Vault Loader を使用すると、Vault でオブジェクトレコードの作成、更新、削除の各アクションを一括で実行することができます。さらに Loader には挿入/更新アクションがあるため、新規レコードを作成して、単一の CSV 入力を使用して既存のレコードを更新することができます。また、ユーザおよびパーソンオブジェクトを持つユーザを作成および更新することもできます。ユーザオブジェクトを持つユーザの管理について詳しくは、ユーザおよびパーソンオブジェクトを管理するをご覧ください。詳細は、オブジェクトレコード添付ファイルの管理をご覧ください。

オブジェクトレコードの読み込み

オブジェクトレコードを読み込む前に、オブジェクトレコードフィールドの名前と値を含む CSV 入力ファイルを準備します

オブジェクトレコードを読み込むには:

  1. ローダタブの左側のパネルで、読み込みをクリックします。
  2. CSV ファイル選択をクリックし、CSV 入力ファイルを選択します。
  3. オブジェクトタイプドロップダウンで、一括アクションを実行するオブジェクトを選択します。
  4. アクションタイプドロップダウンで、作成更新更新/挿入または削除を選択します。
  5. キーフィールドドロップダウンで、指定されたオブジェクトから任意の固有フィールドを選択します。このオプションは、削除更新/挿入、および更新アクションのみに必要です。
  6. 任意の作業: レコード移行モードチェックボックスを選択して、あらゆるライフサイクル状態または状態タイプのオブジェクトレコードを作成できます。また、移行モードでレコードを作成する際、Vault はバリデーションルールおよび参照制限を迂回します。
  7. 任意の作業: 検証用に出力ログに更新済みフィールド値を含めるチェックボックスを選択して、サポートされている VQL フィールドを出力ログに含めます。VQL クエリ検証はパフォーマンスに影響します。
  8. 任意の作業: フィールドのマッピングをクリックして、フィールドマッピンググリッドにアクセスします。フィールドのマッピングドロップダウンボタンをクリックし、保存したマッピングの読み込みを選択して、これまでに保存したマッピングを読み込むこともできます。
  9. 読み込みの開始をクリックします。

リクエストを処理する前に、Vault が選択された CSV ファイルの検証を実行します。ファイルが有効な場合、Vault がリクエストの処理を開始します。終了すると、Vault 通知とメール (リクエスト詳細および CSV 出力ファイルが添付された) が送信されます。

フィールドマッピング

フィールドマッピングを使用すると、読み込むために選択したオブジェクトタイプの特定のフィールドを CSV 入力ファイルの列にマッピングできます。この機能は、フィールド名がターゲット Vault で完全に一致しない別の Vault からレコードをインポートする際、または Vault 以外のソースからデータをインポートする際に特に便利です。例えば、既存のバッチ ID があるバッチデータをレガシーシステムから Vault に移行するとします。バッチオブジェクトレコードを作成する際、External_id__v フィールドを「古いバッチ ID」と呼ばれる CSV の列にマッピングできます。

フィールドマッピンググリッドには以下の列が含まれています。

  • フィールド名: ターゲット Vault のオブジェクトフィールド名。ルックアップフィールドは関連付けられたオブジェクト参照フィールドの下に表示され、矢印アイコンで示されます。
  • フィールドラベル: ターゲット Vault UI のオブジェクトレコードのフィールドに表示されるラベル。
  • タイプ: ターゲット Vault のフィールドタイプ。
  • CSV 列: CSV 列ヘッダーの値。Vault Loader 抽出を使用して CSV を生成した場合、これらの値はソース Vault のフィールド名と一致します。

CSV マッピングへの変更

列の検索およびフィルタリング

フィルタセクションで 1 つ以上のチェックボックスを選択すると、フィールドマッピンググリッドに特定のタイプのフィールドのみを表示することができます。フィールドマッピンググリッドの上にページ番号を入力するか、ナビゲーション矢印を使用すると、指定したページにジャンプできます。検索ボックスを使用して、特定のフィールドを検索します。

