フィルタはレポートの範囲を絞り込みます。フィルタには 2 種類あります: 標準フィルタとランタイムフィルタ。ほとんどのドキュメントとオブジェクトのフィールドは、フィルタとして利用可能です。複数のレポートオブジェクトを持つレポートでは、関係制限フィルタも許可されます。
レポートの詳細はレポートの作成でご確認ください。
フィルタ
標準フィルタは、レポートビルダーで作成・適用するものです。ランタイムでは、Vault は単純に条件に基づいてフィルタリングします。一部の標準フィルタはランタイムトークンを使用します。例えば、レポートは承認者が「現在のユーザ」に等しいドキュメントをフィルタリングすることができます。
フィルタを追加する方法
フィルタをレポートに追加するには:
- レポートビルダーのフィルタセクションで、ドロップダウンからフィールドを選択します。
- 必要に応じて、演算子およびフィールド値を選択します。電卓アイコンをクリックして数式エディタを開き、フィルタの数式を入力するか、リストから数式を作成するオプションを選択することができます。複数選択可の選択リストでフィルタリングする場合は、演算子を参照してください。
- 右側のプラス (+) アイコンをクリックしてさらにフィルタを追加します。マイナス (-) アイコンをクリックすると、フィルタを削除できます。
複数選択のオブジェクトタイプフィールドにフィルタを追加している場合、演算子の情報について以下を参照してください。これらのフィルタの 1 つに最大 100 の値を使用できます。
高度なロジック
高度なロジックを使用すると、フィルタをグループ化して AND または OR 演算子の間に追加できます。
2 つの有効なフィルタまたはプロンプトを追加している場合、高度なロジックの追加がフィルタの下に表示されます。高度なロジックの追加をクリックして、フィルタの隣にある数字を使用して数式を編集します。検証ボタンは構文をチェックします。
AND 演算子はデフォルトでは OR 演算子より前に評価されるため、丸括弧を使用して先に評価するロジックを決定することができます。
注: 高度なロジックの編集中、フィルタはロックされます。フィルタを変更または削除するには、高度なロジックを削除してください。
制限
高度なロジックには以下の制限が適用されます。
- コネクタ OR は、異なるオブジェクトのフィールド間には使用できません。
- 一部のフィルタは高度なロジックに適していないため、対応する番号がありません。このようなフィルタにはロール (承認者、所有者など)、数式フィールド、関係制限が含まれます。
- 高度なロジックを使用するレポートは、レポートリストページからエクスポートできません。しかしながら、レポートが開いている間はエクスポートが可能です。
- ダッシュボードプレビューは高度なロジックがあるレポートには使用できません。
以下のレポートタイプは高度なロジックをサポートしてません。
- ワークフロー
- マルチパス
- ドキュメント関係
- バインダー
- R&U
ランタイムフィルタプロンプト
ランタイムフィルタは、フィルタ条件を入力するよう促すメッセージをレポート閲覧者に表示します。他のフィルタとほぼ同じ方法でこれらのフィルタを作成しますが、フィールド値を選択する最終手順はスキップして、プロンプトチェックボックスを選択します。
例えば、作成日が範囲内であるというフィルタプロンプト付きのレポートを作成するとします。レポート閲覧者は、ランタイムでフィルタの実際の日付範囲を選択します。
任意のプロンプト
任意のチェックボックスを選択すると、レポート閲覧者がフィルタープロンプトをスキップできます。実行時に、ユーザはスキップチェックボックスを選択することで、フィルタープロンプトをスキップすることができます。Vault はスキップされたフィルタープロンプトを「すべて」として処理し、フィールド上にフィルターを適用しません。れぽれぽと閲覧者はフィルタープロンプトを空白のままにし、空白・Null値をフィルタリングすることができます。
たとえば、オプションのフィルタープロンプトサブタイプを入力し、フィルタープロンプトの作成日が歯に内にあるレポートを作成するとします。レポート閲覧者は、プロンプトでサブタイプをスキップすることはできますが、作成日プロンプトで値を選択する必要があります。
フィルタエイリアス
フィルタエイリアスを使用すると、フィルタのラベル名を変更してレポートビューアのさまざまなラベル、エクスポートしたレポート結果、およびダッシュボードを表示できます。
管理者は、一括翻訳のエクスポートおよびインポートを使用してエイリアスをローカライズできます。
フィルタエイリアスを追加する方法
フィルタエイリアスを設定するには:
- 詳細オプションでフィルタと列のエイリアスを有効化するチェックボックスを設定します。
- フィルタセクションでフィルタエイリアスの追加リンクをクリックします。
- エイリアスを入力します。トークン {#####} はフィルタ条件の値を表します。例えば、作成日は「2010 年 1 月 1 日」以前の日付などです。
- OK をクリックします。
フィルタエイリアスを編集する方法
フィルタエイリアスを変更または削除するには、編集リンクをクリックします。
ランタイムトークン
ランタイムフィールド値トークンとは、レポートを実行中のユーザや、そのユーザの設定などの条件に基づいて Vault が動的に入力する値です。
値が特定のユーザであるフィールドの場合:
- 現在のユーザ: 現在ログインしてレポートを実行中のユーザ
以下の値を持つフィールドの場合
- 今年: 今年の暦年中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2014 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日となります。
- 前年: 前年の暦年中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2013 年 1 月 1 日~2013 年 12 月 31 日となります。
