ワークフローロールの詳細設定を使うと、ワークフロー開始ダイアログで、必須、オプション、非表示とすべきロールを決定する一連のビジネスルールを決定することができます。この設定は、開始ダイアログにマルチユーザコントロールとして表示されるタスク割り当てのみに使用することができます。

管理者は、これらのオプションがお使いの Vault に表示されるように、ワークフローロールの詳細設定を有効化する必要があります。

ワークフローオブジェクトについて

ワークフローオブジェクトは、ドキュメントライフサイクルのワークフローと関連付けられています。その唯一の目的は、ワークフローロール設定オブジェクトとのオブジェクトの参照関係をサポートすることにあります。一度有効化されれば、ワークフローオブジェクトには設定は不要です。

ワークフローオブジェクトレコードは、Vault のアクティブなワークフロー (カスタムまたは標準) に対応しています。新規ワークフローが作成されて有効化されると、対応するワークフローオブジェクトレコードが自動的に作成されます。

Vault はオブジェクトレコードを{ライフサイクル名}。{ワークフロー名}と命名し、それぞれに固有の ID外部 ID 値を割り当てます。

オブジェクトレコード値は、ワークフロー自体から取得されるため、編集することはできません。ワークフローを削除すると、自動的に対応するオブジェクトレコードが削除されます。オブジェクトレコードが別のオブジェクトから参照されている場合、これらを削除することはできません。

アプリケーションロールオブジェクトについて

アプリケーションロールオブジェクトは、ライフサイクルロールを上位の「アプリケーションレベル」のロールにマッピングします。

アプリケーションロールオブジェクトは、それ自体には特別な機能はありません。ただし、ドキュメントやオブジェクトレコードのワークフローロール設定動的アクセスコントロールといった他のさまざまな機能に使用されます。これらのロールマッピングを確認・更新します。

ワークフローロール設定オブジェクトについて

ワークフローロール設定オブジェクトは、特定のロールをワークフロー開始ダイアログで必須または非表示に設定する際に使用されるフィールドと値を制御します。

オブジェクトには以下の標準フィールドが含まれます:

  • 参加要件: ワークフローの開始時に、ロールが必須か、非表示かを制御する選択リストフィールド。
  • ロール (アプリケーションロール): ドキュメントロールを指すオブジェクトフィールド。
  • ワークフロー: ドキュメントワークフローを指すオブジェクトフィールド。

オブジェクトに対して、ルール基準として使用可能な最大 4 つのカスタムオブジェクトと選択リストフィールドを追加することができます。これらには通常以下のオブジェクトが 1 つ以上含まれます:

  • 製品
  • ドキュメントタイプ

ワークフロー参加者ルールの作成時に、ワークフローフィールドとカスタムフィールドをルール条件として選択することができます。

ワークフロー参加者ルールについて

ワークフロー参加者ルールは、どのドキュメントフィールドが、選択されたロールをワークフロー開始ダイアログで必須または非表示にするかを制御します。

表示ルールの作成には、管理者: ドキュメントライフサイクル: 編集権限を付与するセキュリティプロファイルが必要です。

ワークフロー参加者ルールを作成するには:

  1. 管理者 > 設定 > ドキュメントライフサイクル > [ライフサイクル] > ロールに進みます。
  2. ロールをクリックして、ワークフロー参加者ルールタブに進みます。
  3. 作成をクリックし、ルールのラベルを入力します。
  4. 任意の作業: 名前の編集および/または説明の入力を行います。
  5. ルール条件で、ルールを定義するフィールドを 1 つ以上選択します。
  6. 保存をクリックします。ライフサイクルロールごとに最大 25 の異なるルールを作成することができます。

ルール条件で使用できるオプションには、対応するドキュメントフィールドを持つすべてのワークフローロール設定フィールドが含まれます。例:

  • ドキュメントに、ワークフロー、ドキュメントタイプ、国のフィールドが含まれます。
  • ワークフローロール設定には、ワークフローのフィールドが含まれ、ドキュメントタイプと国のフィールドで設定することができます。

