結果がドキュメント参照、オブジェクト参照または親関係につながるフィールドを作成する際に使用可能なレコードを制限することもできます。親および参照フィールドに静的または動的参照制限のいずれかを設定することができます。

静的参照制限

静的参照制限を使用すると、コンフィグレーション中に定義済みの値を使用して参照フィールドに制限を適用することができます。これは、定義済みの値に基づいて参照されているフィールドで使用できるレコードのリストを制限します。

動的参照制限

動的参照制限を使用すると、ユーザが入力するまで定義されない値に基づいて参照フィールドに制限を適用することができます。これは、コントロールフィールドに基づいて被参照フィールドで使用できるレコードのリストを制限します。オブジェクト参照は、オブジェクト参照または選択リストフィールドによる動的制限をサポートしていますが、ドキュメント参照はオブジェクト参照フィールドによる動的制限のみをサポートしています。動的参照制限を適用すると、Vault は参照されるフィールドに、制御するフィールドに依存性を指定するテキストを表示し、値を入力できないようにします。

VQL クエリを使用してのみ動的参照制限を設定することができます。制限の条件には、単純なクエリ条件または複雑な関係クエリ条件を含むことができます。さらに、動的参照制限の条件 VQL は、有効な設定のトークンを含む必要があります。

制限を設定するには:

  1. 既存のドキュメント参照、オブジェクト参照または親フィールドを編集モードで開きます。最初にフィールドを作成するときには、フィルタリングできません。
  2. 参照ドキュメントの制限または参照オブジェクトのレコードの制限セクションまでスクロールします。
  3. VQL クエリを使用して、基準 VQL フィールドの条件を定義します。
  4. 任意の作業: バリデーションをクリックして、条件 VQL が有効かどうかを確認します。
  5. 任意の作業: プレビューをクリックして、フィルタリングルールが設定された時にフィールドの選択がどのように表示されるのかを確認します。このオプションは動的制限では使用できません。
  6. 保存をクリックします。

制限

制限を設定する際、Vault は今後フィルタのみを適用します。オブジェクトレコードが現在使用できない値で既に保存されている場合、Vault はそのレコードを更新しません。また、Vault は移行モードで作成されたオブジェクトレコードに参照制限を適用しません。しかしながら、ユーザが後でレコードのコントロール済みまたはコントロール中のフィールドを編集する場合、ユーザは有効なオプションを選択する必要があります。

例: 関係レコードの静的参照制限

RIM Vault は、アプリケーションタイプ、およびサブミッションタイプなど様々なエンティティを表す、統制用語と呼ばれるオブジェクトを使用します。オブジェクト上のフィールドの一つはタイプで、レコードが種か、アプリケーションタイプかなどを特定します。これらのレコードはすべて類似するフィールド (名前略称保健当局コード保健当局ソースなど) を共有するため、単一のオブジェクトを使用するほうが効率的です。それでも、タイプを条件にレコードをフィルタリングすることには意義があります。組織は、ユーザが誤ってサブミッションタイプレコードをアプリケーションに関連付けて欲しくはありません。そのため、管理者は実際のオブジェクト参照フィールドにフィルタを設定することができます。アプリケーションオブジェクトには、アプリケーションタイプと呼ばれるオブジェクトフィールドが含まれ、統制用語オブジェクトを指します。このフィールドがフィルタリングされると、タイプ値がアプリケーションタイプのレコードのみを表示します。

controlled_vocabulary_type__rim = 'application_type__rim' 

例: 親関係レコードの静的参照制限

Promomats Vault は、製品オブジェクトを提供して、プロモーションおよびマーケティング用に使用されるさまざまな製品のレコードを維持します。製品オブジェクトのフィールドの 1 つが治療領域で、これはレコードが特定の治験分野 (例: 腫瘍学、神経学、小児学) に属しているかどうかを特定します。カスタムマーケティングキャンペーンオブジェクトは、製品の関連子オブジェクトです。ユーザが新規マーケティングキャンペーンを作成すると、組織は特に神経学に特化した製品に関するマーケティングキャンペーンの作成のみを許可したいと考える場合があります。これを行うには、管理者はマーケティングキャンペーン内の製品親フィールドにフィルタを設定して、治療領域の値が神経学であるレコードのみを表示させることができます。

therapeutic_area__c = 'neurology__c'

例: ドキュメント状態およびタイプの静的参照制限

一部の PromoMats Vault では、製品オブジェクトに、製品ロゴがあるドキュメントを指定するロゴドキュメント参照フィールドが含まれています。ユーザがロゴフィールドを編集する際に製品ロゴのみを選択できるようにするには、管理者はロゴファイルドキュメントタイプを作成して、その他すべてのドキュメントタイプを除外するロゴフィールドにフィルターを追加することができます。また、ドキュメントバージョン参照最新バージョンに設定すると、一般利用が承認されていない最新バージョンのロゴを含むことができます。ユーザが未承認のロゴを選択できないようにするには、管理者はロゴフィールドにフィルターを設定して、ユーザが固定状態のドキュメントからのみ選択できるようにします。

type__v = 'Logo File' AND status__v = STEADYSTATE()

例: 関係レコードの動的参照制限

一部の Promomats Vault では、マーケティングキャンペーンオブジェクトはおよび地域フィールドを参照してキャンペーンが実施される場所を特定することができます。ユーザが選択するリストをより関連性の高いものとして作成するには、管理者は、レコードのリストがユーザが選択する地域に限定されるようにフィールドに動的制限を適用することができます。例えば、ユーザがヨーロッパ地域を選択する場合、フィールドにはヨーロッパ地域の国しか表示されません。詳しくは動的参照制限のクエリを参照してください。

region__v =

例: 多対多関係の動的参照制限

一部の Promomats Vault は、調査オブジェクトを使用して情報収集のために使用される調査データのレコードを維持します。このオブジェクトは、製品および治療領域のオブジェクトを参照し、これは、調査データが収集した情報を特定します。関係オブジェクトが製品治療領域間の参照を結合するために使用されている場合、管理者は、製品レコードのリストが選択された治療領域で制限されるように、調査オブジェクトの製品フィールドに動的参照制限を適用することができます。これは、複数の参照があるさまざまなレコードを持つオブジェクトに特に有益です。詳しくは動的参照制限のクエリを参照してください。

therapeutic_area__c =

例: ドキュメントの動的参照制限

ロゴフィールドの静的な例では、ユーザは設定されているものを除く製品の固定状態ロゴファイルタイプドキュメントを引き続き表示します。これを避けるには、管理者は動的フィルターを使用して、製品フィールド値が現在の製品オブジェクトレコードと一致しないドキュメントを除外することができます。詳しくは動的参照制限のクエリを参照してください。

type__v = 'Logo' AND status__v = STEADYSTATE() AND product__v =