管理されたドキュメントテンプレートでは、テンプレートのソースファイルとして標準の Vault ドキュメントを使用してテンプレートを作成・管理することができます。管理されたドキュメントテンプレートは、テンプレートドキュメントとして固定状態の Vault ドキュメントを使用します。管理されたドキュメントテンプレートから作成されたドキュメントは、ソースファイルとして Vault テンプレートドキュメントを使用します。

管理者が必要な設定を完了した場合にのみ、管理されたドキュメントテンプレートを作成することができます。詳細手順は、管理されたドキュメントテンプレートの設定をご覧ください。

管理されたドキュメントテンプレートの作成

管理されたドキュメントテンプレートを作成するには:

  1. テンプレートドキュメントとして使用したい、固定状態でないドキュメントに進みます。これは、ユーザがテンプレートからドキュメントを作成する際のソースファイルとなります。
  2. テンプレートドキュメントタイプフィールドで、テンプレートがドキュメントタイプ階層に表示される場所を選択します。詳しくは、以下のテンプレートドキュメントタイプフィールドをご覧ください。このフィールドが表示されない場合、このタイプのドキュメントに管理されたドキュメントテンプレートを作成できません。
  3. ドキュメントを固定状態に承認します。

ドキュメントが固定状態になると、Vault は新しい管理されたドキュメントテンプレートを自動的に作成します。テンプレートは、ドキュメントの名前を継承します。管理者のみがテンプレート名を編集できます。テンプレートは、ユーザがテンプレートからドキュメントを作成するときにすぐに使用できますが、テンプレートが企業管理者に表示されるまでに数分かかる場合があります。

複数のドキュメントに同じテンプレートドキュメントタイプを選択できますが、1 つの管理されたドキュメントテンプレートにはソースファイルとして所定のドキュメントしか使用できません。

Vault ローダを使用した管理されたドキュメントテンプレートの作成

Vault ローダを利用できるユーザは、テンプレートドキュメントタイプフィールドに値が入力された固定状態でドキュメントをロードすることにより、管理されたドキュメントテンプレートを作成できます。ロードが完了すると、Vault は管理されたドキュメントテンプレートを自動的に作成します。

テンプレートドキュメントタイプフィールドについて

テンプレートドキュメントタイプフィールドは、ドキュメントタイプ階層でのテンプレートの位置を制御し、テンプレートからドキュメントを作成する際に、管理されたドキュメントテンプレートが表示されるドキュメントタイプを定義します。

例えば、テンプレートドキュメントタイプフィールドを参照資料と設定した場合、テンプレートは、トレーニング > 資料 > 参照資料のドキュメントタイプを選択したときにのみ表示されます。テンプレートドキュメントタイプフィールドを基本に設定した場合、すべてのドキュメントタイプにテンプレートが表示されます。

テンプレートドキュメントの分類にかかわらず、ドキュメントタイプ階層のどの場所にでも管理されたドキュメントテンプレートを割り当てることができます。

テンプレートドキュメントタイプ共有フィールドのオブジェクトの有効フィールドを使用して参照制限を作成し、ドキュメントの選択ダイアログにアクティブなドキュメントタイプのみを表示できます。

管理されたドキュメントテンプレートの更新

管理されたドキュメントテンプレートを更新するには 2 つの方法があります:

  • ドキュメントをバージョニングして新しいバージョンを固定状態に承認する。Vault はテンプレートドキュメントソースファイルの最新固定状態バージョンを使用して既存の管理されたドキュメントテンプレートを更新します。
  • テンプレートドキュメントタイプフィールドからドキュメントタイプ階層の異なる場所を選択して、ドキュメントを固定状態に再承認する。Vault は、既存の管理されたドキュメントテンプレートを更新し、それをドキュメントタイプ階層の新しい場所に移動します。

管理されたドキュメントテンプレートの削除

管理されたドキュメントテンプレートが作成されると、管理者も Vault ユーザも直接削除することはできません。ただし、Vault は以下の状況では管理されたドキュメントテンプレートを削除します:

  • テンプレートドキュメントの既存のバージョンが固定状態から移行したとき
  • テンプレートドキュメントまたは最新固定状態バージョンを削除した場合
  • テンプレートドキュメントタイプフィールドの値をクリアし、ドキュメントを固定状態に再承認した場合

テンプレートドキュメントを削除しても、テンプレートから作成された既存のドキュメントには影響は及びません。

管理されたテンプレートからのドキュメントの作成

ユーザは、基本ドキュメントテンプレートと同じ方法で、管理されたドキュメントテンプレートからドキュメントを作成することができます。ユーザがテンプレートからドキュメントを作成する際に、基本ドキュメントテンプレートと管理されたドキュメントテンプレート間の視覚的な差はありません。テンプレートからのドキュメントの作成に関する詳細は、ドキュメントの作成をご覧ください。

ドキュメント関係

管理されたドキュメントテンプレートからドキュメントを作成する際に、Vault は、追跡確認できるように、コピー元ドキュメント関係を自動作成します。この関係は、テンプレートから作成されたドキュメントのドキュメント情報フィールドパネルか、またはテンプレートドキュメントの使用箇所ビューで表示されます。根拠関係にドキュメント関係レポートを実行することもできます。レポート作成の詳細は以下をご確認ください。

管理されたドキュメントテンプレート付きのオリジナルソース

管理者がオリジナルソース追跡を有効にしている場合、Vault はオリジナルソース関係を使用してオリジナルソースドキュメントを追跡することができます。例えば、Gladys は WonderDrug NA ドキュメントを持っているとします。彼女のドキュメントにテンプレートドキュメントタイプを割り当て、固定状態に承認すると、Vault は新しい WonderDrug NA テンプレートを作成します。次に、彼女は WonderDrug NA テンプレートからドキュメントを作成します。このテンプレートに WonderDrug USA という名前を付けます。WonderDrug USA で、彼女はテンプレートドキュメントタイプを割り当て、固定状態に承認すると、Vault は新しい WonderDrug USA テンプレートを作成します。彼女は WonderDrug USA テンプレートからドキュメントを作成します。このテンプレートに WonderDrug East という名前を付けます。WonderDrug Eastオリジナルソースの関係は、WonderDrug NA ドキュメントです。

レポート作成

根拠およびオリジナルソースのドキュメント関係を使用して、またテンプレートドキュメントタイプフィールドをフィルタリングして、ドキュメント関係レポートを実行することができます。例えば、フィルタがオリジナル > テンプレートドキュメントタイプが空白でないコピー > テンプレートドキュメントタイプが空白である原本付きのコピーレポートタイプの場合、テンプレートから作成されたすべてのドキュメントと、テンプレートドキュメントに対する関係が返されます。

監査証跡

管理されたドキュメントテンプレートから派生する監査証跡には、根拠関係、オリジナルソース関係 (有効化されている場合)、使用されている管理されたドキュメントテンプレートとソースファイルのテンプレートドキュメントを一覧表示するイベントが含まれます: テンプレートドキュメント "<テンプレートドキュメント番号> (<テンプレートドキュメントバージョン>)" を使用してテンプレート "<テンプレート名>" から作成されたドキュメント"。」例えば、「"PM-WD-00001 (1.0)" を使用してテンプレート "WonderDrug NA テンプレート" から作成されたドキュメント。」

テンプレートドキュメントの監査証跡には、テンプレートドキュメントタイプが設定またはリセットされる度に事象が含まれます。例: "テンプレートドキュメントタイプがフォームに設定されました"。