通貨は、すべての編集可能 Vault オブジェクトで使用できるフィールドタイプです。通貨フィールドを使うと、Vault で未払費用、支払い、チェック請求を追跡することができます。固定手数料、変動手数料、被験者当たりの金額といった契約条件を追跡するオブジェクトも作成することができます。
通貨フィールドの値は、Vault UI 全体で、ユーザのロケールに適切な形式で表示されます。
注: 通貨フィールドはドキュメントでは使用できません。
データモデルのサポート
以下の項目は通貨フィールドタイプをサポートしています:
通貨オブジェクト
通貨 (currency__sys
) オブジェクトを使用すると、組織が米ドル (USD)、日本円 (JPY)、ユーロ (EUR) などの複数の通貨をサポートできるようになります。通貨オブジェクトの各レコードは、サポートされる通貨を表します。これらのレコードに加えて、Vault にはシステムが管理する編集不可の企業通貨レコードがあります。
略語選択リスト
略語選択リストは、現在 ISO (国際標準化機構) によって認められているすべての ISO 4217 通貨コードを保持します。選択リストはシステム管理され、編集できないため、ユーザは、新規項目を作成したり、リストから項目を削除したりすることはできません。
多通貨 Vault
オブジェクトの通貨タイプフィールドごとに、Vault は 2 つめの「企業通貨」フィールドを自動作成します。2 つ目のフィールドは、現地の為替相場に基づいて算出された値を保持します。
注: お使いの Vault が複数の通貨を使用していない場合、このフィールドを無視しても構いませんが、削除したり無効にしたりすることはできません。
ユーザ優先通貨
ユーザオブジェクトで、個別のユーザごとに優先通貨 (preferred_currency__sys
) を設定することができます。お使いの Vault に企業通貨が設定されてると、Vault は自動的に新規ユーザレコードに優先通貨をデフォルトとして設定して一致させます。必要に応じて、フィールドを更新することができます。ただし、企業通貨が設定されている場合、既存のユーザレコードの優先通貨フィールドは、自動的に更新されません。既存のユーザに優先通貨を設定するには、ユーザレコードを更新する必要があります。
現地通貨フィールド
管理者が特定のオブジェクトに初めて通貨フィールドを作成する場合、Vault はそのオブジェクトに現地通貨 (local_currency__sys
) フィールドを自動的に追加します。ユーザがオブジェクトレコードを作成または更新すると、そのレコードの通貨フィールドに特定の通貨を適用することを選択できます。選択しない場合、Vault はユーザの優先通貨 (preferred_currency__sys
) 設定を上に示す通りに自動適用します。ユーザの設定が空白の場合、Vault は特定の Vault の企業通貨を下に示す通りに自動適用します。
企業フィールドの自動命名
企業通貨フィールドの命名時に、Vault はフィールド名の接尾辞の前に _corp
を付けます。企業通貨フィールドは、常に __sys
接尾辞を使用します。
例えば、管理者が amount__c
フィールドを作成する際に、Vault は amount_corp__sys
と呼ばれる対応するフィールドを自動的に作成します。
企業通貨フィールドの入力
Vault は、現地通貨 (local_currency__sys
) として選択された通貨レコードに割り当てられたレートを使用し、企業通貨フィールドを自動的に計算します。ユーザは、企業通貨フィールド値を直接編集できません。
Vault は、現地通貨フィールドが入力されたり、フィールド値が編集されたりすると、必ず関連する企業通貨フィールドに入力しますが、以下の場合は、企業通貨フィールドを更新しません:
- 管理者が Vault の企業通貨設定を変更した場合。
- 管理者がレコードによって使用される現地通貨のレート設定を更新した場合。
その他の詳細
- Vault は、オブジェクトページレイアウトに企業通貨フィールドを自動的に追加しません。
- 企業通貨フィールドを無効にすると、関連する元のフィールドも無効に設定されます。
- 元の通貨フィールドを無効にすると、関連する企業フィールドも無効に設定されます。
企業通貨の設定
企業通貨設定では、組織が現地通貨を使用するすべてのレコードをひとつの通貨に変換するように設定できます。企業通貨設定は、通貨にまたがるロールアップの値を正規化し、様々なレポート作成機能に対応しています。
企業通貨の設定方法
デフォルトで、Vault の企業通貨は米ドルに設定されています。企業通貨を設定するには:
- 企業通貨として使用したい通貨レコードを探します。レコードを編集し、レートフィールドを「1.000000」に設定します。
- その他の通貨レコードごとに、為替相場のレートフィールドを企業通貨から現地通貨 (例: 0.860000) に更新します。
- 管理者 > 設定 > 全般設定に進み、企業通貨を設定します。レートフィールドが「1.000000」に設定されている通貨レコードのみが選択できます。
注: 企業通貨設定を更新しても、企業通貨フィールドの計算値は更新されません (上の企業通貨フィールドの入力を参照)。
通貨値のレポートでの利用
通貨フィールドを含むオブジェクトのレポートを作成する際には、以下を考慮する必要があります:
- 企業通貨フィールドでは、フィルタリング、グループ化、並び替えのほか、集計もサポートされています。
- レポートに現地通貨に対するフィルタが含まれている場合、またはレポート結果が現地通貨でグループ化されている場合、現地通貨フィールド (元の通貨フィールド) では、並び替えと集計しかサポートされません。フィルタリングは、レポートが現地通貨にもフィルタリングしている場合にのみ現地通貨フィールドに使用できます。
マイナスの通貨値について
Vault では、通貨フィールドのマイナス値は括弧内に表示されます。例えば、通貨フィールドの値が「-10,000 USD」である場合、通貨フィールド値は (USD10,000) と表示されます。マイナス (–) 記号を使用してマイナス値を入力することもできます。