差し込みフィールドを使用する際に、複数選択オブジェクト参照フィールドのトークンに WHERE 句または ORDER BY 句を含めて、Vault が複数のデータ値をフィルタリングできるようにします。WHERE 句と ORDER BY 句は VQL タイプの式をサポートします。VQL 式の作成に関する詳細は、開発者ポータルでを参照してください。

トークン構文

レコードのフィルタリングまたは並び替えを使用するには、複数選択オブジェクト参照フィールドトークンを使用して、WHEREORDER BY、または両方の VQL タイプ式をセミコロンで区切って終わりに付けます。トークンはこのパターンに従います:

WHERE トークン

${vault:relationshipname__vr.relationshipname__vr.fieldname__v;WHERE VQL_Expression}

例:

${vault:document_quality_event__cr.findings__cr.name__v;WHERE findings__cr.criticality__c = ‘高’}

は、重要度の値を使用して、品質イベント,に関連した所見のフィルタリング済みリストを返します。

WHERE 句を使用すると、Vault は、ドキュメントフィールドに指定されたルートオブジェクトの 1 つまたは複数の関連オブジェクト全体をフィルタリングすることができます。このオブジェクトは、トークンに一覧表示された最初のオブジェクトです。ユーザは最大 5 つの関係を持つトークンを作成できます。WHERE 句のすべては 1 つのオブジェクトを参照する必要があります。上の例では、品質イベントがルートオブジェクトで、所見が関連オブジェクトです。

ORDER BY トークン

任意の作業として、ASC または DESC の VQL 演算子を使用して、トークンが返す値を並べ替えるために、ORDER BY 句を使用することができます。句に昇順の ASC または降順の DESC を付加します。句に ASC または DESC 演算子を付加しない場合、デフォルトのソート順序は昇順です。トークンに返されたデータ、または表内に返されたデータフィールドでのみ並べ替えることができます。

また、Vault が表示されたフィールドを並び替えることができるように、複数選択オブジェクト参照フィールドのトークンに ORDER BY 句を含めることもできます。

例:

${vault:document_quality_event__cr.lead_auditors__cr.name__v;ORDER BY lead_auditors.name__v ASC}

は、品質イベントに関連する主任監査人の、名前のアルファベットの昇順で並び替えられたリストを返します。

制限

差し込みフィールド付きの WHERE 句は以下の制限の影響を受けます:

  • ルートオブジェクトをフィルタリングできません。
  • 送信関係を持つオブジェクトしかフィルタリングできません。

ORDER BY 句が WHERE 句と併用される場合、同じ制限が適用されます。

レコードのフィルタリング

WHERE 句を使用すると、Vault は複数のデータ値をフィルタリングすることができます。WHERE 句は、複数の条件に対応することができます。例えば、ステータス現在で、署名タイプ最終承認署名のフィルタリングなおです。

WHERE 句には次の標準 VQL 演算子を使用することができます:

  • =
  • !=
  • <
  • >
  • <=
  • >=
  • AND
  • OR
  • CONTAINS
  • BETWEEN {} AND {}
  • LIKE {}

Vault では、差し込みフィールドの句に IN 演算子はサポートされていません。

リッチテキストを使用したフィルタリングおよび並び替え

Microsoft Word™ ファイルのリッチテキストフィールドをマージする際、リッチテキスト書式設定を使用してトークンが解決および表示されるよう、リッチテキストトークン構文を適切に使用する必要があります。

レコードフィルタリングを使用するには、トークンは次のパターンに従う必要があります。

${vault:relationshipname__vr.relatedobject__vr.rich_text_fieldname__v;WHERE relatedobject__vr.fieldname__v = ‘Value’;richtext}

レコード並び替えを使用するには、トークンは次のパターンに従う必要があります。

${vault:relationshipname__vr.relatedobject__vr.rich_text_fieldname__v;ORDER BY relatedobject__vr.fieldname__v;richtext}

Vault はリッチテキストフィールド以外のリッチテキストトークン構文をプレーンテキストとして解決します。

表を使用したフィルタリングおよび並び替え

Vault では、表内で WHERE 句と ORDER BY 句付きのトークンがサポートされます。

所見重要度カテゴリサブカテゴリ
${vault:document_quality_event__cr.findings__crname__v;WHERE findings__cr.criticality__c = ‘Major’ ORDER BY findings__cr.criticality__c DESC}${vault:document_quality_event__cr.findings__cr.criticality__c}${vault:document_quality_event__cr.findings__cr.finding_category__c}${vault:document_quality_event__cr.findings__cr.finding_subcategory__c}