- 翌年: 翌年の暦年中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2015 年 1 月 1 日~2015 年 12 月 31 日となります。
- 今四半期: 今四半期中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2014 年 4 月 1 日~2014 年 6 月 30 日となります。
- 前四半期: 前四半期中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2014 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日となります。
- 翌四半期: 翌四半期中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2014 年 7 月 1 日~2014 年 9 月 30 日となります。
- 今月: 今月中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2014 年 5 月 1 日~2014 年 5 月 31 日です。
- 前月: 先月中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2014 年 4 月 1 日~2014 年 4 月 31 日です。
- 来月: 来月中の日付です。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 6/1/2014 - 6/30/2014 です。
- Today(): 現在の日時。Today() ランタイムトークンを使用するには、ユーザはカスタム期間条件を選択して、日付セレクタで Today() を選択します。例えば、今日が 2014 年 5 月 3 日である場合、フィルタ値は 2014 年 5 月 3 日です。
Clinical Operations アプリケーション Vault の治験フィールドの場合:
- 現在の治験: 治験セレクターで選択された治験
例
Gladys は、各ワークフローが完了するための平均所要日数を表示するレポートを設定しています。彼女は、ワークフロー所有者がレポートを実行中のユーザであるワークフローのみを表示ようにレポートにフィルタをかけます。
Teresa Ibanez がこのレポートを実行するとき、ワークフロー所有者フィルタが自動的に更新され、Thomason を表示します。
演算子
以下のセクションでは、フィルタ、プロンプト、および複数選択可の選択リストの演算子の動作を説明します。
含む
レポートフィルタおよびプロンプトの場合、返された結果にはフィールドがフィルタ値と部分的に一致するもののみが含まれています。Vault は自動的にワイルドカードをクエリの最初と終わりに適用します。フィルタ値は大文字と小文字が区別されます。
フィルタの例: 治験 > 治験名に Alpha を含む
- 一致: 治験名は Alpha Cholecap
- 一致: 治験名は 123-Alpha-Cholecap
- 一致なし: 治験名は ALPHA
以下の制限は含む演算子に適用されます。
- レポートビューでは、演算子を利用することはできません。
- 以下のフィールドでは、演算子によるフィルタリングはできません:
- 長文またはリッチテキストフィールド
- 式フィールドまたは条件フィールド
- 高容量オブジェクトの複数値の選択リストフィールド
- オブジェクト参照フィールド
- ユーザは、レポートごとに含む演算子を使用して 3 つのフィルタのみ定義できます。
- フィルタ値の長さは 3~50 文字にする必要があります。
等しい
複数選択可の選択リストの場合、返される結果にはすべてのフィルタ値がフィールドにあるもののみが含まれます。フィールドには、フィルタにないその他の値も含まれる場合があります。
フィルタの例: 承認者次と等しい Bruce Ashton、Tracy Lee
- マッチするケース: 承認者が Bruce Ashton、Tracy Lee
- マッチするケース: 承認者が Bruce Ashton、Tracy Lee、Robyn Newsome
- マッチしないケース: 承認者が Bruce Ashton
範囲内 (In)
複数選択可能な選択リストの場合、「in」演算子は少なくとも 1 つのフィルタ値を含む結果を返します。
フィルタの例: 承認者次を含む Bruce Ashton、Tracy Lee
- マッチするケース: 承認者が Bruce Ashton、Tracy Lee
- マッチするケース: 承認者が Bruce Ashton、Tracy Lee、Robyn Newsome
- マッチするケース: 承認者が Bruce Ashton
等しくない
複数選択可の選択リストでは、返された結果 (ドキュメント、タスクなど) には、フィールドがどのフィルタ値も含まないもののみが含まれます。
フィルタの例: 国がフィジーと等しくない、ニュージーランド
- マッチするケース: 国は米国
- マッチしないケース: 国はフィジー、米国
- マッチしないケース: 国はフィジー、ニュージーランド
- マッチしないケース: 国はフィジー
無効なおよび削除された選択リスト値
一部の Vault では、削除されたまたは無効な選択リスト値でフィルタリングすることができます。管理者がこの設定を有効化する必要があります。
関係制限フィルタ
デフォルトで、オブジェクトが複数あるレポートタイプ (ドキュメントが関連づけられた製品、施設および製品が関連づけられた治験など) は、レコードが関係のあるレコードとリンクされていなくても、プライマリレポートオブジェクトにすべての一致レコードを返します。例えば、ドキュメントが関連づけられた製品レポートなら、関連づけられたドキュメントがないものを含む製品のリストを返します。関係制限フィルタは、関連レコードが 1 つ以上あるレコードにレポート出力を制限します。例では、関連ドキュメントが 1 つ以上ある製品のみです。