オブジェクトレコードの入力規則は、ユーザが意味のある正しいデータを確実に入力できるようにすることで、組織によるデータ品質の向上に役立ちます。入力規則には、フィールドにユーザが入力したデータを評価する数式または表現が含まれ、データが有効であると「True」を、データが無効であると「False」を返します。

有益な入力規則の一例を以下に示します:

  • 承認日は送信日より後になる必要があります。
  • 中止日は登録日より後になる必要があります。
  • 製品の割引きは 40% を超えることができません。

Vault では、オブジェクトレベルまたはオブジェクトタイプレベルで特定のオブジェクトフィールドに入力規則を設定することができます。オブジェクトタイプを使用して、オブジェクトタイプ間で異なるビジネスルールを正確に反映させることができます。

入力規則の作成方法

入力規則を作成するには:

  1. 管理者 > コンテンツ設定 > オブジェクトに進みオブジェクトを開きます。
  2. オブジェクトレベルで規則を定義するには、入力規則タブを開きます。オブジェクトレベルで定義された規則は、オブジェクトタイプにかかわらず、すべてのレコードに適用されます。
  3. オブジェクトタイプレベルで規則を定義するには、オブジェクトタイプタブを開き、オブジェクトタイプをクリックしたら、タイプの入力規則セクションまでスクロールダウンします。単一のオブジェクトタイプ内で定義された規則は、そのオブジェクトタイプを持つレコードにのみ適用されます。
  4. 作成をクリックします。
  5. 入力規則に基本詳細情報を入力します: ラベルおよび名前名前はユーザには表示されず、API 経由でのみ表示可能になります。
  6. エラーメッセージを入力します。これは、無効な値を入力したユーザに表示される警告です。
  7. エラーの場所に 1 つ以上のフィールドを選択します。これらは規則が検証されるフィールドです。
  8. バリデーション表現セクションで、入力規則を定義します。表現の記述に関する詳細は、バリデーション表現をご確認ください。
  9. 検証をクリックして Vault に表現のエラーを確認させます。エラーがなかったら保存をクリックします。

Vault は、新規レコードには直ちに入力規則を適用します。既存のレコードの場合、Vault は、ユーザがレコードを編集して再保存する際に入力規則を適用します。

バリデーション表現

バリデーション表現は、数式フィールドとフィールドデフォルトと同じ表現文法を使用しますが、はい/いいえ (True/False) の値を返す必要があります。

サポートされているフィールドタイプ

バリデーション表現には以下のデータタイプを持つフィールドのみを含めることができます:

  • 日付
  • 日時
  • 数字
  • はい/いいえ
  • 選択リスト
  • テキスト

サポートされるフィールド

バリデーション表現は、ユーザが設定するオブジェクトのフィールド、または関連オブジェクトのフィールドを使用することができます (送信関係経由のみ)。

使用可能な関数および演算子

Vault の式言語の使用に関する一般情報は、Vault で数式を作成するをご覧ください。使用可能な関数および演算子の詳細は、Vault 数式参照ガイドをご覧ください。

入力規則の強制

フィールド値がこれらのフィールドに定義された入力規則に適合しない場合、ユーザは新規レコードを作成したり編集内容を保存したりすることができません。設定されたバリデーションエラーはほとんどの場合インライン表示されますが、フィールドが非表示の場合や、ライフサイクル状態のエントリアクションでフィールドの編集が行われている場合には、バリデーションエラーのポップアップダイアログが表示されます。

Vault は、レコードが作成または編集される際に常にレコードに入力規則を強制します。これには以下が含まれます:

  • 一括レコード編集または一括レコード作成時
  • レコードの作成または編集が Vault Loader によって開始される場合
  • レコードの作成または編集がユーザアクションによって開始される場合
  • レコードの作成または編集がエントリアクションによって開始される場合
  • 無効なオブジェクトレコードを作成または編集する場合
  • 作成および関連づけ (ドキュメントからの作成および関連づけを含む) でレコードを作成する場合
  • フィールドデフォルト値に対して
  • ページレイアウトで表示されないフィールドに対して
  • フィールドレベルセキュリティの設定のため非表示または参照専用であるフィールドに対して

バリデーションの失敗

場合によっては、バリデーション表現が自動的に「False」に変換され、バリデーションに失敗することがあります:

  • バリデーション表現のフィールドが 1 つ以上空白である
  • バリデーション表現のフィールドが 1 つ以上レコードのオブジェクトタイプに適用されない

制限

以下の制限がオブジェクトレコードの入力規則に適用されます:

  • 一部のアプリケーションにより、特定のシステム、基準、アプリケーション標準オブジェクトへの規則が作成できない場合があります。
  • ルール表現は 3900 文字以下にする必要があります。
  • エラーメッセージは 255 文字以下にする必要があります。
  • ルール表現には数式フィールドを含めることができません。
  • ルール表現にシステム管理名を含めることはできません。
  • Vault は、移行モードでレコードを作成する際はバリデーション規則を評価しません。

システム管理者または Vault 所有者の標準セキュリティプロファイルで、本書に記載されたすべての手順を完了することができます。お使いの Vault がカスタムセキュリティプロファイルを使用している場合、プロファイルに以下の権限が付与されている必要があります:

管理者: コンテンツ設定: オブジェクト: 編集
レコード入力規則を作成するために Vault オブジェクト設定を編集する権限.