治験、製品などが訴訟に発展した場合、関連ドキュメントの変更を保存または監査する必要が生じることがあります。ユーザは、そのようなドキュメントをリーガルホールドオブジェクトレコードに関連づけることで「リーガルホールド」を適用できます。ドキュメントがリーガルホールドの下にあるとき、Vault はそのドキュメントを保持しますが、ビジネスプロセスは引き続き実行できます。
この機能により Vaulで以下の作業を実行できます:
- リーガルホールドオブジェクトレコードを作成して、ライフサイクルでオブジェクトレコードを管理する。
- リーガルホールドオブジェクトのフィールドを使用して、リーガルホールドの範囲を定義する。例えば、製品が CholeCap を含み、国が米国を含むすべてのドキュメントなど。
- 自動または手動で、リーガルホールド範囲に当てはまるドキュメントに承認済みリーガルホールドを適用する。
- 削除を阻止することでリーガルホールドの下のドキュメントを保持し、同時にドキュメントがそのライフサイクルで継続されるようにする。
- リーガルホールドに関連するドキュメント監査証跡を簡単にエクスポートする。
リーガルホールド下のドキュメント
リーガルホールドが適用されると、Vault は以下の処理を実行します:
- 定義された範囲内のすべてのドキュメントを保持する。保持されたドキュメントの制限が対象。
- 範囲内の将来のドキュメントも確実に保持されるようにする。
- バージョニングの継続、ドキュメントフィールド値の変更、ワークフロー活動、およびライフサイクルの変更を許可する。Vault は、ドキュメントの監査履歴のすべてのアクティビティを管理します。
保持されたドキュメントの制限
ドキュメントがリーガルホールドの下にあるとき、システムはいくつかのアクションを禁止します:
- ユーザは、リーガルホールドの適用後に作成されたバージョンを含め、ドキュメントのどのバージョンも削除できません。関連するリーガルホールドが解除ステータスにある場合、パワー削除権限を持つユーザを除き、リーガルホールド中のドキュメントのすべてのアクションメニューで削除を使用することはできません。
- ユーザは、保持されたバージョンのコンテンツを変更できません。
- ユーザは、既存の注釈を編集または削除できません。
- ユーザはレンディションを削除できません。
- ユーザは、ドキュメントを再分類できません。
- 状態のエントリアクションがドキュメントのマイナーバージョンを自動的に削除するライフサイクルでは、状態の変更は進みますが、Vault はそのドキュメントバージョンを削除しません。
構成要素
リーガルホールドは、個々のリーガルホールドの範囲を確定するための固有フィールドを含めるように管理者がカスタマイズできる、標準オブジェクトです。Vault は、オブジェクトレコードのこれらのフィールドと値を使用して、リーガルホールドの範囲に当てはまる一致するドキュメントを探します。新しい各リーガルホールドに対して、リーガルユーザは新しいリーガルホールドオブジェクトレコードを作成し、承認と適用のために標準のオブジェクトライフサイクルを開始する必要があります。
リーガルホールドオブジェクトライフサイクル
Vault には、リーガルホールドの標準オブジェクトライフサイクルがあります。管理者はこのライフサイクルをカスタマイズできますが、承認済み、解除および無効の状態を含める必要があります。
リーガルホールドレコードが、承認済みおよび解除以外の状態である場合:
- ユーザおよび Vault は、リーガルホールドにドキュメントを追加したり、削除できません。
リーガルホールドレコードが承認済み状態である場合:
- ユーザおよび Vault は、リーガルホールドにドキュメントを追加できます。
- ユーザおよび Vault は、リーガルホールドからドキュメントを削除できます。
- ユーザおよび Vault は、リーガルホールドの範囲を変更できません。
リーガルホールドレコードが解除済み状態である場合:
- ユーザおよび Vault は、リーガルホールドの範囲を変更できません。
- ユーザおよび Vault は、リーガルホールドにドキュメントを追加したり、削除できません。
- ドキュメントを削除できるのは、パワー削除権限を持つユーザのみです。
注: 解除されたリーガルホールドに属するドキュメントが削除されると、Vault は関連するリーガルホールド項目のドキュメント名フィールドとドキュメントバージョンフィールドに自動的に入力します。
リーガルホールド監査
ドキュメント監査
リーガルホールドオブジェクトレコードのすべてのアクションメニューから、関連ドキュメントの監査履歴表示を選択します。このアクションは、以下の状況のドキュメントアクションのみを表示するように事前にフィルタリングされた標準のドキュメント監査履歴を提示します:
- リーガルホールドに関連するドキュメントに発生
- リーガルホールドがドキュメントに適用された後で発生
オブジェクトレコード監査
Vault は、リーガルホールドに関連する以下のアクションに対して、オブジェクトレコード監査履歴に監査エントリを作成します:
- リーガルホールドのユニバーサルアプライ
- リーガルホールドライフサイクル状態の変更
- リーガルホールドにドキュメントを追加
- リーガルホールドからドキュメントを削除
- リーガルホールドにドキュメントを一括追加
- リーガルホールドからドキュメントを一括削除
関連権限
タイプ | 権限ラベル | 制御 |
セキュリティプロファイル | オブジェクト: リーガルホールド | リーガルホールドオブジェクトのレコードを読み取り、作成、編集、および削除する権限。 |
セキュリティプロファイル | アプリケーション: リーガルホールド: 適用 | リーガルホールドの適用権限。 |
セキュリティプロファイル | アプリケーション: リーガルホールド: 削除 | リーガルホールドの削除権限。 |
ドキュメントロール | ドキュメントの表示 | ドキュメントを表示する権限。ドキュメントのリーガルホールドを適用または削除するには、この権限を持っている必要があります。 |