3 つすべてのフィールドを選択することで、ルールが確立されて、ドキュメントワークフロー、タイプ、国が特定の値に一致するとロールが必須となります。

任意のフィールドが特定の値に一致する場合にロールをオプションにするルールを設定することもできます。ただし、選択されたロールをオプションにする場合、ロールに関連づけられたすべてのワークフロータスクをオプションにする必要があります。

ルールは、選択されたライフサイクルのすべてのドキュメントに適用されます。どのワークフロー (レビュー開始承認開始など) が、またどのドキュメントフィールド値を元にルールを有効化するかを制御する詳細は、ワークフローロール設定オブジェクトレコードで設定されます。

ルールを変更するには、ワークフロー参加者ルールタブに戻り、ラベルの右側のアクションメニューから以下のオプションの 1 つを選択します:

  • 編集をクリックして、ラベル、名前、説明、基準を変更します。
  • 削除をクリックしてルールを完全に削除します。

ワークフローロール設定レコードを作成する方法

ワークフローロール設定オブジェクトレコードは、ワークフロー参加者ルールが有効になるタイミングと、ロールがワークフローの開始ダイアログで必須か非表示かを管理します。

ワークフローロール設定オブジェクトレコードを作成するには:

  1. 管理者 > 企業管理者 > ワークフローロール設定に進みます。
  2. 作成をクリックして、オブジェクトレコードの詳細を入力します。これらの詳細は、オブジェクトに対する管理者の設定に応じて異なります。名前フィールドはシステムで管理されているため編集することはできません。
  3. 保存をクリックします。

例: ワークフローの開始ダイアログで特定のロールを非表示にする

Sara がドキュメントのレビューのためにワークフローを開始する際、Sara はワークフロー開始ダイアログでオプションとして閲覧者ロールが表示されているのを確認します。Sara は、国として米国が選択されたら、開始ワークフローダイアログの閲覧者ロールを必ず非表示にするという特定のルールを定義したいと考えます。Sara は、ワークフローの詳細設定を使用して、閲覧者ロールをオプションにするのではなく、非表示にする必要があります。

まず、ワークフローロール設定オブジェクトを設定する必要があります。Sara は米国が選択されると必ず閲覧ロールを非表示にするルールを定義したいため、Sara はオブジェクトタイプに新規フィールドを作成する必要があります。ワークフロー参加者ルールでルール条件として選択できるように、このフィールドを作成する必要があります。ワークフローロール設定オブジェクト設定に進み、オブジェクトフィールドを追加します。

次に、閲覧者ロールにワークフロー参加者ルールを作成する必要があります。ワークフロー参加者ルールは、どのドキュメントフィールドが、選択されたロールをワークフロー開始ダイアログで必須または非表示にするかを制御します。この例では、Sara は、ルール条件ワークフローおよびのオプションが選択されたワークフロー参加者ルールを作成します。

最後に、閲覧者ロールのワークフロー参加者ルールが有効になるタイミングを制御するワークフローロール設定オブジェクトを作成する必要があります。この例では、Sara は次のように以下のフィールド入力を行います:

  • ステータス: 有効
  • ワークフロー: 一般ライフサイクル > レビュー
  • ロール: 閲覧者
  • 参加要件フィールドで非表示フィールドで米国。これにより、ワークフローフィールドと国がこれら特定の値に一致した場合に、閲覧者ロールを非表示にするルールが確立されます。

特別配慮

この機能について注意すべき点が 2 つあります:

  • 開始手順でユーザ制御が 1 つしか設定されていない場合、ユーザ制御はワークフロー開始ダイアログに必須として常に表示されます。
  • ユーザ制御をユーザタスクのないロールに割り当てる場合、ユーザ制御はワークフロー開始ダイアログに必須として表示されます。

管理者: 有効にするには

希望する Vault にワークフローの詳細設定設定を表示するには、Veeva サポートまでご連絡ください。

使用できるようになったら、管理者はワークフローロールの詳細設定チェックボックスを選択して、管理者 > 設定からこの機能を有効化する必要があります。有効化すると、管理者は、以下の Vault オブジェクトを設定して、この構成をサポートすることができます。

  • ワークフロー
  • アプリケーションロール
  • ワークフローロール設定