Vault は複数の方法で予定状態のドキュメントを作成できますが、最も頻度が多いのはドキュメントを含むテンプレートからバインダーを作成する場合です。Vault は、ライフサイクルの開始状態ではなく、予定ライフサイクル状態にこれらのドキュメントを自動的に割り当てます。予定ドキュメントは、二つの点で他のドキュメントとは異なります。ソースファイルがないことと、必須フィールドを必ずしも入力する必要がないことです。
Vault の設定によって、特定のドキュメントがライフサイクルの開始状態ではなく、予定状態で開始する場合があります。
利用可能なユーザアクション
他の状態のドキュメントで使用できるほとんどのアクションは、予定状態のドキュメントでも使用できます。管理者は、予定ライフサイクル状態のユーザアクションを設定して、他の状態と同様に、ワークフローの開始、または新規状態へのドキュメントの移動を行うことができます。以下のアクションが使用可能です:
- ドキュメントフィールドの編集
- 共有設定の編集
- コピーの作成
- レンディションの削除
- 監査証跡の閲覧
- 使用箇所ビューへのアクセス
- ソースファイルのダウンロード
- コーディネータの変更
- ドキュメントの削除
一部のアクション (ほとんどがソースファイルに関連するもの) は予定状態ドキュメントでは使用できません:
- チェックアウト
- チェックイン
- 新バージョンのアップロード
- 下書きの作成
- 共同編集による編集
- ドキュメントの再レンディション
- 再分類
- 注釈する
ドキュメントロール権限に関連づけられた予定状態
正しいドキュメントロール権限を持っているかどうかにかかわらず、一部のアクションは予定状態のドキュメントでは使用できないことにご注意ください。使用できないアクションは次の通りです:
アクション | ドキュメントロール権限 |
| バージョン |
| 注釈 |
| ドキュメントの編集 |
| 表示可能なレンディションの管理 |
| 再分類 |
| 所有者の変更 |
必須のフィールド
予定状態は、ドキュメントタイプに通常必要とされるフィールドに対して特殊な動作をします。Vault が、バインダー作成中に予定状態のドキュメントを自動的に作成する際に、必須フィールドはありません。
しかし、予定状態のドキュメントを 1 つ作成する場合、または既存のドキュメントのフィールドを編集する場合は、Vault は次のルールを使用します:
- ドキュメントタイプの設定によってフィールドが必須の場合は、それをスキップすることができる。
- フィールド依存性ルールによってフィールドが必須の場合は、値を入力する必要がある。
各必須フィールドにどのルールが適用されるかを知っておく必要はありません。Vault は、保存する前に予定ドキュメントの必須フィールドが入力されていることを確認します。
バインダードキュメントの自動入力されたフィールド
バインダーテンプレートから作成された予定ドキュメントは、バインダーの特定のドキュメントフィールドの値を自動的に継承します。例えば、バインダーに治験 CC-938、製品 CholeCap、レビュー日 (カスタムフィールド) 3/1/2015 がある場合、予定コンポーネントドキュメントの治験、製品およびレビュー日のフィールドも同じ値となります。
以下の場合フィールドが自動入力されます:
- フィールドが標準のオブジェクトタイプフィールドまたはカスタムフィールドである場合。
- フィールドがバインダーとドキュメントの両方のドキュメントタイプに適用される場合。
- フィールドがバインダーで空白でない場合。
フィールド設定にデフォルトの値が含まれる場合、Vault はデフォルトの値ではなくバインダーの値を使用します。
開始状態への移行
予定から別の状態に変更するには、アクションメニューからアクセスできる 1 つまたは複数のユーザアクションを管理者が設定する必要があります。メニューの用語は、Vault の設定によって異なります。
予定状態からドキュメントを移動する際、そのドキュメントは新規状態のエントリ条件 (必須フィールド等) を満たす必要があります。満たしていない場合は、満たすように Vault がメッセージを表示します。
予定ドキュメントの削除
予定状態の多くのドキュメントが少なくとも 1 つのバインダーに属しています。これらのドキュメントを削除するには、ドキュメントを含むすべてのバインダーに対するドキュメントの編集権限を持っている必要があります。