Vault では、標準オブジェクトを変更し、カスタムオブジェクトを作成し、さらにオブジェクト関係を設定することによって、簡単にアプリケーションデータモデルをカスタマイズし、拡張することができます。
オブジェクト設定にアクセスする
管理者 > コンテンツ設定 > オブジェクトからオブジェクトを設定することができます。オブジェクトを設定するには、管理者: オブジェクト権限が必要です。
標準オブジェクトをカスタマイズするには
既存の標準オブジェクトを変更するには:
- 管理 > コンテンツ設定 > オブジェクトの順に選択して、オブジェクトをクリックします。
- 編集をクリックします。
- 必要に応じて詳細を変更します。多くの属性は編集不可です。
- 保存をクリックします。
通常、標準オブジェクトでは以下の属性が編集可能です。Vault アプリケーションのデータモデルに応じて、その他の属性を編集できる場合があります。または、以下の属性の一部に対する編集がブロックされている場合もあります。
- ラベル
- オブジェクトタイプフィールドの名前としてユーザに表示される値.
- ヘルプコンテンツ
- カスタムポップアップ ヘルプテキスト:オブジェクトレコードリストページ (例:管理者 > 企業管理者 > 製品) のヘッダーにクエスチョンマークアイコンと共にヘルプコンテンツが表示されます。
- 企業管理者メニューで表示する
- 企業管理者コンポーネントセレクタにオブジェクトを表示する設定
- 添付書類を許可する
- オブジェクトデータレコードで添付ファイルを有効化/無効化する設定
- オブジェクトタイプを有効化する
- オブジェクトでオブジェクトタイプを有効化または無効化する設定。この設定はすべての標準オブジェクトで編集できるわけではありません。
- 一致共有ルール
- オブジェクトの一致共有ルールを有効化/無効化する設定。有効化する場合、ユーザロール設定オブジェクトも選択する必要があります。
- カスタム共有ルール
- オブジェクトのカスタム共有ルールを有効化/無効化する設定。
- アクションセキュリティ
- オブジェクトのデータレコードに対する特定のアクション (例:監査証跡アクション) に関するユーザの表示/実行権限を制御するために、アクションレベルセキュリティの使用を有効化/無効化する設定。
- フィールド
- フィールドタブから編集可能な、オブジェクトの下位サブオブジェクト。標準フィールドの場合に編集可能な項目は、以下のとおりです。ラベル、ヘルプコンテンツ、値は一意である必要があります、ユーザは常に値を入力する必要があります (特定の標準フィールドに限る)、およびデフォルトリストとホバーカードに表示の属性。その他の属性を変更したり、フィールドを無効化または削除することはできません。標準オブジェクトにカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドはすべて編集可能です。
- 関連ドキュメント
- オブジェクト間の親子関係または参照関係標準 (非カスタマイズ) 関係は編集不可です。標準オブジェクトに親オブジェクトを追加することは絶対にできません。ただし、標準オブジェクトをカスタムオブジェクトの親にすること、または標準オブジェクトとの間で参照関係を作成することは可能です。
カスタムオブジェクトを作成するには
新規のカスタムオブジェクトを設定するには:
- 管理 > 設定 > オブジェクトの順に選択して、作成をクリックします。
- 新規オブジェクトの基本的詳細事項を入力します: ラベル、複数ラベルおよび名前。名前はエンドユーザには表示されず、API 経由でのみ表示されます。
- 任意の作業: ステータスを無効に設定し、ユーザがオブジェクトレコードの作成や変更をできないようにし、ユーザがオブジェクト表示/アクセスをできないようにします。
- 任意の作業: オブジェクトクラスを設定します。ユーザタスクオブジェクトを作成するには、ユーザタスクにクラスを設定する必要があります。
- 任意の作業: データストアを設定します。標準または大容量を選択します。
- 任意の作業: 説明やカスタムヘルプコンテンツなどの追加詳細を追加します。
- 任意の作業: 企業管理者メニューで表示するチェックボックスを選択します。
- 任意の作業: 添付ファイルを許可するチェックボックスを選択し、このオブジェクトのオブジェクトレコードへのファイル添付を有効化します。添付アクションのアクションレベルセキュリティを有効化するには、添付ファイルの制御にアクションセキュリティを使用するチェックボックスを選択します。
- 任意の作業: データ変更を監査するチェックボックスを選択して、監査ログでオブジェクトデータレコードの変更を追跡します。
- 任意の作業: 複数のレコードを関連付けるチェックボックスを選択します。