CSV 列の設定

Vault は CSV 列ヘッダーを類似のフィールド名に自動的にマッピングします。これらのマッピングを変更するには、適用可能な CSV 列ドロップダウンリストから列ヘッダーを選択して、その列を適切なオブジェクトフィールドにマッピングします。(マッピングなし) を選択してマッピングを削除して、新しく作成されたレコードまたは更新されたレコードのフィールドを空白にします。フィールドのクリアをクリックしてすべてのマッピングを削除するか、マッピングの保存をクリックして今後使用するために現在のフィールドマッピングを保存します。

オブジェクト参照フィールドのマッピング

Vault は、参照オブジェクトのルックアップフィールドを使用してオブジェクト参照フィールドをマッピングします。上記の例では、product__c.generic_name__c フィールドを一般名 CSV 列に入力して、製品 (product__c) フィールドが入力されます。オブジェクト参照フィールドごとに 1 つのルックアップフィールドをマッピングできます。すべてのルックアップフィールドがオブジェクト参照フィールドで (マッピングなし) に設定されている場合、新規作成されたレコードまたは更新されたレコードでは空白になります。オブジェクト参照フィールドが必須の場合、読み込みは失敗します。

自動フォーマット

Vault では特定のフィールドを特定のフォーマットにする必要があるため、ローダが読み込みを完了する前に自動フォーマットを使用してフィールドの値を Vault の標準フォーマットに変換します。ローダは以下のフィールドタイプに自動フォーマットを使用します:

  • ブーリアン: ローダは読み込み前にすべてのブーリアンフィールド値が True または False になるようにします。
  • 選択リスト:データを選択リストにマッピングする場合、ローダは読み込み前のルックアップに選択リスト名 (パブリックキー) を使用します。選択リストにパブリックキーを入力しなかった場合、ローダはルックアップに選択リストラベルを使用することもできます。

追加情報

  • Vault では、必須の CSV 列が黄色でハイライト表示されます。
  • CSV 列のドロップダウンリストでは、CSV の有効な列に (マッピングなし) と表示されます。
  • すでにマッピングされているフィールドは、フィールドマッピンググリッドで使用できません。

オブジェクトレコードを削除する方法

Vault Loader を使用して削除するには、削除したいレコードの一覧を含む CSV 入力ファイルをアップロードします。削除アクションのための CSV には ID フィールドのみが必要です。残りの処理は、オブジェクトレコードの読み込みで説明されている通りに行われます。ユーザオブジェクトレコードは削除できませんが、ユーザの Vault メンバーシップを False に設定して、1 つ以上の個別の Vault でユーザアカウントを無効にすることができます。詳細は Vault メンバーシップの割り当てを参照してください。

削除のカスケード

特定のオブジェクトのレコードを削除する場合、Vault は関連レコードの全階層のカスケード削除を実行できます。カスケード削除の設定を使用するオブジェクトのレコードを削除する場合、1 回の読み込みで削除できるレコードは 1 つ (およびその関連レコード) のみです。つまり、複数のオブジェクトレコードにカスケード削除設定は使用できません。

レコードの一括削除を行う場合、カスケード削除オプションは使用できません。

特定のライフサイクル状態のレコードの作成

Vault Loader を使用すると、オブジェクトレコードの作成時に、ライフサイクル状態を指定することができます。CSV ファイルを準備するときに、ライフサイクル状態 (state__v) または状態タイプ (state_label) フィールドの値を指定し、指定した状態の作成を使用してインポートすることができます。特定の状態のレコードを作成する場合、Vault はエントリ条件を実行しません。

特定のライフサイクル状態のレコードを作成するには、CSV を読み込む前にレコード移行モードチェックボックスを選択します。特定の状態のレコードをインポートするには、Vault 所有者アクション: レコード移行権限が必要です。

CSV 入力ファイルの準備

フィールドはオブジェクトごとに異なります。以下のリストには、常にまたは通常必須であるフィールドの他、さまざまなフィールドタイプを網羅する複数のサンプルフィールドが含まれます。ローダを使用して列の見出しを抽出し、そのファイルに基づいて CSV 入力を作成していただくことを推奨します。

