レポートは、使用する Vault 内のドキュメント、ワークフローおよびオブジェクトレコードに関するビジネス上の重要な質問に回答するときに役立ちます。例えば、レポートを使うと以下を特定することができます:
- 期限切れタスクを持つユーザ
- Vault で通常 MLR レビュープロセスにかかる時間
- 1 つの治験における各施設のステータス
この記事では、指標または表レポートの作成方法について説明します。条件付きフィールドでフィルタリングまたはグループ化する詳細については、レポートフィルタの使用を参照してください。
レポートを作成するには
新規レポートを作成するには:
- レポートタブで、作成 > レポートの順にをクリックします。
- レポートの作成メニューから、レポートタイプを選択して、レポートに含める必要のあるデータの種類を示します。レポートタイプの詳細を確認します。
- 続行をクリックします。
- 任意の作業: レポートの名前および説明を入力します。この手順を省略しても、レポートの保存時にこれらの詳細を入力することができます。
- さまざまなレポートオプションを選択します。
- 続行をクリックしてレポートビルダーを開きます。表または指標のレポートについてレポートビルダーの詳細を確認します。
- 実行をクリックして結果を表示します。必要であれば、レポートビルダーに戻り、レポートの詳細を変更します。
- 問題がなければ保存をクリックします。
レポートが作成できたら共有またはエクスポートすることができます。
レポートの基本オプション
レポート作成の最初の画面で選択するオプションが、レポートに表示される結果とレポートの形式を制御します。
レポートタイプ
レポートタイプは、新規レポートの「レポートするオブジェクト」を決定します。例えば、「ドキュメント」はレポートがドキュメントのみを表示することを意味し、「キャンペーンが関連づけられた製品」はレポートが製品とキャンペーンのレコードを表示することを意味します。レポートタイプについて詳しくご確認ください。
ドキュメントタイプ
レポートの作成ページでドキュメントタイプを選択すると、以下が行えます:
- レポートのドキュメントを特定のドキュメントタイプ、サブタイプ、または分類のものに限定します。レポートビルダーにフィルタを作成することでも行うことができます。
- 列、フィルタなどとして選択できるドキュメントのフィールドを限定します。ドキュメントタイプが選択されていない場合、すべてのドキュメントフィールドが選択可能です。ドキュメントタイプを選択した場合、選択されたタイプおよびそのサブタイプまたは分類に対して定義したフィールドのみ使用できます。
以前のドキュメントバージョンを含める
デフォルトでは、ドキュメントの最新バージョンのみが含まれ、ドキュメントごとに 1 行のみです。以前のドキュメントバージョンを含めるチェックボックスを選択すると、ドキュメントの以前のドキュメントバージョンをすべて含めることができます。
クロスバージョンレポートには以下が含まれます:
- レポートのフィルタに一致し、アクセスできる各メジャーおよびマイナーバージョンの個別の行
- メジャーおよびマイナーバージョンの番号を組み合わせた、並べ替え可能でフィルタリング可能なバージョンの列 (0.1、0.2、1.0 など)
- 各ドキュメントバージョンの特別な状態 (固定、過去版など) を表示するフィルタリング可能な状態タイプフィールド
- ドキュメントバージョンがライフサイクルの固定状態であった初日と最終日を示すフィルタリング可能な固定状態開始フィールドと固定状態終了フィールド
このオプションは、ドキュメント、レンディション、ドキュメントが関連づけられた [オブジェクト] のレポートタイプで使用可能です。
レポートには、レポートビューアがアクセスできるドキュメントとバージョンしか表示されません。必要に応じて、最新バージョンですブーリアンフィールドを使用して、レポート内のドキュメントの最新バージョンと以前のバージョンを区別できます。
レポート形式
レポート形式は、レポートが表か指標かを決定します:
- 表レポートには、レポートの行に個別のレコードが表示され、ステータスや場所などの施設詳細を含めた治験ごとの施設の一覧といった列を多く含めることができます。
- 指標レポートは、列と行の両方に選択したフィールドの値をグループ化し、コーディネータとサブタイプ別の平均 MLR レビュー時間などの集計をセルに実行します。
ドキュメント範囲
Vault がドキュメントアーカイブ機能を使用する場合、ドキュメント範囲を選択することでアーカイブ済みドキュメントまたは有効なドキュメントのいずれかにレポートを選択することができます。このオプションは、セキュリティプロファイルにアーカイブの表示権限が含まれている場合にのみ表示されます。
ドキュメント範囲はドキュメントレポートタイプで使用可能です。
表レポート
