Vault 内の各ドキュメントにはライフサイクルがあります。このライフサイクルで、下書きからレビュー、承認そして結果としての置換やアーカイブにいたるまでのドキュメントの移動として、動作が管理されます。ライフサイクルは、ビジネスロジックと関連ワークフローがある一つまたは複数の状態で構成されます。これまで、ビジネスロジックの構成にはカスタムコーディングや手間のかかる手作業のプロセスが必要でしたが、Vault のライフサイクルでは、ビジネスプロセスの変更に応じて簡単に更新できるポイント・アンド・クリック型の一連の管理スクリーンで、ビジネスロジックを構成できます。

ライフサイクルへのアクセス

ライフサイクルは、管理者 > 設定 > ドキュメントライフサイクルで閲覧・編集できます。ライフサイクルの作成および編集には、セキュリティプロファイル経由で正しい管理者権限を有しておく必要があります。

ライフサイクルページには、現在システムにあるすべてのライフサイクルが一覧表示されます。作成をクリックして新規ライフサイクルを作成するか、ライフサイクル名をクリックして既存のライフサイクルを編集できます。

無効および有効ステータスについて

ライフサイクル状態、ワークフローおよびライフサイクル自体に、有効または無効を示すステータスフラグがあります。ユーザに表示する前に、このフラグでライフサイクルのすべてのアーチファクトを構築できます。有効ライフサイクルに変更を加えると、ただちにすべてのユーザに反映されます。そのため、本番システムへの変更は慎重に行うことが重要です。同様に設定したテスト用 Vault で変更を完全にテストし、本番 Vault 内の無効に設定したライフサイクルのコピーに変更を加え、その上で有効ライフサイクルと無効ライフサイクルを同時に切り替えることを推奨します。

ライフサイクルオプション

ライフサイクルオプションと設定は、ライフサイクル詳細ページで各タブに分かれています。

詳細
ライフサイクル自体の基本設定を変更します。詳細は以下を参照してください。
状態
ライフサイクル内のすべてのライフサイクル状態を表示し変更します。
イベントアクション
ユーザがドキュメントの作成、ドキュメントのコピー、既存のドキュメントの新しい下書きの作成を行ったときに自動的に行われる設定アクション
ワークフロー
ライフサイクルのワークフローを設定します。
ロール
ライフサイクル内で有効なすべてのユーザロール (標準およびカスタム) を表示し変更します。
有効期限
ライフサイクルのドキュメント有効期限ルールを定義します。
電子署名ページ
Vault がダウンロード済みレンディションに添付する署名ページのテンプレートを選択します。

ライフサイクル詳細タブ

詳細タブには、すべての状態でライフサイクル自体に適用される情報が一覧表示されます。

ライフサイクル名
ライフサイクルの固有名。ドキュメントに適用するライフサイクルをエンドユーザが選択すると、表示されます。
説明
ライフサイクルについての説明またはコメント。この管理者セクションでのみ使用され、エンドユーザには表示されません。
ステータス
無効または有効。有効なライフサイクルのみ、Vault 内のドキュメントに割り当てることができます。すべてのライフサイクルは、始めは無効の状態で作成されます。すべてのライフサイクルの状態が作成・有効化され、少なくとも一つのドキュメントタイプが割り当てられた場合のみ、有効の状態にすることができます。
ドキュメントタイプ
一つまたは複数のドキュメントタイプ、サブタイプまたは分類が、特定のライフサイクルに関連付けられます (この関連付けはドキュメントタイプ設定で発生します)。この関係により、ユーザが新規ドキュメントを作成した時に利用可能なライフサイクルが決まります。すべてのドキュメントタイプには、少なくとも一つのライフサイクルを割り当てる必要があります。ライフサイクルを有効にする前に、このフィールドを入力する必要があります。
状態タイプ
状態タイプは、設定済みのライフサイクル状態にリンクされている、一般化された状態です。リンクされた状態では特別な動作が実行されます。例えば、Vault はライフサイクルの固定状態にあるドキュメントの削除をユーザに許可しません。状態タイプについてご確認ください。
署名ページテンプレート
Vault がダウンロード済みレンディションに添付する署名ページのテンプレート