ライフサイクル状態にユーザアクションを定義することで、ユーザは、その状態にあるドキュメントでそれらのアクションを実行することができます。例えば、ワークフローの開始やドキュメントの別の状態への移動などです。例えば、CLM 統合機能の CLM への送信など、特定の機能およびアプリケーションで利用できる追加のユーザアクションタイプがあります。有効になると、選択された状態にあるドキュメントまたはバインダーのアクションメニューにユーザアクションが表示されます。ユーザアクションは、Vault のアクセスコントロールを尊重するため、アクションに対して正しい権限を持つユーザにのみメニューに表示されます。
ユーザアクション管理へのアクセス
管理者 > 設定 > ドキュメントライフサイクル> [ライフサイクル] > 状態 > [状態] > ユーザアクションで、特定のライフサイクル状態のユーザアクションを構成できます。管理者: ドキュメントライフサイクル権限を付与するセキュリティプロファイルを有している必要があります。
アクションタイプ
以下のタイプのアクションを構成できます。
- 状態を変更する
- このタイプのアクションでは、ユーザがドキュメントを別のライフサイクル状態に手動で移動できます。Vault は、状態変更のエントリ条件とエントリアクションを実行します。
- 関連レコードを作成する
- このタイプのアクションでは、ユーザは、ドキュメントビューアを離れることなく関連オブジェクトレコードを作成することができます。このアクションは、1 つ以上の有効なドキュメント参照フィールドのあるオブジェクトにのみ使用できます。ドキュメント参照フィールドがバージョン固有の場合、Vault は現在のドキュメントバージョンを自動選択します。
- フォームの生成
- このアクションは有効化・構成されている場合にのみ使用可能です。このアクションは、1 つ以上の構成済み XFA フォーム、XML 要素オブジェクトレコード、さらにユーザがアクションをトリガーして新規フォームドキュメントを作成・入力するドキュメント/バインダーからのデータを使用します。
- Web アクション
- 事前設定された Web アクションを開始します。一部のオプションは、お使いの Vault の Web アクション内で自動で利用できます。
- ワークフロー
- このアクションにより、指定されたワークフローが開始されます。選択ライフサイクルで構成済みかつ有効なワークフローのみが利用可能です。一つのワークフローの各状態につき、一つだけユーザアクションを設定できます。
お使いの Vault にここで紹介した以外のカスタムアクションを追加することもできます。これらのアクションは、固有のビジネスニーズに合わせて Vault Java SDK を使用して組織が作成します。これらのアクションの詳細は、Vault 管理者にお尋ねください。
Clinical Operations Vault のアクションタイプ
- eConsent のプレビュー
- このアクションを使うと eConsent フォームのプレビューを実行できます。
- eConsent チェックアウトのキャンセル
- このアクションを使うと別のユーザによる eConsent フォームのチェックアウトをキャンセルすることができます。
- eConsent を編集
- このアクションを使うと eConsent フォームを開いて Veeva eConsent エディタで編集することができます。
- 治験ネットワーク経由でドキュメントを送信
- このオプションは、Veeva Site Connect が有効化されている Clinical Operations Vault でのみ利用可能です。このアクションを使うと医療機関に治験固有ドキュメントを送信することができます。
PromoMats & MedComms Vault のアクションタイプ
- 試料の追加とコンプライアンスパッケージの再生成
- このアクションは、eCTD コンプライアンスパッケージ生成用に設定された PromoMats の Vaults でのみ利用可能です。これにより、バインダーへのドキュメントの追加や、コンプライアンスパッケージの再生成ができます。
- メールフラグメントの作成
- このアクションは、Approved Email 統合に構成された PromoMats および MedComms Vault でのみ利用できます。マスターメールフラグメントを適用することで、ドキュメントにメールフラグメントを作成します。
- プレゼンテーションの作成
- このアクションは、PromoMats と MedComms でのみ使用可能です。1 つのドキュメントから、複数のマルチチャネルスライドドキュメントとマルチチャネルプレゼンテーションバインダーを作成します。これは、Engage インテグレーションまたは CLM インテグレーションに設定された Vault に適用されます。
- 関連ドキュメントまたはバインダーの作成