- 任意の作業: オブジェクトタイプを有効化するチェックボックスを選択して、このオブジェクト内のオブジェクトタイプを許可します。
- 任意の作業: 一致共有ルールを有効化するチェックボックスを選択して、オブジェクトに一致共有ルールを有効化します。
- 任意の作業: カスタム共有ルールを有効化するチェックボックスを選択して、オブジェクトにカスタム共有ルールを有効化します。共有設定アクションのアクションレベルセキュリティを有効化するには、共有設定の制御にアクションセキュリティを使用するチェックボックスを選択します。
- 任意の作業: 監査証跡の管理にアクションセキュリティを使用するチェックボックスを選択し、監査証跡アクションに対しアクションレベルセキュリティを有効化します。
- 任意の作業: オブジェクトライフサイクルを使用するオブジェクトにライフサイクルを選択します。
- 保存をクリックします。
カスタムオブジェクトを作成して保存した後で、管理者 > オブジェクトでオブジェクトをクリックしてさらに設定することができます。このページでは、以下を行うことができます。
- フィールドタブを開いて、Vault がオブジェクトに対して作成する標準フィールドを確認します。各フィールドで、値は一意である必要があります設定を確認します。
- 作成をクリックして追加フィールドを追加します。
- リストレイアウトタブを開きます。順序変更をクリックしてフィールド名をドラッグし、オブジェクトフィールドの順序を変更します。
企業管理者メニューでのオブジェクトの表示
企業管理者メニューで表示する設定では、管理者 > 企業管理者にリストされるオブジェクトをユーザに表示するかどうかを制御します。例えば、管理者以外のユーザが操作する可能性があるオブジェクトを表示しない選択とし、代わりに当該ユーザ向けにカスタムタブを作成することができます。
データ変更を監査する
データ変更を監査する設定を有効化して、監査ログのオブジェクトレコードデータの変更を Vault に検知させることができます。この設定にかかわらず、Vault はオブジェクト設定に対する変更を常に検知します。
この設定はデフォルトでオフになっています。この設定をオンにしてレコードを作成すると、無効にすることはできません。この設定がオフでレコードが存在する場合、Vault 所有者のみが設定を更新できます。
オブジェクトレコードの関連付け
複数のレコードを関連付ける設定は、親オブジェクトが 2 つある関係 (ジョイン) オブジェクトでのみ表示され、複雑な多対多関係ジョインでのみ編集可能です。デフォルトでは、この設定はオフになっています。この設定が有効化されると、ユーザは、いずれかの親オブジェクトレコードの詳細ページの関連オブジェクトセクションで複数の複雑なジョインレコードを関連付けることができます。Vault は、バックグラウンドでこれらのレコードを自動生成します。
この設定を有効化するには、複雑なジョインオブジェクトでシステム管理命名が有効化されているか、または複雑なジョインオブジェクトの名前フィールドで値は一意である必要があります設定が有効化されている必要があります。これは、レコード作成の失敗を防ぐための設定です。また、複雑なジョインオブジェクトのフィールドでユーザは常に値を入力する必要があります設定を有効化しないことが推奨されます。最後に、ユーザが関連レコードを作成できるよう、各親オブジェクトのページレイアウトに複雑なジョインオブジェクトの関連オブジェクトセクションが含まれていることを確認します。
オブジェクトライフサイクルの選択
作成したカスタムオブジェクトでオブジェクトライフサイクルを使用できます。ライフサイクルの使用を希望するもののまだ作成していない場合は、ライフサイクル選択リストからライフサイクルの作成をクリックします。1 つのオブジェクトに割り当てられるオブジェクトライフサイクルは 1つのみです。一致共有ルールを有効化している場合はこの作業が必要です。
レコードリストページの順序フィールド
オブジェクトレコードリストページで、フィールドのデフォルト順序を定義できます。この順序は、エンドユーザがドキュメント情報ページでレコードラベルにマウスオーバーした時に表示されるオブジェクト詳細ウィンドウに影響します。オブジェクトレコードラベル (例:製品名や国名) を最初に表示する必要があります。
オブジェクトフィールドを追加するには
カスタムオブジェクトと標準オブジェクトの両方に新しいフィールドを追加できます。オブジェクトおよび親オブジェクトフィールドタイプでオブジェクトの関係が作成されます。一方、ルックアップフィールドタイプでは既存のオブジェクト関係を利用します。オブジェクトフィールドを追加するには:
- 管理 > コンテンツ設定 > オブジェクトの順に選択して、オブジェクトをクリックします。
- 編集をクリックして、フィールドタブを開きます。