表レポートの各行は個別のレポートを表します: ドキュメント、ドキュメントバージョン、治験、製品など。複数のレポートオブジェクトを持つレポートには、プライマリオブジェクト別にグループ化された行が表示されます。例えば、ドキュメントが関連づけられた製品レポートには、WonderDrug 製品の行、各 WonderDrug ドキュメントの行、CholeCap 製品の行・・・の順に表示されます。
列の追加
デフォルトで、新規レポートには各レポートオブジェクトの名前フィールドを表示する列が含まれます。列を追加して他のフィールドを表示させることができます。アクション列、カウント列、さまざまなワークフロー列またはタスク列など、一部特定のフィールドに関連しない列があります。
列を追加するには:
- 列の編集をクリックします。
- 表示する列の編集ダイアログでは、関連オブジェクト (製品、ドキュメントなど) に基づきグループ化され、色分けされています。
- 有効な列からフィールドを選択して、表示する列に移動します。ここで復元リンクをクリックすると、表示する列が最後に保存された値に戻ってしまうためご注意ください。
- 保存をクリックします。
行の文字数の制限
列の数に上限はありません。Vault では、1 行に最大 21,884 文字しか許可されていません。閲覧者がレポートを実行しようとしたときに次のエラーメッセージが表示される場合があります:「レポートの行の一部の合計文字数が最大文字数を超えています。一部の列を削除してから再度レポートを実行してください。」特定のフィールドタイプ (選択リスト、オブジェクト参照、および 作成者 や ワークフロー所有者などのユーザ参照) は大量の文字 ( 文字) を使用します。レポートを作成または編集する際は、これらのフィールド数に注意してください。10 以上のフィールドを含めるとエラーが発生する可能性があります。
列のエイリアスの設定
列のエイリアスを設定することで、レポートビューアとエクスポート済みレポート結果の列の名前を変更することができます。これは、レポート作成時に高度なオプションでフィルタと列のエイリアスを有効化しますを選択する場合にのみ利用可能です。
列のエイリアスを設定、削除、変更するには:
- 列の見出しの鉛筆アイコンをクリックします。
- エイリアスを入力します。クリアをクリックしてエイリアスを削除します。
- OK をクリックします。
管理者は、一括翻訳のエクスポートおよびインポートを使用して列のエイリアスをローカライズできます。
グループの追加
グループを使用して特定のフィールド別にドキュメントを整理します。例えば、ドキュメントのレポートを製品別にグループ化し、次にマーケティングキャンペーン別にドキュメントレポートをグループ化するといったように、2 つのレベルまでグループ化が可能です。
グループを追加するには:
- グループ行の基準のドロップダウンメニューをクリックしてフィールドを選択します。
- グループ化するフィールドをクリックし、別のグループフィールドを選択して 2 番目のグループを追加します。
- 保存をクリックします。
フィールドに関数を定義する
表レポートの行をグループ化する場合、テキスト、数値、および日付フィールドに複数の集計関数を追加できます。1つのフィールドにつき、1つの機能しか選択できません。Vault は、長いテキストフィールドやリッチテキストフィールドに対する集計関数をサポートしていません。
注: Vault は、レポートの最初の列に対する集計関数をサポートしていません。列を並べ替えるか、数式フィールドを使用して、最初の列に集計関数を適用することが推奨されます。
利用可能な集計関数は以下の通りです:
集計関数 | 定義 | メモ |
---|---|---|
リスト | グループ内のすべての行の値をデリミタとスペースで区切って連結したテキストを戻す | 最大1,024文字まで表示可能; テキストフィールドのみ有効 |
別個のリスト | グループ内のすべての行の値を、重複を除いて、デリミタとスペースで区切って連結したテキストを戻す | 最大1,024文字まで表示可能; テキストフィールドのみ有効 |
標準偏差 | 発現の母標準偏差を戻す | 数値型フィールドでのみ使用可能 |
標準偏差サンプル | 発現のサンプル標準偏差を戻す | 数値型フィールドでのみ使用可能 |
集計関数を追加するために、レポートエディタのグループ化で関数ドロップダウンをクリックし、関数を選択します。
数字フィールドに集計を追加する
表レポートで行をグループ化する場合、数字、日付、件数、ID フィールドに集計を実行するよう選択することができます。例えば、タイプでグループ化し、ページ列で平均の計算を選択することで、特定のドキュメントの平均ページ数を表示することができます。
数字列が最初の列になるよう列を再配置した場合、レポートビューアはその列の平均値を表示することができません。
結果の並び替え
デフォルトでは、例えばドキュメントが関連づけられた製品レポートタイプの製品名のように、レポートはプライマリレポーティングオブジェクトの名前値に基づいて並び替えられます。異なる並び替え順を設定することができます。
プライマリレポーティングオブジェクトの結果を並び替えるには:
- 列の見出しをクリックしてその列で並び替えます。Vault はこの列の値を昇順にソートします。
- 降順でソートを実行するには、もう一度列ヘッダーをクリックします。列の見出しには、現在の並び替えを示す矢印が表示されます (上向きは昇順、下向きは降順)。
- 保存をクリックします。
レポートの行にグループ化を適用する場合、グループに並び順を設定することができます:
- 並び替えグループ条件のドロップダウンリストで並び順を選択します。
- 保存をクリックします。
プライマリレポーティングオブジェクトが参照する上位オブジェクトのフィールドを並び替えすることもできます。例えば、ドキュメントが関連づけられたマーケティングキャンペーンを表示するレポートでは、製品承認日で並び替えることができます。このフィールドは、マーケティングキャンペーンオブジェクトが参照する製品オブジェクトに属します。
列の幅の設定
レポートビルダーで列の幅を定義すると、Vault は設定を保存して、ユーザがレポートを表示する際にその設定を適用します。ユーザは、表示する際に列の幅を変更できますが、その変更は保存されません。
列の幅を設定するには:
- カーソルを 2 つの列の間の線に合わせます。
- 線を動かして列のサイズを調整します。
- 保存をクリックします。
レポートオブジェクトの順序変更
複数の上位オブジェクトが関連づけられたレポートの場合、オブジェクトの表示順を変更して最も重要なものを強調することができます。
- 列の編集をクリックします。
- 表示する列の編集ダイアログで、表示する列のプライマリーオブジェクトまたは上位オブジェクトの太字表示されたオブジェクトラベルをクリックします。下位オブジェクトは選択できません。
- 上下矢印ボタンをクリックしてオブジェクトを移動します。
- OK をクリックしてオブジェクトの配置を保存します。
レポートビルダー、レポートビューア、レポートエクスポートでレポートの新しい並び順が表示されます。
このオプションはオブジェクトレポートタイプで使用可能です。
エクスポートオプション
高度なオプション > エクスポートオプションで、長いテキストフィールドとリッチテキストフィールドの全文を含むレポートをエクスポートするかどうかを選択できます。
指標レポート
指標レポートの作成時に、行と列の両方にグループフィールドを選択します。Vault が各行と列が結合された場所に実行する計算を選択することもできます。例えば、サブタイプ別に行をグループ化し、コーディネータ別に列をグループ化し、最後にセルで MLR レビュー時間フィールド値の平均値を計算することができます。
グループフィールドの選択
グループ列の基準とグループ行の基準のドロップダウンリストからフィールドを選択します。
集計の定義
デフォルトでは、指標レポートは列および行のフィールドで定義された条件と一致するレコードの件数をカウントします。別の集計を使用するには、セルの選択リストから関数を選択します。カウント以外の集計を選択する場合、MLR レビュー時間の平均値などの計算を実行する数値、日付、または ID フィールドを選択します。集計を追加する前に、グループ化された行をレポートに追加する必要があります。
特殊列
ほとんどの列は、単純にドキュメントまたはオブジェクトフィールドを使用しますが、一部の列はレポートに固有のメトリックスです。これらは表レポートでのみ使用可能です。
レコード件数の列
表レポートには、ドキュメント件数など、各レポートオブジェクトの「カウント」列があります。件数を数値または合計の割合として表示することができます。例えば、製品別にドキュメントをグループ化するレポートでは、合計ドキュメント件数に対する各製品のドキュメントの割合を表示することができます。
個別レコード件数
デフォルトでは、Vault は重複するレコードを表示し、重複を合計件数に含めます。重複するレコードは、複数のオブジェクトまたはレコードが同じ識別子を使用する複数のオブジェクトおよびビューと共に、レポートに表示されます。表形式のレポートで行をグループ化する場合は、個別のレコード件数を表示するように選択できます。レポートエディタで、ID 列の機能ドロップダウンをクリックし、個別の件数を選択します。個別の件数を数値またはパーセンテージとして表示できます。個別の件数で並べ替えることもできます。
アクション列
一部のレポートにアクション列を追加することができます。これにより、レポート閲覧者はレポート内からさまざまなアクションにアクセスすることができます。
レポートビューアがアクセス権限を持たないアクションはアクションメニューに表示されませんが、ワークフローレポートに対してワークフローが完了していたり、あるいは R&U レポートに対してタスクが完了していない限り、アクションメニューは常に表示されます。
ワークフローアクション
ワークフローレポートでは、アクションメニューに、ワークフローの参加者の追加やタスクの再割り当てといった、有効なワークフローページまたは有効なワークフローパネルと同じオプションが表示されます。