表に、関連付けられていない 2 つの複数の値があるオブジェクト参照フィールド、または WHERE 句を含むトークンの行がある場合、Vault は最初のフィールドを行として入力しますが、続くフィールドはリストとして入力します。

差し込みフィールドは最大 3 レベルのネスト化された表で WHERE および ORDER BY トークンもサポートします。

名前ステータス
${vault:document_product__vr.name__v; ORDER BY product_vr.status__v DESC}${vault:document_product__vr.status__v}${vault:document_country__vr.abbreviation__vs; ORDER BY country__vr.abbreviation__vs}${vault:document_country__vr.name__v}
名前ステータス
WonderDrug有効US米国
Nyaxa有効CAカナダ
US米国
Cholecap有効AUオーストラリア
CAカナダ
US米国

複数列の表の並び替え

Vault は、最大 3 列まで表の複数列の並べ替えもサポートしています。複数列を並べ替えするには、ORDER BY または WHERE 句を使用してトークンを表の最初の列に追加します。句は、最大 3 フィールドまで VQL ステートメントの並べ替えをサポートしています。Vault は、トークンで指定された順番に基づきフィールドを並べ替えます。

表の複数列を並べ替えするには、トークンは以下のようになります。

${vault:document_relationshipname__vr.objectname__vr.fieldname__v;ORDER BY objectname__vr.fieldname__v ASC|DESC, objectname__vr.fieldname2__v ASC|DESC, objectname__vr.fieldname3__v ASC|DESC}

例:

都道府県市区郡
${vault:document_city__cr.province__cr.country__cr.name__v;WHERE country__cr.name__v=‘Canada’ OR country__cr.name__v=’United States’ ORDER BY country__cr.name__v ASC, province__cr.name__v DESC, city__cr.name__v}${vault:document_city__cr.province__cr.name__v}${vault:document_city__cr.name__v}
都道府県市区郡
カナダケベック州モントリオール
カナダオンタリオ州トロント
カナダノバスコシアハリファックス
米国ニューヨーク州バッファロー
米国ニューヨーク州ニューヨーク州
米国カリフォルニア州ロサンゼルス
米国カリフォルニア州プレザントン
米国カリフォルニア州サンディエゴ

バーコードを使用したフィルタリング

WHERE 句付きのトークンにバーコードを適用する際に、Vault はフィルタリング済みの結果を使用してバーコードを作成します。トークンにバーコードを追加するには、WHERE 句の後にバーコードの部分をセミコロンで区切って付けます。

例:

${vault:document_quality_event__cr.findings__cr.name__v;WHERE findings__cr.criticality__c = ‘高’;barcode}

サンプル設定

共同監査人

レポートの作成時に、ソースドキュメントには主任監査人と共同監査人を特定するトークンが含まれます:

主任監査人: ${vault:document_quality_event__cr.lead_auditor__c}

共同監査人: ${vault:document_quality_event__cr.audit_team__cr.team_member__c}

ただし、チームメンバーオブジェクトにはすべてのタイプのユーザが含まれ、生成されたレンディションには共同監査人とオブザーバーの両方が一覧表示されますが、共同監査人は論理的な順序で一覧表示されません:

主任監査人: Teresa Ibanez

共同監査人:

  • オブザーバー: Gladys Dunford
  • 共同監査人: Thomas Chung
  • 共同監査人: Cody Brandon

トークンに WHERE 句を使用すると、レンディションが共同監査人のリストにオブザーバーを含めないようにチームメンバータイプごとにフィルタリングでき、また ORDER BY 句を使用するとアルファベット順で表示することができます。

共同監査人: ${vault:document_quality_event__cr.audit_team__cr.team_member__c;WHERE audit_team__cr.team_member_type__c = ‘Co-Auditor’ ORDER BY audit_team__cr.team_member__c ASC}

更新された生成済みのレンディションは次のように一覧表示されます:

主任監査人: Teresa Ibanez

共同監査人:

  • 共同監査人: Cody Brandon
  • 共同監査人: Thomas Chung