注: 19R2 では、Vault FTP インフラストラクチャが AWS™ の利点を生かして強化され、拡張性が高まり、将来にわたって使い続けることができるようにアップグレードされました。この変更の一環として、FTP サーバのフォルダの名前を変更したり削除したりすることができなくなります。詳しくは、開発者ポータルの高拡張性 FTPをご覧ください。20R3 より、Vault REST API を使用して Vault のステージングサーバのファイルを管理できます。詳細は、開発者ポータルのファイルステージング API を参照してください。
お使いのドメインにある Vault ごとに独自の FTP ステージングサーバがあり、それが、Vault ローダや未分類ドキュメントの作成といったさまざまな機能をサポートしています。ファイルステージングサーバは、Vault へアップロードするファイルまたは Vault から抽出するファイル用の一時的なストレージ領域です。例えば、Vault ローダを使用して新規ドキュメントを作成する際に、CSV を読み込む前にソースファイルをファイルステージングサーバにアップロードします。そうすると、CSV はファイルステージングサーバ上のソースファイルの場所を参照します。
Vault をリフレッシュする場合、すべてのファイルがファイルステージングサーバから削除されます。
サーバ URL
各ステージングサーバの URL は、対応する Vault と同じです。例: veepharm.veevavault.com。
ファイルステージングサーバにアクセスする方法
ステージングサーバは、お気に入りの FTP クライアント、Vault REST API、またはコマンドラインからアクセスできます。詳細は、開発者ポータルのファイルステージング API を参照してください。
注: FTP から大容量ファイルをアップロードする際に問題が発生した場合、FTP クライアントタイムアウト設定を 180 秒に増やしてください。プロキシまたはファイアウォールで有効化されている検証を削除した場合、ネットワーク上のコンピュータから Veeva ファイルステージングサーバへの FTP トラフィックが拒否される場合があります。リモート検証を無効化する際には IT 部門にご相談ください。無効化できない場合、Veeva サポートにお問合せください。
以下の設定を FTP クライアントに使用する:
- プロトコル: FTP (ファイル転送プロトコル)
- 暗号化: TLS に対して明示的な FTP を必要とします (FTPS)。これはセキュリティ要件です。お使いのネットワークインフラストラクチャが FTPS トラフィックをサポートしている必要があります。
- ポート: 通常は追加する必要はなく、Port 21 にデフォルト設定されます。
- ホスト: {DNS}.veevavault.com。例: “veepharm” は veepharm.veevavault.com の DNS です。
- タイムアウト: 大容量ファイルをアップロードする場合には 180 秒。
- ユーザ: {DNS}.veevavault.com+{USERNAME}。これはログインしたユーザ名と同じものを使用します。例:
veepharm.veevavault.com+tchung@veepharm.com
。 - パスワード: この Vault にログインするためのパスワード。これは、標準ログインに使用されているのと同じパスワードです。有効なセッション ID を使用することもできます。
- ログインタイプ: 通常
- ファイルの転送タイプ: バイナリとしてファイルを転送
FTP 制限
以下の制限は FTP 経由でのファイルアップロードに影響します。
- ファイル名は、ファイル拡張子を含め 218 バイトを超えることはできません。1 文字が必ずしも 1 バイトになるとは限りませんので注意してください。例えば「菌」は 3 バイトです。
- 完全フォルダパスは 955 バイトを超えることはできません。
ステージングサーバ権限
ステージングサーバからファイルをダウンロードするには、ユーザは標準 Vault 所有者またはシステム管理者セキュリティプロファイルを有しているか、ファイルステージング: アクセスおよび API: アクセス API 権限を含むカスタムセキュリティプロファイルを有している必要があります。
ステージングサーバは SAML SSO 認証をサポートしていません。
ファイルをステージングサーバのルートフォルダにアップロードするには、ユーザは標準 Vault 所有者またはシステム管理者セキュリティプロファイルを有している必要があります。ファイルステージング: アクセス権限を有するユーザは、ファイルを個人フォルダにアップロードすることができます。
ステージングサーバのユーザの個人フォルダにあるファイルを参照する際には、ファイルパスにユーザディレクトリを含める必要があります。例えば、Clara は Vault 所有者でもシステム管理者でもありません。Clara は Vault1234/u5678 にのみ直接ファイルをアップロードすることができます。この場合、1234 は Clara の Vault ID で 5678 はユーザ ID です。また Clara は、/u5678/uploads のようにユーザディレクトリの内部に新しいディレクトリを作成することもできます。