列の見出しフィールド値の例メモ
IDID00P000000000101レコードの更新または削除に必須です。更新と削除のアクションでは、すべての行で必須です。挿入/更新アクションでは、新規レコードに対して空白にすることができますが、既存のレコードに対しては入力する必要があります。
name__v名前WonderDrugオブジェクトが自動命名を使用していない限り、レコードの作成に必須です。
object_type__vオブジェクトタイプ00P000000000304列の見出しとしてオブジェクトフィールド名と、レコードの ID 値を使用してオブジェクトタイプを設定します。空白の場合、オブジェクトレコードは基本製品のように「基本」タイプを使用します。
object_type__vr.api_name__vオブジェクトタイプ > 名前pharmaceutical__v列の見出しとして関係名 (object_type__vr) とオブジェクトフィールド名 (api_name__v) と、(ラベルではなく) オブジェクトタイプ名の値を使用してオブジェクトタイプを設定します。空白の場合、オブジェクトレコードは基本製品のように「基本」タイプを使用します。
campaign__cキャンペーン00P000000000101列の見出しとしてオブジェクトフィールド名 (campaign__c) と、レコードの ID 値を使用してオブジェクトレコードを参照します。詳細はオブジェクト参照フィールドの読み込みを参照してください。
campaign__c.name__vキャンペーン > 名前障害を乗り越える更新したオブジェクトフィールド名 (campaign__c) と関連オブジェクトの名前フィールド (name__v) を列の見出しとして使用して関連オブジェクトレコードを参照します。オブジェクトレコードを Vault Loader で作成する際、動的参照制限のルックアップタイプフィールドを使用するフィールドの値を作成するために関連オブジェクトフィールド値を参照することはできません。代わりに、参照オブジェクトフィールド名を列ヘッダーとして使用して、camapign__c の上記の例に表示される値としてレコード ID を提供します。
doc_reference__cドキュメント参照フィールド (バージョン管理)1457_0_1ドキュメントの特定バージョンのフィールドを参照します。
doc_reference_unbound__cドキュメント参照フィールド (バージョン管理外)1457ドキュメントの最新バージョンのフィールドを参照します。詳細は、、バインド解除されたドキュメントフィールドを参照してください。
family__c製品ファミリー (選択リスト)Wonder選択リスト値名またはラベルを使用して選択リストオプションを参照します。
generic_avail__c一般に利用可能falseはい/いいえタイプフィールドに「いいえ」と示します。
date_approved__c承認された日2017-01-29日付の形式は YYYY-MM-DD とする必要があります。
datetime_approved__c承認された日時2017-08-04T19:53:00.000Z日時の値の形式は {YYYY-MM-DD}T{HH:MM:SS.SSS}Z とし、24 時間制を使用する必要があります。時間は、自国のタイムゾーンではなく UTC にする必要があります。日時は .000Z UTC 表現で終わるようにする必要があります。「0」はどの数字になっても構いません。
rich_text__cリッチテキストフィールドVeeva Websiteリッチテキストフィールドは、プレーンテキストで最大32,000文字、HTMLマークアップ用にさらに32,000文字が確保されています。Vault UIでは、ユーザーはリッチテキストエディタのボタンからしかHTMLマークアップを入力できませんが、Vault ローダのCSV入力ファイルでは、手動のHTMLがサポートされています。
state__vライフサイクル状態draft_state__cレコードのライフサイクル状態を指定します。レコード移動モードが有効な作成アクションでのみ利用可能です。オブジェクトライフサイクル状態ラベルを state__v 列に提供することもできます。状態ラベルが固有であれば、Loader がパブリックキー名を検索します。
state_labelライフサイクル状態タイプbase:object_lifecycle:initial_state_typeレコードのライフサイクル状態タイプを指定します。状態と状態タイプの両方を提供する場合、提供された state__v 値に state_label 値をマッピングする必要があります。例えば、state__v の値が draft_state__c に設定されている場合、移行先 Vault の state_label の値を下書きに設定しておく必要があります。レコード移動モードが有効な作成アクションでのみ利用可能です。