- 作成をクリックします。
- フィールドタイプを選択してから、ユーザに表示されるフィールド名であるラベルを含む残りの属性を入力します。フィールド作成プロセスの大半の手順は、「ドキュメントフィールドの編集」に記載されています。
- 任意の作業: フィールドタイプで利用可能な場合は、ユーザは常に値を入力する必要があります (必須) チェックボックスを確認します。
- 任意の作業: フィールドで利用可能な場合は、値は一意である必要があります設定を確認します。
- 任意の作業: デフォルトリストとホバーカードに表示チェックボックスを選択し、管理者エリアのオブジェクトレコード リストビュー、ドキュメント情報ページのオブジェクトレコード ホバーカード、およびオブジェクトルックアップ ダイアログにフィールドが表示されるようにします。
- 任意の作業: コピーレコードでこのフィールドをコピーしないチェックボックスを選択し、レコードのコピーアクションでソースフィールド値が新規レコードにコピーされないようにします。システムフィールドではデフォルトで選択されており、選択は解除できません。
- 任意の作業: リテラル値または数式のいずれかを使用して、フィールドのデフォルト値を設定します。すべてのフィールドタイプで初期設定が可能なわけではありません。
- 任意の作業: フィールドでこの設定が利用可能な場合は、保護対象保健情報 (PHI) または個人特定可能情報 (PII) が含まれるを選択します。
- 保存をクリックします。
ユーザオブジェクトフィールド
オブジェクトにオブジェクト参照フィールドを作成する際に、ユーザオブジェクトにリンクさせることができます。
ドキュメントオブジェクトフィールド
オブジェクトにオブジェクト参照フィールドを作成する際に、ドキュメントオブジェクトにリンク付けして、ドキュメント参照フィールドを作成することができます。
日付フィールド
日付フィールドでは、「MM/DD/YYYY」形式での入力、またはカレンダーアイコンをクリックして日付を選択することにより、ユーザが日付を入力できします。日付フィールドには、ユーザがクリックして値を現在の日付に簡単に設定できる Today リンクも含まれています。
はい/いいえフィールド
オブジェクトで Yes/No (はい/いいえ) フィールドを作成する際、チェックボックスとして表示を選択して、Yes (はい) と No (いいえ)のラジオボタンの代わりにチェックボックスとしてフィールドを表示することができます。このオプションを選択すると、オブジェクトレコードのリストページグリッドと、オブジェクト詳細ページにチェックボックスが表示されます。チェックボックスフィールドに設定できるのは、Yes と No (デフォルト) の 2 つの値のみです。
数式フィールド
オブジェクトに数式タイプフィールドを作成して、算出値かアイコンのいずれかを表示できます。数式フィールドの追加について詳しくは、オブジェクトの数式フィールドの設定をご確認ください。
通貨フィールド
通貨フィールドではユーザが金額を入力でき、Vault はユーザのロケールに応じて UI 全体で表示します。オブジェクトに最初の通貨タイプフィールドを追加すると、追加の現地通貨 (local_currency__sys
) フィールドが作成され、各通貨タイプフィールドで関連企業通貨フィールドが作成されます。
ロングテキストフィールド
ロングテキストフィールドは、ユーザが最大 32,000 文字入力できる特殊テキストフィールドです。
制限
- オーバーレイ、署名ページまたはメッセージのロングテキストフィールドにトークンを使用することはできません。
- 既存のテキストフィールドをロングテキストフィールドに変換するはできません。
リッチテキストフィールド
リッチテキストフィールドは、ファミリー、サイズ、テキスト装飾、配置、リスト、科学的表記およびリンクなどの一般的な書式設定オプションをユーザが適用できる特殊テキストフィールドです。Vault は HTML を使用してテキスト書式設定を適用します。最大 32,000 のプレーンテキスト文字、HTML マークアップ用に確保された追加の 32,000 の文字が対象となります。例えば、Hello
はプレーンテキスト 5 字と、HTML マークアップ文字 7 字です。
制限
- ユーザは、書式設定ツールバーでテキスト形式を適用する必要があります。ユーザがリッチテキストフィールドに HTML マークアップを手動で入力した場合、Vault はプレーンテキストとして扱います。
- リッチテキスト書式設定ツールバーは、モバイルデバイスを利用しているユーザには表示されません。ただしユーザは、デバイスのネイティブテキスト書式設定ツールバーを使用してテキストの書式を設定できます。
- Vault は、リッチテキストの差し込みフィールドをプレーンテキストとして表示します。