レポートの設定によって、表示されるアクションが決定されます。レポートの行がタスクレベル情報を含まない場合、アクションメニューにはワークフローオプションのみが表示されます。
配布アクション
配布レポートは、表示される配布のタイプに基づいて異なるアクションを表示します。例えば、管理版コピーではレポートビューアがリコールを反映するために配布のステータスを更新できます。
数式フィールド
数式フィールドを使用すると、レポートで数式を定義できます。オブジェクト数式フィールドの作成と同様に、レポート内のオブジェクトまたはドキュメントの完全なリストから選択できます。
注: 数式フィールドは現在、オブジェクトおよびドキュメントの表形式レポートとマルチパスレポートでのみ使用できます。
レポートの列として数式フィールドを追加し、数式を使用してグループ化、並べ替え、およびフィルタリングを行うことができます。レポートビューで数式フィールドを定義することもできます。
数式を定義するには:
- 数式フィールドで、数式フィールドの作成を選択します。
- 数式タイプを選択します。
- オブジェクトを選択します。
- ラベルを入力します。
- 戻り型を選択します。
- 最大長を入力します。
- 数式表現を入力します。数式表現を記述する詳しい手順については、Vault での数式の作成をご覧ください。
- 構文を確認するをクリックします。Vault は、式が有効かどうかを表示します。
- 保存をクリックします。
数式フィールドを編集または削除するには、数式ラベルをクリックします。
条件付きフィールド
条件付きフィールドを使うと、他のフィールド値に基づいてラベルを設定することができます。例えば、ステータスグループの条件付きフィールドは、さまざまなライフサイクルを持つドキュメントのドキュメントステータスを表示し、それらのステータスをまとめます: 承認済みの完了、使用の承認済み、配布の承認済みおよび確認待ち、レビュー中、承認中の進行中など。その後、グループ化のためや、表レポートの列として、条件付きフィールドを使用することができます。条件付きフィールドをレポートのフィルタとして使用することはできません。
注: 条件付きフィールドは、配布、バインダー、および R&U を除くすべてのレポートタイプに使用できます。
条件を定義するには:
- 条件付きフィールドの下で、条件付きフィールドの作成を選択します。
- 条件付きフィールドのラベルを入力します。
- カテゴリの作成をクリックします。
- フィールド、演算子、および値を選択します。「等しい」は 1 つのフィールドのみと一致している必要がありますが、「範囲内」では複数のフィールドを選択することができます。
- カラーパレットを使用してラベルのカラーを選択します。この色で、ダッシュボードの列、バー、およびパイウェッジに色を付けます。
- 任意の作業: 必要に応じて、条件の追加をクリックして複数の条件を定義することができます。カテゴリ毎に条件を 5 つまで設定することができます。
- 任意の作業: 必要に応じて、カテゴリの作成をクリックして複数のカテゴリを定義することができます。
- デフォルトカテゴリに入力します。他の条件のどれもが満たされない場合、デフォルトのカテゴリラベルと色が使用されます。
- 保存をクリックします。
レポートはカテゴリを順に評価します。レコードが最初のカテゴリの条件を満たすと、Vault は最初のカテゴリのラベルを適用します。2 つ目のレコードが条件を満たさない場合、Vault は次のカテゴリを評価します。デフォルトのカテゴリは、条件のいずれも満たさないレコードに適用されます。
フィルタおよび列のエイリアスの有効化
高度なオプションのフィルタと列のエイリアスを有効化するのチェックボックスを設定すると、レポートビューアとエクスポートされたレポートの列 (表レポートのみ) とフィルタに表示されるエイリアスを設定することができます。このオプションでは、各レポートオブジェクトの名前列を削除することもできます。エイリアスは、特に列およびフィルタに特殊な命名規則が求められる規制当局に送信するレポートに有益です。エイリアスの詳細は、レポートフィルタの使用をご覧ください。
バックグラウンドでのレポートの実行
レポートを作成または編集するときに、レポートをバックグラウンドで実行することを選択できます。Vault は、レポート結果を表示する準備ができたときに通知し、レポートの実行中に作業を続行できるようにします。通知内のリンクをクリックして、結果にアクセスできます。
レポートは、レポートページまたはレポート編集ページからバックグラウンドで実行できます。レポートページで、レポート名の横にあるアクションメニューをクリックし、バックグラウンドで実行を選択します。レポート編集ページで、実行をクリックし、バックグラウンドで実行を選択します。
制限
バックグラウンドで実行されるレポートには、次の制限が適用されます。
- 一度に最大 5 つのレポートをバックグラウンドで実行できます。
- レポートは 2 時間後にタイムアウトします。
- 結果は 35 日間キャッシュされます。キャッシュされた結果はユーザ固有です。