDL アイテムを作成するには表示権限が必要 (eTMF および RIM サブミッションのみ)

セキュリティプロファイル管理者: 一般設定: 編集一般設定で機能を有効化する能力
セキュリティプロファイル管理者: ジョブ: 編集バッチ一致ジョブ定義を編集する権限
セキュリティプロファイルアプリケーション: EDL 一致: 実行スケジュール済みのバッチ一致ジョブの「開始」アクションにアクセスする権限
セキュリティプロファイルアプリケーション: EDL 一致: 一致フィールドの編集EDL レコードの EDL 一致フィールド値を編集する権限; テンプレートでカスタム一致フィールドを定義するのに必要
セキュリティプロファイルアプリケーション: EDL 一致: ドキュメント一致の編集EDL アイテムレコードと一致したドキュメントバージョンをロックし、概要フィールドで一致したドキュメントを含めるか除外し、EDL アイテムからドキュメントを手動で一致/不一致させる機能
セキュリティプロファイル管理者: オブジェクト: 編集EDL アイテムのオブジェクト設定を編集する権限; カスタム一致フィールドのフィールド定義を編集するのに必要
セキュリティプロファイル管理者: 選択リスト: 編集選択リストを編集する権限; カスタム一致フィールドの選択リストを編集するのに必要
セキュリティプロファイル管理者: レポートタイプ: 作成新規レポートタイプの作成および編集権限。一致ドキュメントに対する EDL アイテムレポートタイプを作成するために必要。

詳しくは、権限セットをご覧ください。