- Vault は、差し込みフィールドバーコードでリッチテキストフィールドをサポートしません。
レコード入力規則
ユーザがオブジェクトフィールド値を確認して有意の正しいデータを必ず入力するよう、オブジェクトレコードに入力規則を設定できます。入力規則には、フィールドにユーザが入力したデータを評価する数式または表現が含まれ、データが有効であると「True」を、データが無効であると「False」を返します。
必要な設定
一部のフィールド設定には、ユーザは常に値を入力する必要があります (必須) 設定があります。この設定が有効化されると、このフィールドが空白の場合、ユーザはオブジェクトレコードの作成や変更保存ができなくなります。
フィールドの削除ルールが関連ドキュメントが削除された場合フィールドを空白に設定するの場合、オブジェクトやドキュメント参照フィールドに対してこの設定を有効化することはできません。
値は一意である必要があります
一部のフィールド設定には、値は一意である必要があります設定があります。すべてのオブジェクトには、各レコードが固有の値 (名前や外部 ID など) を持つ必要があるフィールドと、固有である必要がない値 (疾患領域または製品など) のフィールドがあります。階層オブジェクトでは、Vault は同一の親を持つレコードに対してのみ一意性を強制します。
オブジェクトフィールドを編集する際、システムはこの設定への変更を非同期的に適用します。これは、特にアクティビティの多い Vault の場合、変更が反映されるまでに遅延が生じる場合があることを意味します。システムがこれらの変更を処理している間、Vault は、フィールドの削除や最大長設定の変更など、影響を受けるフィールドの特定のアクションをブロックします。
PHI と PII のフィールドレベル暗号化
現在、すべての Vault データは安全に保存されています。保護対象保健情報 (PHI) や個人特定可能情報 (PII) 等の機密情報の場合、Vault にはフィールド値の追加 (第 2 レベル) 保護機能があります。フィールドを PHI/PII とマークするには:
- 管理者 > 設定 > オブジェクトからオブジェクトを選択します。
- Vault でさらに保護を強化したいフィールドを選択します。Vault は、システムフィールド、数式参照フィールド、オブジェクト参照フィールド、ドキュメント参照フィールド、選択リストタイプフィールド、またはすでに値があるフィールドには追加保護を加えることができません。
- 保護対象保健情報 (PHI) または個人特定可能情報 (PII) が含まれるのオプションを有効化します。
Vault は、このオプションを有効化したフィールドに入力される値に対してさらにセキュリティを強化します。オブジェクト 1 つ当たり最大 10 個のフィールドにこのオプションを有効化することができます。
カスタムオブジェクト付きのドキュメントセキュリティ
カスタムオブジェクトは標準オブジェクトと同じ機能を持っているわけではありません。Vault で DAC 以外のドキュメントセキュリティを使用する場合、カスタムオブジェクトでデフォルトのロール割り当てを上書きすることはできません。例えば、デフォルトの異なるユーザを、選択された国を基準にしてレビューアロールに選定することができます。これは、国が標準オブジェクトであるためです。この設定は、カスタムオブジェクトではできません。
レコードの作成と関連付けを有効化する方法
元のレコードのコンテキストから離れることなく、オブジェクトを作成したり、関連付けたりすることができます。このオプションは、オブジェクトがオブジェクト参照フィールドまたはシンプルな関係オブジェクトから関連付けられた場合のみ使用できます。オブジェクトを参照するドキュメントフィールドからオブジェクトレコードを作成・関連付けすることもできます。ユーザは、個々のオブジェクト参照フィールドに対してこの機能を有効化する必要があります。
- 管理者 > コンテンツ設定 > オブジェクト > {オブジェクト} でオブジェクトを開きます。
- フィールドをクリックします。
- オブジェクト参照フィールド (オブジェクトまたは親オブジェクトフィールドタイプ) をクリックします。
- 編集をクリックします。
- 新規参照レコードの作成を許可するチェックボックスを選択します。
- 保存をクリックします。
ドキュメントフィールドからオブジェクトを参照するには
オブジェクトを作成した後、ユーザがオブジェクトをドキュメントに関連付けられるように、そのオブジェクトに対応するドキュメントフィールドを作成する必要があります。ドキュメントフィールド作成プロセスの大半の手順は、「ドキュメントフィールドの管理」に詳しく記載されています。
オブジェクトタイプドキュメントフィールドを作成するには:
- ドキュメントフィールドを新規に作成する場合には、基本的な手順に従ってください。
- オブジェクトをフィールドタイプとして選択した後、ラベルを入力します。実際のオブジェクトラベルではなく、このラベルがエンドユーザに表示されます。
- 手順 3 でフィールドがマップすべきオブジェクトを選択します。オブジェクトタイプフィールドは、エンドユーザ向けの選択リストとよく似た働きをしますが、選択リストオプションは選択リストとしてというよりも、管理 > ビジネス管理者のオブジェクトデータとして管理されます。
- フィールドが子オブジェクトにマッピングする場合、コントロールフィールド選択リストの親オブジェクトのドキュメントフィールドを選択します。
ビジネス管理者レイアウトを変更するには
オブジェクト設定の企業管理者メニューで表示するチェックボックスを選択解除して、オブジェクトをここに表示しないよう選択できます。子オブジェクトが表示されないようにしても、管理者ユーザは親データレコード内のオブジェクトからデータレコードを依然として作成できます。
Vault にカスタムタブが含まれている場合、オブジェクトデータレコードは管理者以外にも表示されます。
オブジェクトおよびオブジェクトレコード削除の制限
オブジェクトが Vault で使用中の状況では、そのレコードを削除することができません。そのような場合、オブジェクトのステータスを無効に変更することで、設定やドキュメントメタデータのセキュリティを守りながら、ユーザがオプションにアクセスすることを防ぐことができます。
ドキュメントフィールド内でユーザにカスタムオブジェクトを選択できないようにカスタムオブジェクトを完全に無効にするには、ドキュメントフィールドのステータスも変更する必要があります。標準オブジェクトを削除したり無効化したりすることは絶対にできません。
オブジェクトレコードの削除と関係
オブジェクト参照フィールドを作成し、2 つのオブジェクト間の関係を定義する際、削除ルールも定義できます。この設定は、親子関係にある親オブジェクトレコード、または参照関係にある参照オブジェクトレコードのいずれかのオブジェクトレコードを削除しようとする場合の Vault の動作に影響を与えます。削除ルールオプションは次の通りです:
- 関連オブジェクトレコードの削除防止
- 親オブジェクトレコードとして、または参照オブジェクトレコードとして選択されている場合、このオプションによりオブジェクトレコードが削除できなくなります。例えば、製品が親として選択されているマーケティングキャンペーンがある場合は、製品を削除することはできません。エージェンシがマーケティングキャンペーンに参照されている場合もエージェンシを削除することはできません。
- カスケードは子記録を削除します
- このオプションは、親子関係でのみ利用できます。Vault が RIM Submissions アプリケーションを使用している場合、Submission オブジェクトにはカスケード削除もサポートする自己参照関係があります。オブジェクトレコードを削除すると、Vault は削除されたレコードを親とするオブジェクトレコードも削除します。例えば、ある製品を削除すると、すべての子マーケティングキャンペーンが削除されます。1,000 件以上のレコードを削除する場合、Vault はバックグラウンドプロセスにおいて非同期的にレコードを削除します。プロセスが完了すると通知されます。
- 関連レコードが削除された場合フィールドを空白に設定する
- このオプションは、参照関係でのみ利用できます。別のオブジェクトレコードで参照されるオブジェクトレコードを削除すると、Vault は参照フィールドを空白にリセットします。例えば、エージェンシを削除すると、そのエージェンシのすべてのマーケティングキャンペーンのエージェンシフィールドが空白になります。
制限
Vault は、パフォーマンスに問題が発生しないように一定の制限を強制します:
タイプ | 制限 |
カスタムオブジェクト | Vault あたり最大 50 のカスタムオブジェクト |
オブジェクトのカスタムフィールド | 各オブジェクトに最大 300 のカスタムフィールドを割り当て |
オブジェクトのロングテキストフィールド | オブジェクトあたり合計で最大 10 のロングテキストとリッチテキストフィールド (標準とカスタム) |
オブジェクトのリッチテキストフィールド | オブジェクトあたり合計で最大 10 のロングテキストとリッチテキストフィールド (標準とカスタム) |
オブジェクトタイプ | オブジェクトあたり最大 30 のオブジェクトタイプ |
オブジェクトレコード | オブジェクトあたり最大 1 千万 (10,000,000) のレコード |
カスタム関係 | オブジェクトあたり最大 20 の関係 |