Vault ローダの詳細
Vault ローダコマンドラインツールを使用して、Vault のファイルステージングサーバにあるファイルおよびフォルダを表示・管理することができます。詳細は、Vault ローダファイルステージングコマンドラインツール参照をご覧ください。
Vault Loader でステージングサーバのファイルを使用するのに、ユーザはステージングサーバにアクセスする必要はありません。例えば、ファイルステージングサーバのアクセス権限のあるユーザはファイルをアップロードすることができ、アクセス権限のない別のユーザはステージングサーバのファイルを参照するドキュメントを Vault ローダで作成することができます。
インボックス詳細
注: 20R3 より、Vault は、FTP のインボックスディレクトリににソースファイルなしで配置されている大容量アセットレンディションに対して dummy.txt ファイルを自動で作成しなくなります。詳細はレンディションのアップロードおよびドキュメントの作成を参照してください。
Vault のファイルステージングサーバのインボックスディレクトリにファイルをアップロードすることで、アップロード済ドキュメントを作成できます。ステージング済みとは、ドキュメントタイプ、ライフサイクル、ライフサイクル状態の名前です。アップロード済ドキュメントは未分類となります。アクセス権限のあるユーザは、他の未分類のドキュメントと同様に、これらのドキュメントを分類することができます。ただし、ステージング済みドキュメントは未分類ライフサイクルを使用せず、異なるロールやアクセスコントロール設定を有する場合があります。
ファイルステージングサーバのインボックスはすべての Vault 内で自動的に利用可能になります。この機能を使用する前に、管理者は以下を行うことが推奨されます:
- ステージング済みドキュメントライフサイクル内の編集者ロールにデフォルトユーザを追加する
- ステージング済みドキュメントライフサイクル内の編集者ロールを修正し、ドキュメント作成中のデフォルトユーザを割り当てる (以下のときにデフォルトユーザを追加する設定を使用)。
- 任意の作業: この機能が使用する通知メッセージテンプレートを編集します。
メッセージテンプレート
- バインダーまたはプレースホルダーに LSA をアップロードできません (
ftp_inbox_attach_to_unsupported_document__v
): Vault は、レンディションのターゲットドキュメントがバインダーまたはプレースホルダーの場合にこのエラーメッセージを使用します。 - 大容量アセットが添付されています (
ftp_inbox_lsa_uploaded_to_exsting_doc__v
): このシステムメッセージは、既存のドキュメントに大容量アセットレンディションをアップロードしたユーザに送信されます。 - 動画に表示可能レンディションを添付できません (
ftp_inbox_attach_viewable_rendition_to_video__v
): Vault は、アップロードされた表示可能レンディションファイルのターゲットドキュメントが動画の場合にこのエラーメッセージを使用します。 - 最大ファイルサイズを超えています (
ftp_upload_too_large__v
): Vault は、ファイルサイズが上限を超える場合にこのエラーメッセージを使用します。このエラーメッセージはファイルステージングサーバインボックス固有のものではありません。 - 不明なレンディションタイプ (
ftp_inbox_missing_rendition_type__v
): Vault は、アップロードするユーザがレンディションタイプを指定しないまたは無効なレンディションタイプを指定する場合に、このエラーメッセージを使用します。 - 適切な権限がありません (
ftp_inbox_no_appropriate_rendition_permission__v
): Vault は、アップロードするユーザが、必要な権限を持たないドキュメントを更新しようとした場合にこのエラーメッセージを使用します。 - ターゲットドキュメントが見つかりません (
ftp_inbox_target_document_notFound__v
): このエラーメッセージは、存在しないドキュメント ID をファイル名がターゲットにする場合に使用されます。場合によっては、ID は有効であるものの、アップロードするユーザにターゲットドキュメントに対するドキュメントの表示アクセス権限がない場合があります。
治験 FTP Loader (クリニカルオペレーションのみ)
Clinical Operations Vault では、Vault の FTP サーバを使用してオブジェクトレコードデータを Vault に読み込むことができます。詳しくは、FTP 経由でのレコードの作成および更新をご覧ください。