- このオプションは PromoMats および MedComms Vault でのみ使用可能です。このアクションを使うと、新しいドキュメントまたはバインダーとソースドキュメントからの関係を同時に作成することができます。例えば、ドキュメントが承認済み状態になった場合、新しいドキュメントと一緒に必要なソースドキュメントとの送信関係の作成を選択することができます。
- CLM へ送信
- このアクションは、PromoMats と MedComms でのみ使用可能です。ドキュメントとバインダーを CLM に公開します。これは、CLM 統合に構成された Vault と、CLM コンテンツとして構成されたドキュメントまたはバインダーにのみ適用されます。
- CRM へ送信
- このアクションは、PromoMats と MedComms でのみ使用可能です。ダイアログが開き、認証情報を入力して、ドキュメントおよびバインダーを特定の CRM アプリケーションに公開することができます。これは、旧バージョンの iRep 統合に構成された Vault と、CLM コンテンツとして構成されたドキュメントまたはバインダーにのみ適用されます。
- Engage へ送信
- このアクションは、Engage 統合に構成された PromoMats および MedComms Vault でのみ利用できます。Engage コンテンツとしてドキュメントまたはバインダーセットにのみ適用されます。ドキュメントとバインダーを Engage プレーヤーに公開します。
- ドロップ済みスライドの廃止
- このアクションは、Engage インテグレーションまたは CLM インテグレーションが有効化されている PromoMats および MedComms Vault でのみ使用可能です。マルチチャネルプレゼンテーションから削除されたマルチチャネルスライドをライフサイクルの廃版状態に移動させます。このユーザアクションをプレゼンテーションライフサイクルの固定状態に適用する必要があります。
- 関連プレゼンテーションとスライドの廃止
- このアクションは、Engage インテグレーションまたは CLM インテグレーションが有効化されている PromoMats および MedComms Vault でのみ使用可能です。生成元のドキュメントが廃版状態に移動したら、マルチチャネルスライドまたはマルチチャネルプレゼンテーションをライフサイクルの廃版状態に移動させます。このユーザアクションを適用するにはプレゼンテーションの作成ユーザアクションを含むドキュメントライフサイクルの廃版状態タイプに特定の状態を設定する必要があります。
ユーザアクションを作成する方法
新規ワークフロー ユーザアクションを作成するには:
- ユーザアクションタブで、編集をクリックします。
- ルールの作成をクリックします。
- 任意の作業: ユーザアクションを特定の条件を満たすドキュメントにのみ表示させる場合は、条件付きで実行するを選択します。詳細をご確認ください。
- 許可するアクションで、ユーザアクションタイプを選択します。詳細をご確認ください。
- ユーザアクションに詳細を定義します。例えば、ワークフローアクションでは、特定のワークフローを選択してラベルを入力する必要があります。
- 任意の作業: アクションの追加をクリックしてその他のアクションを追加します。ルールが条件付きの場合、これらの追加基準は同じ条件を共有します。
- 保存をクリックします。アクションは、正しい権限を持つユーザに対して直ちに利用可能になります。
注: お使いの Vault がドキュメントのアトミックセキュリティ: ドキュメントライフサイクルアクションを使用している場合、ユーザは新規アクションにアクセスできない場合があります。アトミックセキュリティタブに進みます。ここでは、新規アクションのデフォルトのアクセス権限を表示し、必要に応じてアクセス権限の上書きを設定することができます。詳しくは、ドキュメントのアトミックセキュリティをご覧ください。
条件を定義する方法
特定のユーザアクションは、ドキュメントが条件一式を満たす場合にのみ利用可能となります。例えば、異なるワークフローが、米国のドキュメントと英国のドキュメントに利用可能である場合、ワークフローユーザアクションは、ドキュメントの国フィールドに基づいて条件付きとすることができます。
条件を定義するには、ドキュメントフィールド、演算子および値を選択します。ライフサイクルを使用するドキュメントタイプに関連付けられたほとんどのフィールドと一部のシステムフィールドが使用できます。必要に応じて、条件の追加をクリックして複数の条件を定義することができます。
ユーザアクションを利用できるようにするには、ドキュメントが Vault のルール内に定義された条件のすべてを満たす必要があります。条件がドキュメントに適用されないフィールドを使用している場合、Vault はその条件を検証しません。
条件およびアクションでの不明レコードの参照について