入力例をご確認ください:

オブジェクト参照フィールドを読み込む方法

値が固有でなければならないオブジェクトフィールドを使用してオブジェクトレコードを参照することができます。各オブジェクト参照に 1 つ以上の列ヘッダーを含めたり、単一列を選択するためにフィールドマッピングを使用したりしないでください。オブジェクト参照フィールドの空白値が CSV に含まれている場合、フィールドは新規作成されたレコードまたは更新されたレコードで空白になり、オブジェクトフィールドが必須の場合、読み込みは失敗します。

ユーザレコードを読み込むには

Vault ローダを使用して user__sys オブジェクトを持つユーザレコードを作成および更新することができます。これにより、ユーザレコードのカスタムフィールドやマネージャなどの標準フィールドを更新することができます。Vault はユーザレコードをレガシーユーザアカウントと同期するため、ユーザレコードを作成または更新すると、自動的にレガシーユーザアカウントが更新されます。例えば、John Smith のユーザレコードの language__sys フィールドを更新すると、John Smith のレガシーユーザアカウントの同じフィールドが更新されます。

ユーザを作成、更新、挿入/更新するには:

  1. ローダタブの左側のパネルで、読み込みをクリックします。
  2. CSV ファイル選択をクリックし、CSV 入力ファイルを選択します。
  3. オブジェクトタイプドロップダウンのオブジェクトセクションからユーザを選択します。
  4. アクションタイプドロップダウンで、作成更新または挿入/更新を選択します。
  5. 読み込みの開始をクリックします。

新規ユーザレコードを作成するには、すべての Vault に以下のフィールドが必要です。

名前フィールド値の例メモ
email__sysメールewoodhouse@email.comユーザのメールアドレス。
first_name__sysElaineユーザの名。
last_name__sysWoodhouseユーザの姓。
username__sysユーザ名ewoodhouse@veepharm.comユーザの Vault のユーザ名 (ログイン認証情報)。例えば、ewoodhouse@veepharm.com.
language__sys言語0LU000000000101ユーザの希望言語。
locale__sysロケール0LO000000000104ユーザがいる場所。
timezone__sys時間帯america_los_angeles__sysユーザのタイムゾーン。
license_type__sysライセンスタイプfull__v任意: ユーザのライセンスタイプ。省略された場合のデフォルト値は full__v です。
security_profile__sysセキュリティプロファイル0SP000000000106ユーザのセキュリティプロファイル。例えば、Vault 所有者。
status__vステータスactive__vユーザのステータス。

制限

Vault Loader では user_sysに対する以下のアクションはサポートされていません。

  • クロスドメインユーザの作成
  • パスワードのリセット
  • ドメインレベルでのユーザの有効化または無効化
  • Vault メンバーシップの管理

上記のアクションを実行するには、Vault Loader: レガシーユーザの作成および更新を参照してください。

ファイルバリデーション

オブジェクトレコードを作成、更新、または削除する Vault ローダジョブを開始する前に、Vault は選択されている CSV ファイルが特定の基準を満たしていることを確認します:

  • オブジェクトレコードを作成する場合、Vault のレコードの合計数と CSV によって作成される新しいレコードの合計が Vault の制限を超えない
  • オブジェクトレコードを作成する場合、1 つ以上のレコードを含める
  • 空でない
  • 空の列を含まない
  • 有効なヘッダー行を含む (無効なヘッダー行とは、読み込んだレコードのメタデータに一致する列がないものです。)
  • 削除更新/挿入、または更新アクションを使用する場合、キーフィールドに指定されている列はマッピングが必要です。

ファイルが有効でない場合、Vault にシステムメッセージが表示され、処理が停止して、新しい CSV ファイルを選択することができます。Vault のメタデータと一致しない列ヘッダーがある場合、システムメッセージによりユーザが読み込みを停止したり、これらの列を無視して先に進んだりできるようになります。