Vault のプロビジョニング中にライフサイクル設定をコピーする場合、エントリ条件または条件での特定のオブジェクトレコードへの参照は、それらのレコードが新しい環境に存在しない場合は無効になる可能性があります。これが発生した場合、不明オブジェクトレコードへの参照は、ライフサイクル設定フィールドに空として表示されます。
Vault では、これらの不明レコードがある場合でも設定を保存できますが、新しい環境でこれらの条件を使用する場合は、Vault ローダを使用するか、API を使用して、同じ ID 値でレコードを再作成することにより、これらの不明な参照を解決することをお勧めします。別の設定を更新してそれをソース環境に戻したいだけの場合は、存在しない参照をそのままにすることができます。
アクションの順序を変更するには
アクションメニューに表示されるオプションの順序を変更することができます。アクションの順序を変えるには、ルール自体をクリックしてドラッグするか、ルール内のアクションをクリックしてドラッグします。左上隅をクリックしてドラッグすることができます。
ユーザアクションを編集または削除する方法
ユーザアクションルールを変更するには、編集をクリックします。必要に応じて変更を行います。ルール、ルール内の条件またはルール内のユーザアクションを削除する必要がある場合には、行の X アイコンをクリックします。変更が終了したら、保存をクリックします。
ユーザアクションルールの制限
各ライフサイクル状態に、最大 50 件のユーザアクションルールを定義することができます。1 つのルールに最大 10 件のアクションを指定することができます。ルールが条件付きの場合、最大 5 件の条件を持つことができます。
Vault では、管理者が、アクションラベル値が同じアクションを複数作成することを防ぐことができません。これが起こった場合、ユーザのアクションメニューには重複したオプションが表示されます。
関連ドキュメントまたはバインダーの作成オプション
このアクションの設定には、いくつかのフィールドを使用できます:
- アクションラベル: ユーザアクションがどのようにユーザに表示されるかを示します。
- ドキュメントまたはバインダーの作成: ユーザが関連ドキュメントまたはバインダーを作成するかどうかを指定します。
- ドキュメントタイプ: 新しく関連付けられるドキュメントのドキュメントタイプを指定します。
- ライフサイクル: 新しく作成されるドキュメントのライフサイクルを指定します。通常、ドキュメントタイプは 1 つのライフサイクルに関連付けられますが、このアクションでは複数のライフサイクルに関連付けることができます。Vault は指定されたドキュメントタイプに有効なライフサイクル状態のみをリストします。
- テンプレートの選択: これはドキュメントを作成する際に使用するテンプレートを指定するオプションフィールドです。
- 関係タイプ: 新しいドキュメントをソースドキュメントに関連付けるために使用される関係タイプを指定します。Vault は指定されたドキュメントタイプに基づいて有効な関係タイプのみをリストします。
関係タイプフィールドを設定する際には、以下の関係タイプのみが選択可能です:
- 選択されたドキュメントタイプに有効な関係タイプ
- カスタム関係タイプ、または関連オリジナルドキュメントの関係タイプ
- ソース固有でない関係タイプ。ソース固有の場合は、ソース関係の繰り返し属性が選択されている必要があります。
関連ドキュメントまたはバインダーの作成の詳細
関連ドキュメントまたはバインダーの作成ユーザアクションでは以下の処理が行われます:
- 関連バインダー、関連プレースホルダー、または関連テンプレートの接頭辞を新しく作成されたドキュメント名 (ソースドキュメントから継承) に追加します。例えば、関連バインダー – マイプレゼンテーションのようになります。
- ソースドキュメントのカスタムフィールドと一部の標準フィールドで一致するすべてのフィールド値を関連ドキュメントに自動的にマッピングします。
- このアクションは非同期的に実行され、アクションが完了すると通知が送信されます。
- 作成されたドキュメントからソースドキュメントへの送信関係を作成します。Vault はユーザアクションで設定されている関係タイプに基づいてこれを実行します。
サポートされる標準フィールド
関連ドキュメントまたはバインダーの作成アクションは、ソースドキュメントの以下の標準オブジェクトフィールドを関連ドキュメントに自動的にマッピングします。
- 製品
- 国
- Portal
- CLM コンテンツ
- Engage コンテンツ
- ディレクトリ
- サーベイオーバーレイを有効化する
- 開始日
- 終了日
- キーワード
- プレゼンテーション ID
- サーベイ
- 教育訓練
- ウェブサイト
- CRM 組織
- CRM 製品
- CRM ディテールグループ
必須フィールドが入力されていない場合やデータタイプが一致しない場合にはアクションは実行されません。